はじまり

クーフェリアス(ラグランジュ) 2011.09.13 [08:58]

警戒はしていたものの特に妖魔などの出現もなくハルストレーム村に到着できた。

しかし野外活動の知識や経験も浅い自分にとっては

強行軍そのものが妖魔並みの脅威にも思えるほどの疲労感に襲われていた。

 

>「飛び込みてーなー」

>「リュエン氏よ。水浴びなり湯浴みをしたい貴殿の気持ちはよく分かるし、
> ワシも出来るものならすぐにでもいそうしたい所ではあるが、
> まだ我々は村に到着したばかりの段階じゃ。
> 先ずは情報収集と状況の把握、それから警備の編成について考えるのが
> 筋ではあるまいか?
> 今この瞬間にも妖魔が襲ってくるかも知れん、防衛の任にあたる我等が
> 油断しては任務の成功もおぼつかなくなるじゃろう。
> 今一度、気を引き締めて頂けますかな?」

 

「同感」

ついリュエンの言葉にそう返してしまった。

「ただ水浴びは仕事が片付いてからにした方がいいかな、村人はそれどころじゃないしね」

ガラフの言葉に頷きつつリュエンに目配せする。

この程度でリュエンとガラフがいがみ合うとは思えなかったが

防衛に当たるメンバーで問題が出て村人の精神状態に影響があるとまずいと思い、一応角が立たぬよう気を配ってみる。

「しかしこんな所で妖魔が出たらひとたまりもないな」

こちらの態勢が整うまでは襲撃は控えて欲しいと思うものの

妖魔相手にそんな願いが通じるなら苦労はないと心の中で自虐的な笑みを浮かべる。

 

不安げにこちらの様子を伺う村人とアルフレドと僅かなやり取りの後に門が開け放たれ

ようやく中に入った所で溜まった疲労感を搾り出すように深くため息をつく。

さて、早速防衛のための準備を始めなければ。

????????????????????????????

PLより

リュエンとガラフはルーキーとベテランの凸凹コンビみたいな掛け合いが生まれるんでしょうか?

ちょっと期待してます(笑)>狩生さん、テッピンさん

 

見張りや休憩は狩生さんの案がいいと思います。

ガラフ(テッピン) 2011.09.13 [01:06]

携行用の保存食と貸与された武具を受け取り、子爵の館を後にする。
道中はなかなか厳しいものとなった。
例え熟練の兵や冒険者であっても、不休の強行軍は消耗が激しい。当然の事だ。
殊に鎖帷子を着込み、足が短い鉱山妖精である自分には。
鎧の重さと足の短さに辟易する事夥しいこの頃だが、誰を恨んでも仕方がない。
それにしても衛兵はよくついて来ている。大したものだ。

そう言えば、殿はリュエンが自ら名乗りを上げた。
口が悪いだけではなく、婉曲的ではあるが優しさも持ち合わせている様だ。
そして中々に複雑な精神構造をした若者らしい。
杖に半ば凭れ掛かりながらも、強気の表情を崩さない。

陽が沈み、辺りは闇と星月の光が覆う。夜だ。
幸いにも街道に出る事が出来たので、行軍の勢いを落とさずに済んだ。
自分は暗闇を見通せるが、人間にとって闇は著しく行動が制限される。
足元が整備された道か獣道かは、大きな影響が出るのだ。

***********************************

3刻ばかり歩いただろうか。
星の動きを見るに真夜中だろう時刻、我々は無事にハルストレームの村へと
到着する事が出来た。
道中、妖魔と遭遇しなかったのは幸いな事だった。
突然の来訪者に門番は酷く慌てた様子だが、アルフレド従士長が来意を
伝えると安心した様子で門を開けてくれる。
その様子を横で眺めていた所、リュエンが場違いな事を漏らした。

>「飛び込みてーなー」

夜通し歩いたお陰で全身が汗まみれなのは分かるが、緊張感には欠ける発言だ。
少し気になったので、一言釘を刺しておく事にした。

「リュエン氏よ。水浴びなり湯浴みをしたい貴殿の気持ちはよく分かるし、
 ワシも出来るものならすぐにでもいそうしたい所ではあるが、
 まだ我々は村に到着したばかりの段階じゃ。
 先ずは情報収集と状況の把握、それから警備の編成について考えるのが
 筋ではあるまいか?
 今この瞬間にも妖魔が襲ってくるかも知れん、防衛の任にあたる我等が
 油断しては任務の成功もおぼつかなくなるじゃろう。
 今一度、気を引き締めて頂けますかな?」

===================================
 
PLより:追いつき追い越せ、の投稿第2弾。
    以下にGM指定のダイスの結果を添付します。普通ですね。

ガラフ@テッピン : GM指定ダイス:冒険者Lv+知力B=基準値5 2D6 → 4 + 3 + (5) = 12
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : 期待値ですな。

    >狩生さん

     見張り案、有り難うございます!ワタシも狩生さんの案に賛成です。
     PCのやり取りでは説教垂れてます、スミマセン。m(_ _)m

    HP22/22 MP23/24 インスピ:未使用

ガラフ(テッピン) 2011.09.12 [23:42]

こちらの質問にに対し、子爵は実に歯切れよく回答をしていく。
我々に同行する従士長及び衛兵については、後程引き合わせてくれるそうだ。

自分の意見を考慮し、マルドルは鎧の代わりに大盾の貸与を申請した。
自分としては、彼女の判断を賢明なものであると思い嬉しく思う。
彼女の<精霊力感知>と<赤外視>の能力は、貴重なものだ。
意外にも、ラッシュまでが大盾と鎚矛の貸与を申し出た。
どうやらただの猪突漢ではないらしい。

子爵の説明を一通り聞き終えた後、各々が自分の考えを述べた。

>「その後は時間をかけずにサクっと出発するつもりだ...ですが、
> そのつもりでいいんですかね」

>「確かに子爵殿とリュエンの言うとおり、敵の襲撃が読めぬ今、
> すぐに現地へ赴くほうがいいだろう」

自分もリュエンとマルドルに続き、言葉を重ねる。

「ワシもマルドルとリュエン氏の意見に賛成じゃ。
 次の襲撃が何時行われるか分からない以上、一刻も早くハルストレームへと
 急行すべきでしょうな。それも、出来得る限り迅速に移動せねばなりますまい。
 昼夜問わずの強行軍も辞さず、で宜しいかと。
 それに詳しい情報は現地で収集した方が正確でしょうしな...
 駆け込んだ村人に<平静>の祈りを掛ければ、すぐ話を聞けるかも知れぬが」 

その後、チルグラが少し気になる質問を子爵に発した。

> 「騎士団の行動とは、前回の報告しました
>  古い『砦』のこと・・・とはまた別のことですかしらん?
>  あそこってどうなったのでしょう?」

>「覚えておいででしたか。
> ――いや、貴女なら覚えていない筈もありませんね。
> 砦へ出向いているわけではありませんが、無関係というわけでもありません。
> 砦の件、調査は概ね済んでおりますが、いまだ一件落着とは」

チルグラはどうやら前回受けた妖魔退治の依頼との関連性を疑っているらしい。
しかし、この質問に対し、子爵は言葉を濁しただけだった。
我々には言えない何かがあるのかも知れないが、深く考えない事にする。
今の我々は、ハルストレームを妖魔から守る事に全力を尽くさねばならない...

***********************************

>「アルフレドです。
> よろしくお願いいたします」

子爵に促され入室してきたのは先の話で上がった従士長だった。
年齢は人間では中年に入り掛けた位だろうか。
体格や物腰から推測するに、マルドルとそう遜色の無い技量の主に見える。
彼が同行してくれるというのは、大変有り難い事であった。
順番に、彼と挨拶を交わす。

>「アルフレドさん、ね。
> チルグラよ、よろしくお願いいたしますわねん」

>「ミスルトゥのマルドルだ」

「この度縁あってハルストレーム防衛の任務を引き受ける事になりました、
 ガラフと申します。アルフレド氏よ、宜しくお願い致しますぞ」 

そしてアルフレドから衛兵についての詳しい説明を聞く。
要約すると訓練はこなしているが実戦経験が無い、という事だ。
という事は...

>「率直に申し上げて、積極的な攻撃を行える練度ではありません。
> 適切な場所に拠って防御を行う任に辛うじて堪える程度です。
> 野戦で正面から攻撃に晒されれば、
> 幾許かの時間と生命を引き換えることになりましょう」

アルフレドの偽りの無い言葉の通り。
そこにマルドルが自己の見解を述べる。

> 「正面きっての野戦に不向きであっても、
>  彼らは村の守りを固めるには充分な力になるだろう。
>  背中の護りあってこそ、前戦の我々も安心して戦えるのだから」

それは戦略的にも最善の配置・運用法に思われた。
我が意を得たのか、アルフレドが少し表情を和らげる。

>「まさにそれこそが」

>「私の考えるところ、彼らにとって最も妥当な仕事です」

「うむ。ワシもマルドルやアルフレド氏と同じ考えじゃ。
 我々は場合によっては討って出る選択肢も考えばならん。
 その時、必然村の守りは薄くなるじゃろう
 村にアルフレド氏と衛兵の方々が居るのは真に心強い限りじゃ」

続けてリュエンが不躾とも取れる発言をした。

>「ちんたらいって犠牲者でも出りゃ寝覚めも悪いし、そういうつもりで行くから、
> あんたの部下にも覚悟するように言っといてくれよ」

子爵と従士長は表情を僅かに硬化させる。
若さ故のあけすけさだが、それが時として他人を傷つける事があるのは
まだ分からないようだ。あるいは、承知の上で敢えて言っているのか。
アルフレドが子爵に促されて発言する。

>「夜通しの強行軍であれば、条件があります。
> そちらからどなたかが最後尾についていただきたい。
> でなければ、落伍者が出ることになりましょう」

「承知致しました。我々の中から殿をつけましょう」

軽く流す様に、返答する。罰が悪い会話には深く踏み込むものではない。

>「あ、夜通しの強行軍なら、一つ!!」

急にチルグラが手を挙げた。

>「申し訳ないんですけれども、途中で魔法使うことがあったら、
> あたくし、村についたとき、休憩を取らせていただくわ。
> 着いた日の夜に襲撃がないとも限らないし、
> 魔法をフルで扱うには、精神と体の安定が必要不可欠ですしねん。

>経験豊富なかたならば、そんなことも必要ないのだけど」

この質問により、場の空気が変わった。
当の本人はそんな事を意識してやったのではないだろうが、
それ故に彼女に感謝の念が沸く。
彼女の訴えは、同じく魔法を使う者としてはよく理解出来るものであった。
魔力を存分に行使する為には十分な休息は必要不可欠なものだ。

>「もとより私が許す許さぬという話ではありません
> お互いが十全の体制で動けるならばそれでよいのです」

対するアルフレドの返答はやや事務的だった。
やはり先のリュエンの一言が響いているのだろうか...
さて、リュエンという若者とこれから行動を共にするにあたって、
他人の心情への配慮について諭す機会は巡ってくるものか?

などと考えている内に、リュエンとクーフェリアスの血気盛んな二人が、
子爵に意気揚々と話し掛けている。

>「そういうわけです、ミスターフリクセル。また・・・
> そうですね、1週間後にお会いしましょう」

>「ではフリクセル子爵、良い報告をお待ちください」

自分はこの若い連中を援護し、時として掣肘しながら、
マルドルと共に任務を成功させねばならない。
それは、セリトやカーツェナルと行動するのに慣れきっていた自分には、
なかなかの難事業に思えた。

...と内心では色々と考えつつも、口に出しては子爵にこう言った。

「子爵よ。アルフレド氏及び衛兵の方々と連携し、
 ハルストレームを妖魔から防衛する為に力を尽くして参りますぞ。
 子爵は今回ハルストレームを守る為に果断な行動を取られた。
 ラーダは賢明な者には厚い加護をくださりますでな!」
 
===================================

PLより:投稿が大幅に遅れてしまい申し訳ありませんでした(謝罪)
     闘病生活で本人が思っていた以上に体力を奪われていた模様です...
     仕事が辛い!(>x<)    
    
     >Lain@GMさん

      錯乱状態の村人に<サニティ>を掛ければすぐに話を聞けるかな?
      と考えましたが、強行軍で掛け付けると自分でも意見を表明した
      のでそのままハルストレームへ行きます!(笑)

リュエン(狩生) 2011.09.12 [01:55]

暦も秋を数えたとはいえ、まだまだ暑さの残るこの季節。
徐々に重くなっていく足を踏み出し踏み込み、夜半、ようやくハルストレームにたどり着いたころには全身汗でびっしょりだった。

こういうときに、俺の得物がありがたいことといったらない。
こんな使い方が師匠に知れたらコトだが、幸いあのクソジジイは大陸の遥か東の彼方だ。

「飛び込みてーなー」

門の前で村人とごちゃごちゃ話してる仲間を尻目に、俺は暗い川面を見下ろして一人語落た。
楽しく川遊びと洒落込むには、ちょいと流れがはやいかね。

 

*PLより
しんがりはそれがしにおまかせくださいませ。


さて、ぱんだちが触れてますが、さしあたって休憩のローテーションを考えないとダメですね。
依頼の直前まで全員休息をとっていたとして、それからすでに2ターン過ぎてますから、1日目のターン2までに全員一度は睡眠をとらないと、睡眠不足のペナルティがついてしまいます。

というわけで、ターン1とターン2に寝る人をそれぞれ決めましょう。
寝てない人は見張りなり何なり行動するとして、ターン1は暗いので、夜目の効くガラフとマルドルには起きていて欲しいですね。
そうすると前衛力は十分なので、残りはチルグラかクーフェ。プリーストを分けることを考えればチルグラでしょうか。

まとめると、
ターン1に起きてる:ガラフ、マルドル、チルグラ
ターン2に起きてる:クーフェ、ラッシュ、リュエン

ガラフとマルドルの判定(あ、夜目組か)他、追加の情報次第ではありますが、とりあえず叩き台としてこんな感じでどうでしょう。

あとは見張りのやり方とか罠とか、今後の方針(守るの?潰しにいくの?)も考えておきたいとこですが...このへん、何か思いついた方お願いします!

参考:時間の管理について
http://gmlain.sakura.ne.jp/swww/bbs04/900/post_18.html


>GM
0日目のターン2は全員休息していたものとして考えて構いませんか?


>夏季さん@ラッシュ
NH!(ナイスヘビーメイス!)

GM(Lain) 2011.09.11 [23:59]

> 「俺も借りたいんだが?」
> 「ラージシールドと・・・できれば、メイスがあればお借りしたい。」

「大盾と鎚矛ですか。
 盾は合うものをお持ちいただけましょうが、鎚矛は調度よいものがあるかどうか。
 いずれにせよ、武具庫をご覧になってください。
 ――アルフレド」

 最後に従士長に呼びかけ、はいと振り向いた彼に向けてフリクセルは続ける。

「衛兵に引き合わせる前に、武具庫へご案内するように」

 アルフレドは黙して一礼し、主人の命に答えた。

※ ※ ※

> 「ちんたらいって犠牲者でも出りゃ寝覚めも悪いし、そういうつもりで行くから、あんたの部下にも覚悟するように言っといてくれよ」
> 「それに善は急げといいますし村の状況も考えると夜通しの強行軍での移動が最善でしょうね」

 リュエンとクーフェリアスの言葉に、フリクセルはほんの僅かに表情を曇らせた。
 同時にアルフレドが表情を硬くする。

「アルフレド、何か意見は」

 子爵が問い、

「夜通しの強行軍であれば、条件があります。
 そちらからどなたかが最後尾についていただきたい。
 でなければ、落伍者が出ることになりましょう」

 アルフレドが答える。

「アルフレドはこう申しておりますが・・・・・・?」

 あくまでも穏やかな物腰で、子爵は冒険者たちに問いかける。

> 「申し訳ないんですけれども、途中で魔法使うことがあったら、
>  あたくし、村についたとき、休憩を取らせていただくわ。
>  着いた日の夜に襲撃がないとも限らないし、
>  魔法をフルで扱うには、精神と体の安定が必要不可欠ですしねん。

 チルグラの申し入れに、アルフレドは肯定とも否定とも答えを返さなかった。

「もとより私が許す許さぬという話ではありません
 お互いが十全の体制で動けるならばそれでよいのです」

 必要であれば彼女が休んでいる間の立哨は私が出ましょう、と彼は言う。

※ ※ ※

 アルフレドに案内された武具庫には、様々な長さの槍や剣が武器架に掛けられている。
 短刀や手斧、鎚矛、弓矢なども置かれているようだ。

 別の一隅にはこれもまた幾種類かの鎧と盾が種類ごとにまとめて置かれている。

 いずれも手入れは行き届いており、身体に合いさえすれば使うに不安はなさそうだ。

※ ※ ※

 武具を受け取ったのち、一行は中庭に案内された。

 鎧を身につけ、継手を外した槍を背嚢に括り付けた若い衛兵たちが、軽口を叩きながら互いの装具を点検しあっている。

 彼らは一行を――というよりはその先頭にいたアルフレドを――認めると、口を噤んで姿勢を正す。

「そのまま聞け、手は止めるな。
 ――無駄口は叩くな」

 アルフレドが短く命じる。

「装具の点検が済んだら糧食を受け取ってすぐに出る。
 我々は、」

 5人の顔を見回し、

「妖魔の襲撃を受けた村を防衛するため、現地へ赴く。
 目的地はさきに説明したとおり、ハルストレームだ。
 夜間の強行軍となる。ハルストレームに入るまで大休止は取れぬものと思え」

 ざわめいて顔を見合わせ、手を止めた衛兵たちに叱声が飛んだ。

「手を止めるな、急げ」

※ ※ ※

 3食分の保存食、加えて行動中でも食べられるように、と梨と干したイチジクを受け取り、一行は慌しく子爵の居館を出発した。

 ほどなくアンセルムの市門を過ぎ、エフライム川のほとりを歩き、途中から支流のイェルム川を遡る。

 フラナリー街道に差し掛かろうかというあたりで、行く手の山に日が落ちた。
 晩夏の夕景を楽しむ余裕もなく歩き続けると、ほどなく細い山道は暗闇に包まれる。

 暗くなった時点で、街道に出ていたのは幸いだった。
 舗装こそされていないものの、踏み跡のような道よりは遥かに歩きやすい。

 そのまま歩き続けることおよそ3刻。
 最低限必要なだけの小休止を挟むのみで強行した甲斐あって、真夜中にはハルストレームに到着することができた。

 深夜に近づいてくる明かりを見た村人はひどく慌てたが、来意を告げて子爵の名を出せば安堵した様子で門を開いてくれる。

 門の直前、イェルム川を渡る橋はしっかりとしたものだが、川の流れは急で水量も多い。
 ゴブリンやコボルドにとって渡渉は不可能、ホブゴブリンやロード種でも相当に難しいだろう。

 北側からの侵攻を考慮に入れる必要はまずなさそうだ。

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■GMから

 この記事への返信は「110_導入部」カテゴリにチェックを入れて投稿してください。

 宣言を受けてハルストレームまで移動しました。

 アルフレドが「誰かそっちから最後尾についてほしい」と言っておりますが、要は「衛兵を最後尾に回すと後ろから落伍者が出る」ということです。
 かといって衛兵のペースに合わせたら強行軍の意味が薄れる(夜道を歩き慣れていない人間にペースメーカーさせると歩調が落ちる)ので、必然的に前は冒険者にせざるを得ない、というお話ですね。

 中途半端なところで切れておりますが、以下の判定の結果によって少々変わる部分があろうかと思いますのでこのような形となっております。


>テッピンさん&LINTSさん

 ガラフとマルドルは「冒険者Lv+知力B」を基準に判定をどうぞ

 タイミングはハルストレームに入る直前、橋を渡る前後あたりとお考えください。


>みなさま

 次かその次のレスで導入部を終え、新たなカテゴリへ移行します。
 物品の購入などはカテゴリ移行後はできませんのでご注意くださいませー。


>夏季さん

 ラッシュが希望したメイスについて、必要筋力をダイスで決めましょう。
 「2d6+5」が必要筋力です。12以下ならライトメイス、13以上ならヘビーメイスです。


>ぱんださん

 能動記憶、了解しました。
 なんかあったときにGMが忘れてるようならご指摘ください。

チルグラ(ぱんとら!) 2011.09.11 [22:53]

 

 

説明を受ける。

 

子爵が地図の上、移動経路を指でなぞる。
あたくしはしっかりその地図の主な地形と
その指の跡をなんども目で追った。
なにかあった時のために、しっかり覚えておくわねん。

 

子爵が、丁寧に私からの質問に答える。
「ありがとうございます」
わかりました、というほほえみを乗せて頭を下げる。
広く知らせてることではない。
無駄に領民を不安がらせることはないということかしら。
......とにかく今回の依頼を完遂させることを考えましょ、だわん☆

 

「アルフレドさん、ね。
 チルグラよ、よろしくお願いいたしますわねん」

杖を軽く振ってあいさつをする。

さて、血の気が多い皆様に力技はお任せできて嬉しいわん☆

「うふふ、若いって、いいわねん♪」

さて、お肌が荒れそうな強行軍、どうなることやら。
あらら、ええっと。
椅子から立ち上がるクーフェリアスを見てあわてて

「あ、夜通しの強行軍なら、一つ!!」

と手を挙げる。

「申し訳ないんですけれども、途中で魔法使うことがあったら、
あたくし、村についたとき、休憩を取らせていただくわ。
着いた日の夜に襲撃がないとも限らないし、
魔法をフルで扱うには、精神と体の安定が必要不可欠ですしねん。

経験豊富なかたならば、そんなことも必要ないのだけど」

と心でかるく嘆息し、よいかしら?と首をかしげた。
自分の成長のなさに悲しくなるけど、
これの仕事がまた何かしらの経験になる。


『チルチル、少しでも少しでも、前へ、だよ?』


そうよね、あなた。


--------------------------------
PLより:

地図と経路を能動記憶しておきます。

欲しい装備はありません。

>チルグラのお願い
途中もしエンカウント遭遇して魔法使ったら寝る時間優先でオークレー@w@
と、フレーバーとしてもイチオのお話でございますw

ええと、最後のセリフは旦那を思い出してます。
すんませんすんません。
チルグラ日記、こういうのちょいちょい入れるんで、
呆れずにスルーでよろしくお願いいたしますm(__)m

 

クーフェリアス(ラグランジュ) 2011.09.10 [15:02]

>「はははっ、頼もしいな。うかうかしてたら、あんた達に金星挙げられそうだ」
 
「うーん、こちらは白星が精一杯ですけどねぇ、金星はリュエンさんに任せますよ」
 
戦士としての訓練は基礎が終わったくらいで衛兵達と殆ど差はなく
相手にできるのはゴブリンがせいぜい、それも数が多ければどうなるか分からない。
しかし本格的な実戦は初だが不思議と緊張感はない。
 
リュエンの不敵とも取れる自信に満ちた態度や
マルドルの多くは語らないが強い芯が感じられる口調が頼もしく感じられたからだろうか?
あるいは本物の妖魔を見る事が出来るという好奇心も影響しているのかもしれない。
 
 
>「さてと、じゃあ出発はすぐでいいよな」
 
「ええ、こちらはいつでも」
 
カップの底に残ったもう冷めてしまったお茶を飲み干すと椅子から立ち上がる。
 
「それに善は急げといいますし村の状況も考えると夜通しの強行軍での移動が最善でしょうね」
「ではフリクセル子爵、良い報告をお待ちください」
 
??????????????????????????????
PLより
これ以上やれることも見つからないので他の方の用意が整えば次進んじゃって下さい。
 
そう言えば特に考えてなかったけど見た目はスカイハイに似た感じなのかな?
たぶんそうかも(笑)>LINTSさん
 
いやいや、まだ始まったばかりですし
そんなに意識せずに自由にやっちゃって下さい^^>狩生さん

 

リュエン(狩生) 2011.09.10 [03:24]

槍使いがラッシュ、ドワーフがガラフ。
女のうち、剣士がマルドル、くねくねしているほうがチルグラ。
育ちの良さそうなのがクーフェリアス。

露骨な足手まといもいないし、最初にしちゃ上出来って印象だ。
むしろ不安なのは俺のほうってオチだなこれは。

「さてと、じゃあ出発はすぐでいいよな」

そんな内心を隠すように俺はイニシアティブを取りにいく。

「ちんたらいって犠牲者でも出りゃ寝覚めも悪いし、そういうつもりで行くから、あんたの部下にも覚悟するように言っといてくれよ」

「そういうわけです、ミスターフリクセル。また・・・そうですね、1週間後にお会いしましょう」

ま、信頼や信用なんてのは自力でどうにかしてやるさ。
何せそうしたいから、家をでたんだしな。

 


*PLより
全員の了解もとれましたしので「すぐ出発して強行軍を行い、0日目真夜中にハルストレームに着く」という旅程で移動します。
要望品はラージシールド2枚というところに落ち着きそうです。
ぱんだちの衛兵強化案もちょっと考えたけど、下手に武具強化より、ハンドアックスとかマトックで土木要員のほうが役に立ちそうだなぁと思ったところで思考停止しました。NPCの名誉優先(キリッ

だいぶ前にでる感じでやらせていただいてますが、まずければさりげなく注意してやってください。
あとPCに絡まずNPCとばっかり喋っててガチですいません...。あの絡みは後で生かします!>ランジュさん

ラッシュ(夏季ごおり) 2011.09.10 [01:14]

〉「それであればすぐにご用意できます。
〉 武具庫から使いよいものをお持ちください。
〉 細かな調整はご自分でしていただかねばなりませんが、そう時間もかからないでしょう」

「俺も借りたいんだが?」

 ゴブリンと1対1なら負ける気はしないが、複数を相手にするとキツい。

なにせ、10匹以上はいるのだ。

地の利は向こうにあり、不意打ちされる可能性もある。

防御・回避は高ければ高いほどよい。

「ラージシールドと・・・できれば、メイスがあればお借りしたい。」

 槍は好きだが、使える場所を選ぶ。

広い場所で、1対1。それが条件だ。

囲まれれば振り回せないし、防御がおろそかになる。

槍は短い得物の相手に対して、機先を制し攻撃する――すなわち、先手必勝の武器だ。

逆にいえば、一度懐に入られてしまうと一気に不利になる。

 俺に実力があり、ゴブリンに一撃必殺あるいは致命傷に近いダメージを与えられるなら、槍でもいい。

 だが――。

「鎧も欲しいところだが・・・時間が惜しいからな。」

GM(Lain) 2011.09.09 [23:55]

>  代わりと言ってはなんだが、ガラフの言うとおり大盾を貸していただきたい。

 マルドルの要請に、フリクセルは頷いた。

「それであればすぐにご用意できます。
 武具庫から使いよいものをお持ちください。
 細かな調整はご自分でしていただかねばなりませんが、そう時間もかからないでしょう」

>  重ね重ね、我がままを言うようだが、考慮していただけると嬉しい」

「遠慮なさることはありませんよ。
 あなたは依頼の達成のために最善と考えてこの要請をしておられる。
 であれば、私も可能な限りにおいて応えるべきでしょう」

※ ※ ※

> 「正面きっての野戦に不向きであっても、
>  彼らは村の守りを固めるには充分な力になるだろう。
>  背中の護りあってこそ、前戦の我々も安心して戦えるのだから」

「まさにそれこそが」

 相対するマルドルには、アルフレドが微かに緊張を解いたことが見て取れるだろう。

「私の考えるところ、彼らにとって最も妥当な仕事です」

> 「頼りにしてる。よろしく頼む、アルフレド」

「こちらこそよろしく頼みます、ミスルトゥのマルドル」

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■GMから

 この記事への返信は「110_導入部」カテゴリにチェックを入れて投稿してください。

 マルドルへ短レス。
 盾は借りることができるそうです。

 そしてアルフレドからのご挨拶返しなど。


>みなさま

 鎧その他の貸与については、出発まで(=このカテゴリを〆るまで)に希望を出してください。
 おれ別になにも借りないよ、という方は特に宣言していただかなくても大丈夫です。

 移動方法については、PCのどなたかがNPCに「いつ出発するか」「どういう移動をするか」を宣言なり相談なりしてあげてください。
 フリクセルにもアルフレドにも諸々の手配がありますからね。

 移動方法が固まった時点でレスを入れて次のカテゴリへ進む予定です。

マルドル(LINTS) 2011.09.09 [10:37]

>「リュエンだ。ゴブリンなら1ダースは軽い。それよりそのでかい奴を是非俺に譲ってもらいたいね」

>「なら1ダース分はこちらで食い止めようか?

> 持ちこたえていられる間にゴブリンの親玉を片付けてもらえると助かるし」

「はははっ、頼もしいな。うかうかしてたら、あんた達に金星挙げられそうだ」

リュエンとクーフェリアスのやり取りに皮肉ではく、率直な感想を述べる。
軽口ではあるが、何せ相手はゴブリンロードにシャーマン、ホブゴブリン。

「...こりゃあ、大仕事になりそうだ」
改めて、口に出る言葉。
分かっていることではあるが、なかなかに責任重大だな。
そう思いながらも、口元の笑みは消えない。


>「率直な方ですね、貴女は」

子爵の言葉に、思わず笑みが漏れた。
照れ笑い、のようなものだろう。
このように評されたことは、あまりないものだから、
どんな顔をすればよいか分からず、思わず頭を掻いてしまった。

そんな子爵だが、
打てば響くように、私達の質問に手際よく答えてくれる。

村の様子、襲撃の内容。
お陰で、大まかながら概要を掴むことができた。

結論から言えば、詳しいことは現地で調査すべきだろう、と言う事だ。

「確かに子爵殿とリュエンの言うとおり、敵の襲撃が読めぬ今、
 すぐに現地へ赴くほうがいいだろう」

そういえば子爵と面識があるチルグラは、
私達の知らぬ『砦』について質問していた。
なにやら面白そうな話のようだ...
時間の空いた時にどんな仕事だったか、尋ねてみよう。

私の鎧貸し出しの願いについて、ガラフが異論を唱えた。

>「今回の任務で、精霊魔法を使えるのはマルドル、お主一人じゃ。
> いざという時に<風の声>や<惑い>を掛けられるのは大きな利点じゃ。
> 負傷を重ねてワシやクーフェリアス氏の負担を掛けるのを気にするのは
> お主らしい思いやりに思うし、ワシはお主のそういう所を好ましいとは
> 考えておるが、金属鎧を纏ってお主の長所を一つ消すよりかは、
> 大型の盾を借りた方がよいと思うが...どうかな?」

「盾、か...」

そして子爵の言葉を反芻する。
色よい返事とは言いがたく、時間と引き換えにするメリットに旨みはないと思う。

「分かった。申し出を撤回するようで申し訳ないが、
 鎧の件は無かった事にしよう。
 備えに手を取られて時間を失うのは、良いことではないからな。
 代わりと言ってはなんだが、ガラフの言うとおり大盾を貸していただきたい。
 重ね重ね、我がままを言うようだが、考慮していただけると嬉しい」

そういって、再度頭を下げた。


ノックの音がして、従士長が現れる。
アルフレドと名乗った男は、精悍な戦士だった。

私も立ち上がり
「ミスルトゥのマルドルだ」
挨拶をかわす。

アルフレドの進言によれば、
5人の衛兵達の実力は、武器を持って戦えるもの、実戦は厳しいという感触を得た。
矛盾した言い方だが、『訓練』と『実際に妖魔に刃を向ける』という意味は違う、ということだ。
それでも――

「正面きっての野戦に不向きであっても、
 彼らは村の守りを固めるには充分な力になるだろう。
 背中の護りあってこそ、前戦の我々も安心して戦えるのだから」

そう言って、私は笑った。

「頼りにしてる。よろしく頼む、アルフレド」


PL>
クーフェリアスの姿が何故か
某スカイハイの素顔で浮かんでしまった件?宣/

チルグラ奥様への話しかける伏線を編みつつ(ウフフ^^)
出立の提案と大盾レンタルのお願いと
アルフレドとの挨拶をしてみる日記デス。

GM(Lain) 2011.09.07 [21:10]

> 「話はわかった。俺は請ける」
> 「俺もだ。断る理由はないな。」

 ふたりの即答を聞き、フリクセルは笑みを浮かべて頷く。
 即断したその態度を、好ましいものと見た様子だ。

> 「セレンソン卿、いくつか質問を許されたい。

「私に答えられることであれば、いかようなものでも」

>  口の悪さは、育ちの悪さだと思っていただきたい、すまぬ」

「率直な方ですね、貴女は」

 ふたたび笑みを浮かべたその表情で、それは些細な問題だ、と語っている。

 戻ってきた使用人が、各々の注文した飲み物を給仕する。
 器の触れ合うかすかな音が、部屋に響いた。

※ ※ ※

 口々に応諾の意を示す冒険者たちに、フリクセルは目礼して謝意を表す。

> 「全員の意思が確認できたところで、途中出た質問にお答えいただけますか」
> 「その後は時間をかけずにサクっと出発するつもりだ...ですが、そのつもりでいいんですかね」

「ええ、できうる限りお答えしましょう。
 その後は仰るとおり、急ぎ出立していただきたい。
 食糧と地図の写し、村長への紹介状を用意しました。
 後ほどお渡ししましょう」

※ ※ ※

> 「同行いただける衛視の数と実力は、いかほどになろうか?」

「もっともな疑問です。のちほど従士長を呼びましょう。
 力量のほどは直にお会いいただいた方が解りやすいでしょうから。
 衛兵たちの力量は彼にお尋ねください。数は従士長のほか5名、あわせて6名です」

 アルフレドを呼びなさい。
 使用人のひとりにフリクセルはそう声をかけた。

> 「ハルストレームの村の備えは、どのようになっているのだろうか。
>  柵や武具などの有無、村の侵入路、戦える人間の有無を知りたい」

> 「妖魔がどこから来て、どちらへ去って行ったか分かるだろうか。
>  一方方向から来たか、複数方向から来たかで我々の対処も変わろう」

> 「妖魔が潜むと思われる場所の目星は、把握しておられるか?
>  流れの妖魔であっても、彼らが滞在しやすい山や森の洞穴とか、あるかもしれん」

 次々と出る質問を、フリクセルは嫌がる様子もなく聞いている。

 マルドルの質問が途切れるとフリクセルは振り返り、控えていた使用人に頷く。
 使用人は部屋に作りつけられた棚のひとつから絵図を取り出し、フリクセルに手渡した。

「絵図があります。
 これを見ながらの説明が解りやすいでしょう」

 フリクセルは、円卓に広げられた地図に並べて絵図を置く。

 

hallstrem_map.png「正確さがどの程度のものであるか、いささかの不安は残りますが」

 概略はこれで説明できましょう、と彼は語る。

「まずハルストレームに至る道ですが、エフライム川、続いてイェルム川の河畔を遡ります。
 フラナリー街道に出るまでは、道が整備されておりません。猟師が使う踏み跡のような道となりましょう。
 フラナリー街道から先は、細いながら道があります。小ぶりな荷馬車であれば何とか通れる、という程度のものですが」

 さきに円卓に広げていた地図の上、移動経路を指でなぞりながら子爵は淡々と説明する。

「イェルム川を渡った先が」

 絵図を示し、

「この村、ハルストレームです」

「耕地があり、その外、西側に家畜を放牧するための牧草地。
 まわりは森に囲まれています」

「村の主要部、村人の家がある場所には防柵があります。
 高さは人の背丈よりやや高い程度でしょうか。
 妖魔の襲撃には、十分とは言えないまでも抵抗の役に立つ筈です」

「防柵の出入り口は3箇所です。
 橋のたもと、その西側、南東の街道沿い」

「妖魔の襲撃は、村の北西部に広がる牧草地において行われました。
 家畜が騒ぐのを聞きつけて駆けつけた村民は妖魔どもの攻撃で重傷者を出し、防柵の中へ逃げ込みました。
 妖魔どもは数匹の家畜を捕らえてそのまま北西の森に消えた、とのことです」

「残念ながら、今のところ、妖魔どもが潜む場所は目星すらついておりません。
 ハルストレームでさらに詳しく訊けばあるいは誰か知る者があるかもしれませんが」

「武具や戦える者についてですが、村に兵士はおりません。
 狩人は幾人かいるとは思われますが、それが何人か、実際に戦えるか、といったところまでは解りません。
 今朝方この館を訪れた村人に直接お会いいただければ、襲撃の件や村の戦備について、より詳しく知れましょう」

 まだ気が動転しているようなので、詳しい話を聞きだすにいささか時間はかかるかもしれませんが、と付け加えた。

> 「あと、僭越ながら、金属鎧を貸していただくことは出来るだろうか?」

「金属鎧、ですか」

 フリクセルは使用人を振り返り、女性の身体に合うものはあったかな、と問う。
 ございません、と使用人は答えた。

「申し訳ありませんがお聞きのとおりです。
 従士が用いるものを調整することはできましょうが」

 身体の動きを阻害せぬように鎧を調整するには時間がかかる。
 おそらくそれで半日かそこらは潰れてしまうだろう。

「私は、次の襲撃がいつあるか解らぬ以上、あなた方になるべく早く現地へ赴いていただきたい、とそのように考えておりますが」

 言葉を切り、マルドルに視線を向けて微笑む。

「備えの整わぬままに戦って敗れるようなことがあってはならない、とも思います。
 ゆえに、貴女が望まれるのであれば、喜んで用意をさせましょう」

 ――いかがなさいますか?

 柔和な表情のままに、彼は問い返した。

※ ※ ※

> 「騎士団の行動とは、前回の報告しました
>  古い『砦』のこと・・・とはまた別のことですかしらん?
>  あそこってどうなったのでしょう?」

「覚えておいででしたか。
 ――いや、貴女なら覚えていない筈もありませんね。
 砦へ出向いているわけではありませんが、無関係というわけでもありません。
 砦の件、調査は概ね済んでおりますが、いまだ一件落着とは」

 広く知らせていることではありません、これ以上は。

 どこか済まなさそうな表情で、フリクセルはそう言った。

※ ※ ※

> 「子爵殿、ワシからも質問をさせて頂いて宜しいでしょうか。
>  先の襲撃では、どれ位の数の妖魔が襲ってきたかご存知であれば
>  教えて頂けますかな?

「10ほど、と聞いております」

 これも詳しくお知りになりたければ、伝聞よりも村人にお聞きになるのがよろしいでしょう。
 いかがなさいますか、とフリクセルは問う。

 アンセルムでの準備を優先するのか、ハルストレームへの到着を第一義とするのか。
 それらも含めて、フリクセルは冒険者たちに任せる心算のようだ。

※ ※ ※

 扉がノックされた。

「アルフレド、参りました」

 扉の外から、男の声がそう告げる。

 入りなさい、とフリクセルが応じ、扉が開かれた。

 剣を佩き、革製の鎧を身に付けた男性が部屋に入ってくる。
 年のころは30をいくらか過ぎたくらいだろうか。
 短く刈った黒髪に濃い灰色の瞳。
 従士長と言うだけあって、鍛え込まれた身体つきだ――並の妖魔が相手であれば、そう遅れを取ることはないだろう。

「彼がこの館の従士長、アルフレドです」

 冒険者たちに向けてフリクセルはそう紹介し、従士長は黙したまま一礼した。

「アルフレド、こちらがハルストレーム防衛の任をお請けくださった方々です」

 ひとりずつ紹介し、

「お前はこの方々と協力して事に当たるように。
 同行する衛兵たちにもそのように伝えなさい。
 出発はこの方々の用意が済み次第。刻限は追って伝えます。
 それから、この方々に同行する衛兵たちの力量の程をお伝えしなさい」

 手短に命じた。

 アルフレドは一歩進み出て一礼し、率直な口調で話し始める。

「アルフレドです。
 よろしくお願いいたします」

「同行する者は衛兵のうち、若く体力に優れた者を集めました。
 しかし、もとより街中の治安を守らんがための衛兵です。
 街の外で妖魔と矛を交えた経験のある者はおりません。
 武器は槍と弓を携行する予定でおり、いずれも一通りの訓練はしておりますが、弓は練兵場で的を射たことがあるのみです」

 一旦言葉を切り、傍らのフリクセルに目顔で問う。
 フリクセルは頷いてそれに答えた。

 アルフレドが続ける。

「率直に申し上げて、積極的な攻撃を行える練度ではありません。
 適切な場所に拠って防御を行う任に辛うじて堪える程度です。
 野戦で正面から攻撃に晒されれば、幾許かの時間と生命を引き換えることになりましょう」

-------------------------------------------------------
■GMから

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 質問にお答えしたらえらく長くなった件について。
 抜けている質問などありましたら遠慮なくご指摘くださいませ!

>みなさま

◆行動方針について
 別途記事「時間の管理について」とこの下の補足をお読みいただいた上で、以下の事項を決めてください。

・武具の調達や事情聴取を行うか否か

・ハルストレームへの移動方法
 通常移動強行軍か、夜間の移動を行うか否か

 パーティとしての方針が決まりましたらどなたか宣言をどうぞ!


>テッピンさん

>  メタ質問です!鉄製の鎧を着た状態で、センスオーラと
>  インフラビジョンは使えるのでしょうか?

 SNEの見解では使えない、とするようです
 GMも本セッションにおいてはこの見解を支持します。


>みなさま

◆補足1:地図について

 ハルストレームの絵図のうち、茶色の部分が耕地や居住地など、薄い緑が牧草地、濃い緑が山林です。
 また、村を南西から北東に横切る褐色の実線が街道、村を囲うような形の点線が防柵です。
 濃いグレーの部分が門とお考えください。

 防柵の高さは2mほどです。


◆補足2:従士長と衛兵たちについて

 従士:子爵配下の兵士で平民、軍事要員です。
 衛兵:街の雇人で平民、治安要員です。

 従士長は従士を束ねる立場にあります。
 概ね従士の中で年長であり、武技や統率に優れた者が任じられます。

 衛兵は戦闘を主務とするわけではありませんが、万が一のために(今回はまさにその万が一のケースなわけですが)一通りの戦闘に関する教練を受けていることが多いようです。

 データ的には、従士長は「兵士長」、衛兵は「一般兵士」です

 なお衛兵の実力について「攻撃には使えない、防御なら辛うじて」とアルフレドが語っていますが、これは「攻勢作戦には使えない、拠点防衛のように優位地形を確保してそこに篭もれる作戦なら辛うじて」という程度の意味です。
 戦闘オプションとしての防御専念しかできない、というわけではありません。


◆補足3:「大柄な妖魔」について

 前回の書き込みですっかり失念しておりましたが、フリクセルの話に出てきた「大柄な妖魔」についてもセージ技能による怪物判定を行っていただいて差し支えありません
 正体はホブゴブリンです。


◆補足4:鎧などの貸与について

 鎧は17までで任意の必要筋力のものの貸与を受けることができます
 ただし、金属鎧は調整のために1ターンが必要です
 調整中、貸与対象者は調整に拘束されます(他の行動をすることができません)。

 非金属鎧および盾にはこのような制限はありません。


◆補足5:村人からの事情聴取について

 館には急報した村人が逗留しています。
 彼に(子爵から聞いた以上の情報を得るために)話を聞くのであれば、1ターンが必要です

ガラフ(テッピン) 2011.09.07 [09:30]

冒険者の宿に居合わせ、妖魔討伐の依頼を受ける事になったのは、合計6人。
自分とマルドル。
血気盛んな二人、棒使いの若者と槍使いの傭兵。
至高神の神官戦士。
それと、マルドルに劣らぬ豊満な肉体を持つ半妖精の魔術師の女性だった。
ぱっと見、自分も含めて武断に偏るきらいがありそうな面々だ。
野伏と盗賊の技術を有する者が居ないのが不安ではある。
いつもなら、その役割はセリトとカーツェナルが担っていた所だ。

――自分も、野伏の技術を学んでおくべきだったかも知れぬの。

内心、そんな事を考えたりしてしまった。

***********************************

案内された子爵の屋敷は、主の人柄を繁栄してか、質素なつくりをしていた。
為政者は往々にして自らの富と権威を誇示したがる傾向にあるが、
どうやらアンセルムの領主はそういった悪癖とは無縁であるらしい。
それは、好ましい事だった。

>「フリクセル=セレンソンです」

通された部屋で子爵と対面する。想像通りの、柔和な印象だ。
時折する乾いた咳が気になる所だ。持病を抱えているのかも知れない。

>「お初にお目にかかり光栄です、アンセルム卿。
> 私はクーフェリアス・ブロウクラートと申します。
> 武術と神聖魔法の心得はあるのでそれなりにはお役に立てるかと」

>「私はミスルトゥのマルドル。見てのとおりガルガライス出身だ。
> 今はそこのガラフと共に、『銀月』に参列するもの。
> 剣と精霊を使う――お見知りおきを」

「今マルドルの紹介に預かりました、ガラフと申します。
 同じく《銀月》の一員として活動している冒険者です。
 知識神ラーダの神官にして吟遊詩人の端くれであります。
 どうか以後お見知りおきを――」

>「お久しぶりです。チルグラです。
> またご依頼を受けられたことを嬉しく思いますわ。
> 全力を尽くします」

各人の視線を巡らしつつ、子爵はチルグラと名乗った魔術師に視線を止めた。

>「息災でおられましたか」

子爵の表情が綻ぶ。

>「何よりです。
> こんなときにまたお会いできるとは、私も心強い」

どうやら二人は知り合いの様だ。
話振りからすると、別件で子爵の依頼を受けた事があるのだろう。

>「暑くはありませんでしたか。
> よろしければなにか飲み物でも持ってこさせましょう」

子爵の厚意に感謝の意を述べつつ、思い思いの飲み物を頂戴する。
自分は冷たい茶を頂く事にした。

***********************************
 
>「さて」

飲み物で涼を取り、人心地着いた所で子爵は話を切り出した。
ハルストレームという村で妖魔の襲撃があり、家畜に被害が出た事。
妖魔はコボルドとゴブリン。上位種が率いている可能性が高い事。
幸い死人は出なかったが、味を占めての再度の襲撃が考えられる事。
騎士団は別件で離れた所におり、村の防衛には間に合わない事。
任務には従士長と衛兵が同行する事―ー

>「村の防衛の依頼を、お請けいただけますか?」

そして子爵からの、正式な依頼。

>「ブロウクラートの名を継ぐ者としてこの事態は見過ごせません
> 村の防衛を引き受けましょう」

至高神の神官戦士、クーフェリアスが真っ直ぐな言葉で依頼を受諾する。

>「まぁ、ここまで来て帰るやつもいねぇわな」

棒使いの青年、リュエンはやや捻くれた返事で遠まわしに賛同の意を表す。

「ワシも喜んでお引き受け致しましょう。
 妖魔を放っておけば更なる被害が出るのは必定。
 星王ラーダは英断を好まれます故...」

************************************

>「妖魔どもが勢ぞろいって訳か」

マルドルが唸る。

>「ゴブリンやコボルトは雑魚だろうが、数で押されると厄介だな。
> しかも、ゴブリンロードやシャーマンの可能性が消せぬとなれば――」

ゴブリンシャーマンは聞いた事がある。精霊魔法を操るという。
ゴブリンロードについては恥ずかしい事に全く分からなかったので、
ラッシュから説明を受けた。
ゴブリンの最上位種で、ホブゴブリンよりも強いらしい。
一見粗野に見える若者の、意外な見識に密かに驚く。

>「シャーマンは精霊魔法も暗黒魔法も扱える。
> ロードは並みの人間より強い。
> 数で押さえ込まれたところにそういう連中に叩かれれば、
> たまったものではないな」

一頻り考えに耽った事、マルドルが子爵に質問をぶつける。

>「同行いただける衛視の数と実力は、いかほどになろうか?」

>「ハルストレームの村の備えは、どのようになっているのだろうか。
> 柵や武具などの有無、村の侵入路、戦える人間の有無を知りたい」

>「妖魔がどこから来て、どちらへ去って行ったか分かるだろうか。
> 一方方向から来たか、複数方向から来たかで我々の対処も変わろう」

>「妖魔が潜むと思われる場所の目星は、把握しておられるか?
> 流れの妖魔であっても、彼らが滞在しやすい山や森の洞穴とか、
> あるかもしれん」

子爵と旧知の間柄であるチルグラが、マルドルに続いて質問する。

>「騎士団の行動とは、前回の報告しました
> 古い『砦』のこと・・・とはまた別のことですかしらん?
> あそこってどうなったのでしょう?」

チルグラが子爵と知り合う契機となった前回の依頼との関連性を
疑っているようだ。

「子爵殿、ワシからも質問をさせて頂いて宜しいでしょうか。
 先の襲撃では、どれ位の数の妖魔が襲ってきたかご存知であれば
 教えて頂けますかな?
 襲撃に来たのが総数ではない可能性は高いが、それでも一部なりとも
 敵の戦力を把握するのは作戦を考える材料として有益故...」

最後に、マルドルは子爵にこんな事をお願いした。

>「あと、僭越ながら、金属鎧を貸していただくことは出来るだろうか?」

それについては異論があるので、一言口を挟んでおく。

「今回の任務で、精霊魔法を使えるのはマルドル、お主一人じゃ。
 いざという時に<風の声>や<惑い>を掛けられるのは大きな利点じゃ。
 負傷を重ねてワシやクーフェリアス氏の負担を掛けるのを気にするのは
 お主らしい思いやりに思うし、ワシはお主のそういう所を好ましいとは
 考えておるが、金属鎧を纏ってお主の長所を一つ消すよりかは、
 大型の盾を借りた方がよいと思うが...どうかな?」

===================================

PLより:昨日の投稿の続き。昨晩は力尽きてすみませんでしたm(_ _)m

     >狩生さん

      ゴブリンロードを、リュエンから教わった事にさせて頂きました。
      ヨロシクです!

     >LINTSさん

      マルドルが金属鎧(鉄製)を着るよりかは、ラージシールドを
      借りて回避重視のスタイルの方がいいと思います!
      攻撃力の低下はヘビーメイスで補えますし。
      あくまで、個人的一意見なのでスルーして頂いて結構です!

     >Lain@GMさん
    
      メタ質問です!鉄製の鎧を着た状態で、センスオーラと
      インフラビジョンは使えるのでしょうか?

リュエン(狩生) 2011.09.07 [01:10]

「話がわかる人でありがたいね」

ラッシュとかいう槍使いが差し出してきた手を、求められるまま握る。

「あんたに泣きつくぐらいなら、後ろの坊ちゃんにお願いするかな」

ちょうど目に入った貴族丸出しの男を示して、俺は冗談だと軽く笑った。

 

「まぁ、ここまで来て帰るやつもいねぇわな」

アンセルム爵を前に、次々と受諾の声をあげる面々を見て一人語落る。
いのいちに請けた俺が言うのもなんだけども。

「全員の意思が確認できたところで、途中出た質問にお答えいただけますか」

「その後は時間をかけずにサクっと出発するつもりだ...ですが、そのつもりでいいんですかね」

クーフェリアス(ラグランジュ) 2011.09.06 [18:40]

アンセルムの小さな宿で遅い朝を迎えた。

 

朝飯代わりの軽い昼食を済ませ、一服ついたものの沈んだ気持ちはまだ晴れない。

冒険者としての初仕事、それもかねてより待ち望んでいた遺跡探索の仕事を終えたものの

当の遺跡は既に先客が仕事を済ませた後であった。

 

それはまだいい。

 

それ以上に許せなかったのは遺跡の石像や彫刻などがかなり手荒な方法で持ちさられていたことだ。

本ではわからない体験ができるという期待を裏切られるどころか

歴史的な価値のある物を平気で破壊するという

無神経な輩が居ると言う証拠を見せ付けられるとどうにもやりきれない。

このままここにいても仕方ないのでオラン行きの護衛の

仕事でも受けようかとぼんやりと考えていると店の主人から声がかかる。

 

妖魔退治の依頼。

他に店にいた荒々しげな棒使い、黒髪の槍使い、ドワーフの神官戦士、褐色の肌の女戦士、ハーフエルフの女魔術師は次々と依頼を受けていく。

 

「オランまでの路銀込みかぁ...悪い条件じゃないな」

それに妖魔と聞いては放ってはおけない。

「その依頼、受けますよ」

 

* * * * *

 

屋敷に着くと早速奥に通され、セレンソン子爵からの歓迎を受ける。

「お初にお目にかかり光栄です、アンセルム卿。

私はクーフェリアス・ブロウクラートと申します。

武術と神聖魔法の心得はあるのでそれなりにはお役に立てるかと」

「ではすいませんが冷たいお茶をお願いします、よければスプーン一杯のはちみつ入りで」

 

その後ハルストレーム村の状況の説明を受ける。

まだ深刻な被害は出ていないが妖魔の規模や活動状況次第では

村一つが地図から消えてしまう事も十分考えられる。

 

これ以上被害が広がる前に何とかしなければ。

 

遺跡での陰鬱な思いなどとうに吹き飛んでいた。

「ブロウクラートの名を継ぐ者としてこの事態は見過ごせません

村の防衛を引き受けましょう」

 

>「リュエンだ。ゴブリンなら1ダースは軽い。それよりそのでかい奴を是非俺に譲ってもらいたいね」

ゴブリン1ダースに大柄な妖魔――

おそらくはゴブリンロードを相手にすると豪語するとは随分と自信があるようだ。

「なら1ダース分はこちらで食い止めようか?

持ちこたえていられる間にゴブリンの親玉を片付けてもらえると助かるし」

 

聞きたかったことはあらかた褐色の肌の女戦士、ミスルトゥのマルドルが聞いてしまったので子爵の返事を待つことにする。

?????????????????????

PLより

 

怪物判定は全て成功です

肝心の場面でもこれくらいの出目だといいなぁw

 ゴブリンロード 2D6 → 1 + 6 + (4) = 11

 ゴブリンシャーマン 2D6 → 6 + 3 + (4) = 13

 ゴブリン 2D6 → 3 + 5 + (4) = 12 

 コボルト 2D6 → 6 + 4 + (4) = 14 

チルグラ(ぱんとら!) 2011.09.06 [15:50]


あの時は、冬だったですわね。

故郷への手紙とプレゼントを届けるという小さな
でも心温まる仕事を終えてからの帰路、
アンセルムの街の冒険者の宿でエールを飲んでいた。
結構繁盛してますのね、冒険者と一目でわかる何人かが
ここでくつろいでいる。

最初の冒険。
ここらへんでやったんだったわ。
あの時の皆はお元気かしら?

ちょっと昔に思いをはせていると、宿の主人から声をかけられた。
領主、領主って、
「あらん☆」
と思わず明るい声が出る。
虫の知らせ、ということかしらん☆
しかもオランへの路銀もとなるということなしだわ!

「あたくしもお受けいたしますわ」

急いでがたりと立ち上がって名乗りを上げた。

「チルグラよ。賢者の仲間入りができるようにフィールドワーク中」

杖をかざしながら。
なーんて家出なだけなんだけど、
実際外の世界はほんとに驚きの連続で楽しいわん。

>「リュエンだ。ゴブリンなら1ダースは軽い。
> それよりそのでかい奴を是非俺に譲ってもらいたいね」
>「なら、雑魚は任せな。
> そのでかい奴てぇのがどのくらい強いのかは知らないが...
> 後で泣きついてくるなよ?」

にしても血気盛んな剣士さんたちだらけだわ。

「これだと、あたくしは後ろで観ているだけでよさそうな雰囲気ねん。
 お仲間の、えーと名前、とにかくドワーフさんが
 傷がついてもなんとかしてくれるのならば、だけど」

くすりと笑って、唯一女性である人(あとでマルドルとわかった。
彼女は健康そうな肌と自信と活力にみちた気配をなさってて、
ちょっとどきどきするわ)に肩をすくめてみせた。

 * * *


もはや懐かしい、と感じられるお屋敷。

「お久しぶりです。チルグラです。
 またご依頼を受けられたことを嬉しく思いますわ。
 全力を尽くします」

できるだけ艶やかに見えるよう微笑んで
フリクセル=セレンソン子爵に頭を下げる。
前回と変わらない、『客』としての気遣い。

「では、冷たいお茶をぜひ。ミルクを一垂らしで」

使用人の方にほぼ前回と同じリクエストを伝えた。


 * * *


「ハルストフレーム・・・」

前回お世話になったシリルよりも南なのね。

「騎士団の行動とは、前回の報告しました
古い『砦』のこと・・・とはまた別のことですかしらん?
あそこってどうなったのでしょう?」

この依頼には余計なことだとわかってはいたけど、
ちょっと気になって訪ねてみた。

ほかに気になることは全てマルドルが尋ねたわね。
思いついたら質問することにしましょう。

---------------------------------------------------------
PLより:
よろしくお願いいたします☆

>怪物判定
前回のAssult!をさぐったところ、全部わかっておりました!
いやっほい☆

>古い砦について
前回参加したときにでてきた古い『砦』というのがありまして、
そこを探索とか?と聞いたという感じであります。<PL諸氏

>マルドル
チルグラとは正反対印象の露出っプリだよね!!
どきどき!!ひゃっほー!!←楽しそう

マルドル(LINTS) 2011.09.06 [13:20]

オランへ続く街道を、ひとりで歩く。
夏が去り、高くなりつつある空を見上げて、ため息をつく。

ああ...

「金が、無い」

私の、目下最大の悩みである。

手持ちは金貨一枚を切っている。
霧の谷の冒険から戻ってからは、
酒場を回って流しに勤しんだり
小遣い程度の仕事で繋いだり。

これで何とか飯と宿にありつけてるのだがら、
ありがたいと思わねばなるまい。

今回もオランからちょっと離れた街までの護衛を受けた。
収入は微々たる物で、これもオランに帰り着くまでには消えてしまうだろう。

さて、次の仕事を探さねば。
いや、その前にまず腹を満たさねば。

アンセルムの街の冒険者の宿の扉を開けたのは、
そんなことを逡巡しなからのことだった。

ぐるりを視線をめぐらせると、
「おお?――ガラフじゃないか」
声をかけながら、同席する。

同じパーティの仲間、ドワーフの癒し手。
まさか、こんなところで会えるとは。
何でも、友人と旧交を暖めてきた、その帰りとか。

「私は護衛の仕事だよ。終わって帰るところだ」

飯を食いながら、ガラフとそんなたわいない話をしているところ。
酒場の雰囲気が変わった。

なにやら地元の貴族の依頼が入ったようだ。

「妖魔退治...だと...?」

報酬は500か。悪くないな。
実入りの欲しい自分にとって、悪くない条件だ。

早くも名乗りを上げる冒険者達。
こちらへ目線を投げるガラフに、軽く頷く。

「私も行こう、剣の使い手は一人でも必要だろう」

カーツとセリトを思い出したが、彼らなら心配いるまい。
「あの二人への、土産話にしよう」
そう言って、ガラフへ笑いかけた。




宿で名乗りを上げた冒険者達と共に、子爵の館へ赴く。

今回の『仲間』は、ガラフの他には
栗色の髪の戦士、黒髪の棒使い、槍使いの傭兵、
それに、色気あふれる美しい女性。
同じ女性なのに、まるで私とは違う種族のようだ。
いや、彼女はハーフエルフだから種が違うのは当たり前だがしかし――。

いろいろ考えているうち、部屋に通され、雇い主が現れた。

「私はミスルトゥのマルドル。見てのとおりガルガライス出身だ。
 今はそこのガラフと共に、『銀月』に参列するもの。
 剣と精霊を使う――お見知りおきを」

フレクセル=セレンソンと名乗る子爵殿と、
席を囲んだ冒険者達には改めて挨拶をする。
そして子爵の好意に甘え、果実の絞り汁をいただくことにする。
次に酒を口にするのは、仕事が終わった時だ。

その仕事内容を改めて確認し、現れた妖魔の特徴を頭の中で摺り合わせる。

「妖魔どもが勢ぞろいって訳か」

卿の口に上った妖魔の数々は、子供にきかせる御伽噺の常連どもだ。
しかし、実際の連中にかわいげなんぞこれっぽっちもない。

「ゴブリンやコボルトは雑魚だろうが、数で押されると厄介だな。
 しかも、ゴブリンロードやシャーマンの可能性が消せぬとなれば――」

「シャーマンは精霊魔法も暗黒魔法も扱える。ロードは並みの人間より強い。
 数で押さえ込まれたところにそういう連中に叩かれれば、たまったものではないな」

かなりの苦戦を強いられよう。

「セレンソン卿、いくつか質問を許されたい。
 口の悪さは、育ちの悪さだと思っていただきたい、すまぬ」

軽く頭を下げて断りをいれ、返事を待って言葉を紡いだ。

「同行いただける衛視の数と実力は、いかほどになろうか?」

「ハルストレームの村の備えは、どのようになっているのだろうか。
 柵や武具などの有無、村の侵入路、戦える人間の有無を知りたい」

「妖魔がどこから来て、どちらへ去って行ったか分かるだろうか。
 一方方向から来たか、複数方向から来たかで我々の対処も変わろう」

「妖魔が潜むと思われる場所の目星は、把握しておられるか?
 流れの妖魔であっても、彼らが滞在しやすい山や森の洞穴とか、あるかもしれん」

「あと、僭越ながら、金属鎧を貸していただくことは出来るだろうか?」

銀以外の金属を嫌う精霊達。
これを着ると魔法は使えなくなってしまうが、
回復を担うガラフやファリスの戦士の負担も軽くなるだろう。

もっともこればかりは先方の都合だ、無理強いはできん。


PL>
皆様、よろしくお願いします!

知名度判定が絶好調すぎてコワイ! 全部知ってるよ|``)
ゴブリン 2D6 → 3 + 3 + (3) = 9 (09/06-12:19:52)
コボ 2D6 → 4 + 3 + (3) = 10 (09/06-12:19:57)
ゴブロー 2D6 → 6 + 6 + (3) = 15 (09/06-12:20:03)
ゴブシャー 2D6 → 6 + 3 + (3) = 12 (09/06-12:20:10)

テッピンさん、旅の理由の件了解です。
マルドルは護衛の仕事の帰りに偶然であったってことで!

初顔のPCへのご挨拶!
そしてチルグラおねいさんの色気に早くも当てられてますw

セレンソン卿への質問は
「会えば分かる」「行けば分かる」ものでしょうが、
予め分かっているほうが、いろいろ策を練る余裕が出てくるなあと思ってのことです。

村のことで質問してる中にある『戦える人間の有無を知りたい』とは
一般兵士レベルの人がいればいいかなあ、と言う感じですね。
一般人(冒険者レベル0)を無理に参列させることは考えていません(^^;

「鎧を貸してー」な申し込みは、出来るのであれば、ということで。
金属であれば、特に種類は問いません。

ガラフ(テッピン) 2011.09.06 [09:07]

友人ヘリオン・イーグレッツの故郷へ出掛け、旧交を温めてきた。
久しぶりに会ったヘリオンは、相変わらず線は細いが、
魔術師としての研鑽と神官としての奉仕に、忙しくも充実している様子で、
その表情はとても輝いたものであった。
先の星祭りで購入したしおり紐の内一つを土産として渡すと、年相応の表情で
喜んでくれていたのが、こちらとしてもとても嬉しい。
リュートで何曲か披露した所、ヘリオンの教え子や村の住民までが集まり、
大層な拍手まで頂戴してしまった。何だか気恥ずかしいものだ。

...と、個人的には実りある旅の帰りに滞在した街、アンセルム。
そこで一つの依頼を受ける事になった。

***********************************

宿に入り、昼食を摂る。
小さな街ではあるが、店は結構賑やかであった。
たまたまなのか、冒険者らしき風体の人間もちらほら見かける。
手と口を忙しく動かしながらぼんやり周囲を眺めていると、
店の主人が役人風の人物が話し込んでいるのが見えた。
何事か、と他人事の様に考えていたが、程なく、こちらに声が掛かった。

>「なあ、あんたたち。
> 仕事の口、今は無いって話だったよな。
> 領主様が人を寄越してくれ、と仰ってる。
> 妖魔に襲われた村を救ってほしい、ってな依頼だ。
> 条件は今すぐに動けること。
> 払いはひとり500、働きによっては上乗せアリだそうだ。
> ひとつ話だけでも聞きにいっちゃ貰えないかね」

何と仕事の依頼だった。
妖魔からの村の防衛、ないし妖魔の撃退。
冒険者としては単純この上ない依頼だ。
はて、どうしようか。いつまでもオランを留守にする訳には行かないし...、
と沈思していた所、血気盛んな二人の若者が名乗りを上げた。

>「話はわかった。俺は請ける」

>「俺もだ。断る理由はないな。」

一人は東方の出と思しき長髪の男。獲物は珍しく戦闘杖だ。

>「リュエンだ。ゴブリンなら1ダースは軽い。
> それよりそのでかい奴を是非俺に譲ってもらいたいね」

もう一人は槍を携えた、短髪の精悍な面構えをした男だった。

>「なら、雑魚は任せな。
> そのでかい奴てぇのがどのくらい強いのかは知らないが...
>、後で泣きついてくるなよ?」

話を横で聞きながら、少し心配になって来た。
自分の腕に自信があるのは結構な事だが、見る限り実力よりも若さの方が
先走っている様に感じる。場数もそんなに踏んでいる様には見えない。
正面のマルドルに視線を送る。それから、
 
「主人よ、了解致した。依頼を、お受けしましょうぞ。
 妖魔の討伐となれば剣を交えるのは避けられまい、癒し手が必要じゃろうて」

結局依頼を受ける事にした。
セリトとカーツェナルは、しばらく二人きりにしておいてもいいだろう。
こちらとしても、たまには息抜きはしたいものだ。
そもそもその為に遠路はるばるヘリオンに会いに行ったのだから。

===================================

PLより:長くなりそうなので分割しますね、続きは夜に投稿します。
     ガラフがアンセルムに居た理由ですが、
     先のセッション(The ThreeChoice SecondEdition)で
     登場したNPC、ヘリオン・イーグレッツ君(ペンパル)に
     会いに行った帰り、とさせてください。
     その際に、星飾りのしおり紐(青)をプレゼントしています。

     >LINTSさん

      という訳で、一方的にガラフは理由を作ってしまいました、
      スミマセン!
      マルドルは一緒に来てくれたでも構わないし、別の理由で来た
      事にしても構いません、その様にぼかして描写しています。
      何卒ご容赦くださいませm(_ _)m

     事前の買い物ですが、魔晶石2点を1個、1点を2個購入します。
     それとアローを12本(1ダース)を購入します。
     合計610ガメル出費ですね。

     インスピレーションの発動判定及び<怪物判定>の結果を添付します。
     ...早速ゴブリンロードの判定で1ゾロ出してますね(涙)
     インスピは発動してますが使わず、リュエンに教わる事にします。

ガラフ@テッピン : インスピレーション詠唱。 2D6 → 5 + 2 = 7
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : 成功。
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : 怪物判定:コボルド。目標値6 2D6 → 6 + 1 + (3) = 10
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : 成功。
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : 怪物判定:ゴブリンシャーマン。目標値10 2D6 → 3 + 4 + (3) = 10
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : 成功。
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : 怪物判定:ゴブリンロード。目標値10 2D6 → 1 + 1 + (3) = 5
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : ...1ゾロ頂きましたorz

     HP22/22 MP23/24 インスピ○ です。

ラッシュ(夏季ごおり) 2011.09.06 [02:52]

〉「話はわかった。俺は請ける」

「俺もだ。断る理由はないな。」

 黒髪の戦士が答えたのに続く。

実際問題、路銀がほとんどないのだ。

依頼をえり好みできる状況にはなかった。

(まったく、部隊が壊滅しなけりゃ、もう少しマシな装備だったんだがな・・・。)

そう思わなくはない。

 だが、どちらにしても。

傭兵稼業は、戦ってナンボだ。

断る理由はなかった。

〉「リュエンだ。ゴブリンなら1ダースは軽い。それよりそのでかい奴を是非俺に譲ってもらいたいね」

 「ふん、言うじゃないか。

 俺はラッシュだ。よろしくな。」

 右手を差し出すながら、リュエンと名乗ったチェインメイルの戦士を値踏みする。

腕前は俺と大して変わらないように思われた。

(けっ、装備の分だけ、向こうが上か・・・。)

 つくづく、先の敗戦が悔やまれるぜ。

ま、命が残っただけ、めっけもんなんだがよ。

「なら、雑魚は任せな。

そのでかい奴てぇのがどのくらい強いのかは知らないが・・・、後で泣きついてくるなよ?」

 

 

リュエン(狩生) 2011.09.06 [01:31]

「話はわかった。俺は請ける」

冒険者の宿で請けた一発目の仕事はくだらない荷車護衛だった。
食って寝たら一文も残らない安賃金ともかく、危険のキの字もないその仕事に、俺の冒険者のイメージがちょいと揺らいでたところだ。

それが何の期待もしてなかった帰りの街でこの仕事だ。
こいつは俺がツいてんのか、それとも世の中ってのはゴブリンで溢れちまってるのか。

「リュエンだ。ゴブリンなら1ダースは軽い。それよりそのでかい奴を是非俺に譲ってもらいたいね」

もし、噂に名高いゴブリンの王だとしたら、一発目の仕事としちゃお誂え向きじゃねぇか。そうだろ?

 


*PLより
コボルド、ゴブリン、ゴブシャ、ゴブロ、全部知ってました。

GM(Lain) 2011.09.06 [00:05]

 夏も終わろうとするある日の昼下がり。

 その日、アンセルムの小さな宿に冒険者たちが集まっていたのには、特にこれといった理由があったわけではない。

 ちょっとした手紙や小物の配達。
 実入りのよくない(それこそ帰路の路銀でほぼなくなるような)護衛。
 行ってみたら既に荒らされていた遺跡の探索。

 そういった、冒険者の言うところの「外れ仕事」を終えてオランへ帰ろうというところだった、というのが共通点ではあった。

 アンセルムは蛇の街道の中ほどにある小さな都市だ。
 オランからは片道の旅程が半月ほどになるだろうか。

 小さな都市ではあってもここを通る商人は多く、近隣にはそれなりの数の村落もある。
 ゆえに、護衛や怪物退治、村を襲う妖魔の排除などなど、冒険者への依頼の種は少なくはない。

 だからこんな小さな街にも小さいとはいえ冒険者の宿はあり、街道を行き交う暇な冒険者は自然とその宿に吹き溜まるのだ。

※ ※ ※

 さて、そんなある日の昼下がり。

 戸口から入ってきた人物を一瞥した宿の主人はおや、という表情を見せた。

 折り目正しい物腰に、地味ながら仕立てのよい衣服。

 上流社会と些かなりとも関わった者であれば、貴族や裕福な商人の使用人のようだと解るだろう。
 彼は主人に羊皮紙を示し、低い声で二言三言と言葉を交わす。

「子爵が?」

 宿の主人は、そんな言葉を漏らした。

「はい、急な話ですが、是非に、と」

 主人が顔を上げ、冒険者たちに視線を移す。

「なあ、あんたたち。
 仕事の口、今は無いって話だったよな。
 領主様が人を寄越してくれ、と仰ってる。
 妖魔に襲われた村を救ってほしい、ってな依頼だ。
 条件は今すぐに動けること。
 払いはひとり500、働きによっては上乗せアリだそうだ。
 ひとつ話だけでも聞きにいっちゃ貰えないかね」

 そこまで話し終えてから、ああ、と思い出したように使者に告げた。

「彼らはこの近辺ではなく、オランの冒険者です。
 報酬に加えて、オランまでの路銀も払ってやっちゃあいただけませんか」

 500じゃ下手するとオランに着くまでにあらかたなくなっちまう。

「子爵はそれで構わないと仰るでしょう」

 使者はそう答えて、冒険者たちに頭を下げた。

「私からもお願いいたします」

※ ※ ※

 街の中心部、子爵の居館まではさほど遠くはない。
 そもそもがそう大きな街ではないのだ。

 使者に伴われて門を抜け、そのまま館の主人――子爵の待つ部屋へ通される。

 宿の主人には40を過ぎたばかりと聞いた子爵の痩せた身体からは、壮年の男性がもつある種の力強さを感じない。
 色白の細面に白いものの交じる金褐色の髪、柔和そうな藍色の瞳。
 麻のシャツを着た幅の狭い肩にゆったりとした上着を羽織り、時折乾いた咳をする。
 身体が弱いのか、病なのか、あるいはその両方であるのかもしれない。

 大きな円卓の向こう側、椅子に腰掛けていた子爵は来客の姿を見て立ち上がり、穏やかな声で名乗った。

「フリクセル=セレンソンです」

「どうぞ、かけてください」

 手振りと言葉で冒険者たちに椅子を勧め、全員の顔を改めて見回し、チルグラに視線を止めた。

「息災でおられましたか」

 柔らかい笑みが顔に広がる。

「何よりです。
 こんなときにまたお会いできるとは、私も心強い」

 冒険者たちを案内した使者が子爵に何事か耳打ちし、子爵は小声で何事か答えて頷いた。

 全員が椅子に腰を落ち着けてから、かれは思い出したように問う。

「暑くはありませんでしたか。
 よろしければなにか飲み物でも持ってこさせましょう」

 冒険者たちが注文を述べれば、控えていた使用人がそれを聞くことだろう。
 全員の注文を聞き、一礼して、使用人は部屋を出て行った。

※ ※ ※

「さて」

 フリクセルは切り出す。

「宿のご主人から、ごく大まかには聞いておられることと思いますが」

 言いながら、かれは一枚の地図を円卓の中央へ滑らせた。
 ハルストレーム、と記された村を指で示す。

 

hallstrem.png「ここが、その村です」

 街の傍を流れるエフライム川、その支流のほとり。
 エストン山脈の山中にある、おそらくそう大きな村ではあるまい。

「こちらから歩いていくのであれば1日半、強行すれば丸1日というところでしょう」

「今朝、この村の者がこの館へ駆け込みました。
 村が妖魔に襲われた、家畜が何頭か奪われ、怪我人も出ている、と」

 幸いにして、死者は出なかったという。

「しかし妖魔どもは一度村を襲い、成果を得ています。
 襲撃は繰り返されるでしょう。
 次は怪我人では済まないかもしれない」

「本来こういったことはわが騎士団の任なのですが」

 いささか残念そうな表情でかれは続ける。

「いま、騎士団はエストン山中の別の場所で動いております。
 一部を呼び戻して村の防衛の任に充てるにも、近在に派遣している騎士や兵士を招集して討伐隊を編成するにも、時間がかかる。
 そこであなた方に、しばらくの間、村の防衛をお願いしたいのです。
 期限は明日から数えて5日目まで。
 従士長と街の衛兵も幾人か同道します。協力して妖魔に当たってください。
 条件は提示したとおり――ああ、オランへの路銀の件も含めて、です。
 妖魔の種族はコボルド、ゴブリンと――それからより大柄な妖魔がいた、と報せを受けています。
 加えて、私の聞くところ、襲撃の規模は小さくなかったようです。
 おそらく、それらを率いる上位種がいると考えて間違いないでしょう。
 村の防衛の依頼を、お請けいただけますか?」

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■GMから

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 導入です。
 質問やリクエストなどは随時受け付けますのでがんがんどうぞ!

 PCたちがアンセルムにいた理由は、特にGMからは指定しません。

 適当に理由をでっちあげても構いませんし、特に理由の説明をつけなくても問題ありません。とにかくアンセルムにいたのです。

 買い物をしたい方はこのカテゴリの間、つまりアンセルムにいる間は通常材質・通常品質の武器および通常のアイテムに限り自由に買い物をしていただいて結構です

 また、魔晶石については、3点までのものをひとり3個まで購入可能、とします。

 ただし、これらの買い物については「事前に済ませていた」という扱いとしてください(シナリオ上、このあとのんびりと買い物をする時間はありません)。
 事前に済ませていたということにする限り、オランで買い物をしていたという扱いでも問題ありません。

 買ったものはキャラクターシートに反映させ、GMにその旨伝えてください。
 アンセルムを離れたあとは、特に武器などは手に入らなくなるとお考えくださいね。

 なお、フリクセルの説明に出てきた「コボルド」「ゴブリン」「上位種については、それぞれセージ技能による怪物判定を行っていただいて構いません。このうち「上位種」についてはロード分とシャーマン分の2回に分けて判定を行ってください。