雑魚は任せな。

ラッシュ(夏季ごおり) 2011.09.06 [02:52]

〉「話はわかった。俺は請ける」

「俺もだ。断る理由はないな。」

 黒髪の戦士が答えたのに続く。

実際問題、路銀がほとんどないのだ。

依頼をえり好みできる状況にはなかった。

(まったく、部隊が壊滅しなけりゃ、もう少しマシな装備だったんだがな・・・。)

そう思わなくはない。

 だが、どちらにしても。

傭兵稼業は、戦ってナンボだ。

断る理由はなかった。

〉「リュエンだ。ゴブリンなら1ダースは軽い。それよりそのでかい奴を是非俺に譲ってもらいたいね」

 「ふん、言うじゃないか。

 俺はラッシュだ。よろしくな。」

 右手を差し出すながら、リュエンと名乗ったチェインメイルの戦士を値踏みする。

腕前は俺と大して変わらないように思われた。

(けっ、装備の分だけ、向こうが上か・・・。)

 つくづく、先の敗戦が悔やまれるぜ。

ま、命が残っただけ、めっけもんなんだがよ。

「なら、雑魚は任せな。

そのでかい奴てぇのがどのくらい強いのかは知らないが・・・、後で泣きついてくるなよ?」