強行軍。

ガラフ(テッピン) 2011.09.12 [23:42]

こちらの質問にに対し、子爵は実に歯切れよく回答をしていく。
我々に同行する従士長及び衛兵については、後程引き合わせてくれるそうだ。

自分の意見を考慮し、マルドルは鎧の代わりに大盾の貸与を申請した。
自分としては、彼女の判断を賢明なものであると思い嬉しく思う。
彼女の<精霊力感知>と<赤外視>の能力は、貴重なものだ。
意外にも、ラッシュまでが大盾と鎚矛の貸与を申し出た。
どうやらただの猪突漢ではないらしい。

子爵の説明を一通り聞き終えた後、各々が自分の考えを述べた。

>「その後は時間をかけずにサクっと出発するつもりだ...ですが、
> そのつもりでいいんですかね」

>「確かに子爵殿とリュエンの言うとおり、敵の襲撃が読めぬ今、
> すぐに現地へ赴くほうがいいだろう」

自分もリュエンとマルドルに続き、言葉を重ねる。

「ワシもマルドルとリュエン氏の意見に賛成じゃ。
 次の襲撃が何時行われるか分からない以上、一刻も早くハルストレームへと
 急行すべきでしょうな。それも、出来得る限り迅速に移動せねばなりますまい。
 昼夜問わずの強行軍も辞さず、で宜しいかと。
 それに詳しい情報は現地で収集した方が正確でしょうしな...
 駆け込んだ村人に<平静>の祈りを掛ければ、すぐ話を聞けるかも知れぬが」 

その後、チルグラが少し気になる質問を子爵に発した。

> 「騎士団の行動とは、前回の報告しました
>  古い『砦』のこと・・・とはまた別のことですかしらん?
>  あそこってどうなったのでしょう?」

>「覚えておいででしたか。
> ――いや、貴女なら覚えていない筈もありませんね。
> 砦へ出向いているわけではありませんが、無関係というわけでもありません。
> 砦の件、調査は概ね済んでおりますが、いまだ一件落着とは」

チルグラはどうやら前回受けた妖魔退治の依頼との関連性を疑っているらしい。
しかし、この質問に対し、子爵は言葉を濁しただけだった。
我々には言えない何かがあるのかも知れないが、深く考えない事にする。
今の我々は、ハルストレームを妖魔から守る事に全力を尽くさねばならない...

***********************************

>「アルフレドです。
> よろしくお願いいたします」

子爵に促され入室してきたのは先の話で上がった従士長だった。
年齢は人間では中年に入り掛けた位だろうか。
体格や物腰から推測するに、マルドルとそう遜色の無い技量の主に見える。
彼が同行してくれるというのは、大変有り難い事であった。
順番に、彼と挨拶を交わす。

>「アルフレドさん、ね。
> チルグラよ、よろしくお願いいたしますわねん」

>「ミスルトゥのマルドルだ」

「この度縁あってハルストレーム防衛の任務を引き受ける事になりました、
 ガラフと申します。アルフレド氏よ、宜しくお願い致しますぞ」 

そしてアルフレドから衛兵についての詳しい説明を聞く。
要約すると訓練はこなしているが実戦経験が無い、という事だ。
という事は...

>「率直に申し上げて、積極的な攻撃を行える練度ではありません。
> 適切な場所に拠って防御を行う任に辛うじて堪える程度です。
> 野戦で正面から攻撃に晒されれば、
> 幾許かの時間と生命を引き換えることになりましょう」

アルフレドの偽りの無い言葉の通り。
そこにマルドルが自己の見解を述べる。

> 「正面きっての野戦に不向きであっても、
>  彼らは村の守りを固めるには充分な力になるだろう。
>  背中の護りあってこそ、前戦の我々も安心して戦えるのだから」

それは戦略的にも最善の配置・運用法に思われた。
我が意を得たのか、アルフレドが少し表情を和らげる。

>「まさにそれこそが」

>「私の考えるところ、彼らにとって最も妥当な仕事です」

「うむ。ワシもマルドルやアルフレド氏と同じ考えじゃ。
 我々は場合によっては討って出る選択肢も考えばならん。
 その時、必然村の守りは薄くなるじゃろう
 村にアルフレド氏と衛兵の方々が居るのは真に心強い限りじゃ」

続けてリュエンが不躾とも取れる発言をした。

>「ちんたらいって犠牲者でも出りゃ寝覚めも悪いし、そういうつもりで行くから、
> あんたの部下にも覚悟するように言っといてくれよ」

子爵と従士長は表情を僅かに硬化させる。
若さ故のあけすけさだが、それが時として他人を傷つける事があるのは
まだ分からないようだ。あるいは、承知の上で敢えて言っているのか。
アルフレドが子爵に促されて発言する。

>「夜通しの強行軍であれば、条件があります。
> そちらからどなたかが最後尾についていただきたい。
> でなければ、落伍者が出ることになりましょう」

「承知致しました。我々の中から殿をつけましょう」

軽く流す様に、返答する。罰が悪い会話には深く踏み込むものではない。

>「あ、夜通しの強行軍なら、一つ!!」

急にチルグラが手を挙げた。

>「申し訳ないんですけれども、途中で魔法使うことがあったら、
> あたくし、村についたとき、休憩を取らせていただくわ。
> 着いた日の夜に襲撃がないとも限らないし、
> 魔法をフルで扱うには、精神と体の安定が必要不可欠ですしねん。

>経験豊富なかたならば、そんなことも必要ないのだけど」

この質問により、場の空気が変わった。
当の本人はそんな事を意識してやったのではないだろうが、
それ故に彼女に感謝の念が沸く。
彼女の訴えは、同じく魔法を使う者としてはよく理解出来るものであった。
魔力を存分に行使する為には十分な休息は必要不可欠なものだ。

>「もとより私が許す許さぬという話ではありません
> お互いが十全の体制で動けるならばそれでよいのです」

対するアルフレドの返答はやや事務的だった。
やはり先のリュエンの一言が響いているのだろうか...
さて、リュエンという若者とこれから行動を共にするにあたって、
他人の心情への配慮について諭す機会は巡ってくるものか?

などと考えている内に、リュエンとクーフェリアスの血気盛んな二人が、
子爵に意気揚々と話し掛けている。

>「そういうわけです、ミスターフリクセル。また・・・
> そうですね、1週間後にお会いしましょう」

>「ではフリクセル子爵、良い報告をお待ちください」

自分はこの若い連中を援護し、時として掣肘しながら、
マルドルと共に任務を成功させねばならない。
それは、セリトやカーツェナルと行動するのに慣れきっていた自分には、
なかなかの難事業に思えた。

...と内心では色々と考えつつも、口に出しては子爵にこう言った。

「子爵よ。アルフレド氏及び衛兵の方々と連携し、
 ハルストレームを妖魔から防衛する為に力を尽くして参りますぞ。
 子爵は今回ハルストレームを守る為に果断な行動を取られた。
 ラーダは賢明な者には厚い加護をくださりますでな!」
 
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PLより:投稿が大幅に遅れてしまい申し訳ありませんでした(謝罪)
     闘病生活で本人が思っていた以上に体力を奪われていた模様です...
     仕事が辛い!(>x<)    
    
     >Lain@GMさん

      錯乱状態の村人に<サニティ>を掛ければすぐに話を聞けるかな?
      と考えましたが、強行軍で掛け付けると自分でも意見を表明した
      のでそのままハルストレームへ行きます!(笑)