妖魔退治の依頼

マルドル(LINTS) 2011.09.06 [13:20]

オランへ続く街道を、ひとりで歩く。
夏が去り、高くなりつつある空を見上げて、ため息をつく。

ああ...

「金が、無い」

私の、目下最大の悩みである。

手持ちは金貨一枚を切っている。
霧の谷の冒険から戻ってからは、
酒場を回って流しに勤しんだり
小遣い程度の仕事で繋いだり。

これで何とか飯と宿にありつけてるのだがら、
ありがたいと思わねばなるまい。

今回もオランからちょっと離れた街までの護衛を受けた。
収入は微々たる物で、これもオランに帰り着くまでには消えてしまうだろう。

さて、次の仕事を探さねば。
いや、その前にまず腹を満たさねば。

アンセルムの街の冒険者の宿の扉を開けたのは、
そんなことを逡巡しなからのことだった。

ぐるりを視線をめぐらせると、
「おお?――ガラフじゃないか」
声をかけながら、同席する。

同じパーティの仲間、ドワーフの癒し手。
まさか、こんなところで会えるとは。
何でも、友人と旧交を暖めてきた、その帰りとか。

「私は護衛の仕事だよ。終わって帰るところだ」

飯を食いながら、ガラフとそんなたわいない話をしているところ。
酒場の雰囲気が変わった。

なにやら地元の貴族の依頼が入ったようだ。

「妖魔退治...だと...?」

報酬は500か。悪くないな。
実入りの欲しい自分にとって、悪くない条件だ。

早くも名乗りを上げる冒険者達。
こちらへ目線を投げるガラフに、軽く頷く。

「私も行こう、剣の使い手は一人でも必要だろう」

カーツとセリトを思い出したが、彼らなら心配いるまい。
「あの二人への、土産話にしよう」
そう言って、ガラフへ笑いかけた。




宿で名乗りを上げた冒険者達と共に、子爵の館へ赴く。

今回の『仲間』は、ガラフの他には
栗色の髪の戦士、黒髪の棒使い、槍使いの傭兵、
それに、色気あふれる美しい女性。
同じ女性なのに、まるで私とは違う種族のようだ。
いや、彼女はハーフエルフだから種が違うのは当たり前だがしかし――。

いろいろ考えているうち、部屋に通され、雇い主が現れた。

「私はミスルトゥのマルドル。見てのとおりガルガライス出身だ。
 今はそこのガラフと共に、『銀月』に参列するもの。
 剣と精霊を使う――お見知りおきを」

フレクセル=セレンソンと名乗る子爵殿と、
席を囲んだ冒険者達には改めて挨拶をする。
そして子爵の好意に甘え、果実の絞り汁をいただくことにする。
次に酒を口にするのは、仕事が終わった時だ。

その仕事内容を改めて確認し、現れた妖魔の特徴を頭の中で摺り合わせる。

「妖魔どもが勢ぞろいって訳か」

卿の口に上った妖魔の数々は、子供にきかせる御伽噺の常連どもだ。
しかし、実際の連中にかわいげなんぞこれっぽっちもない。

「ゴブリンやコボルトは雑魚だろうが、数で押されると厄介だな。
 しかも、ゴブリンロードやシャーマンの可能性が消せぬとなれば――」

「シャーマンは精霊魔法も暗黒魔法も扱える。ロードは並みの人間より強い。
 数で押さえ込まれたところにそういう連中に叩かれれば、たまったものではないな」

かなりの苦戦を強いられよう。

「セレンソン卿、いくつか質問を許されたい。
 口の悪さは、育ちの悪さだと思っていただきたい、すまぬ」

軽く頭を下げて断りをいれ、返事を待って言葉を紡いだ。

「同行いただける衛視の数と実力は、いかほどになろうか?」

「ハルストレームの村の備えは、どのようになっているのだろうか。
 柵や武具などの有無、村の侵入路、戦える人間の有無を知りたい」

「妖魔がどこから来て、どちらへ去って行ったか分かるだろうか。
 一方方向から来たか、複数方向から来たかで我々の対処も変わろう」

「妖魔が潜むと思われる場所の目星は、把握しておられるか?
 流れの妖魔であっても、彼らが滞在しやすい山や森の洞穴とか、あるかもしれん」

「あと、僭越ながら、金属鎧を貸していただくことは出来るだろうか?」

銀以外の金属を嫌う精霊達。
これを着ると魔法は使えなくなってしまうが、
回復を担うガラフやファリスの戦士の負担も軽くなるだろう。

もっともこればかりは先方の都合だ、無理強いはできん。


PL>
皆様、よろしくお願いします!

知名度判定が絶好調すぎてコワイ! 全部知ってるよ|``)
ゴブリン 2D6 → 3 + 3 + (3) = 9 (09/06-12:19:52)
コボ 2D6 → 4 + 3 + (3) = 10 (09/06-12:19:57)
ゴブロー 2D6 → 6 + 6 + (3) = 15 (09/06-12:20:03)
ゴブシャー 2D6 → 6 + 3 + (3) = 12 (09/06-12:20:10)

テッピンさん、旅の理由の件了解です。
マルドルは護衛の仕事の帰りに偶然であったってことで!

初顔のPCへのご挨拶!
そしてチルグラおねいさんの色気に早くも当てられてますw

セレンソン卿への質問は
「会えば分かる」「行けば分かる」ものでしょうが、
予め分かっているほうが、いろいろ策を練る余裕が出てくるなあと思ってのことです。

村のことで質問してる中にある『戦える人間の有無を知りたい』とは
一般兵士レベルの人がいればいいかなあ、と言う感じですね。
一般人(冒険者レベル0)を無理に参列させることは考えていません(^^;

「鎧を貸してー」な申し込みは、出来るのであれば、ということで。
金属であれば、特に種類は問いません。