救出劇
エリオ(だんがん) 2012.10.20 [15:19]
僕は、ゆっくりと目を覚まします。
美味しい食事と、寝心地の良い寝具。
偶然とはいえ、親子を助けたことで、僕らには思いがけない厚待遇が巡って来ました。
幸運と交流の神、チャ=ザに感謝を。
あー
毛布、温かいなあ。
....
.......
このままずっと寝ていたい気分でしたが、僕らは、本来の役目を果たさねばなりません。
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土砂崩れの復旧調査 二日目
一日目は思わぬ事態に
土砂崩れに巻き込まれた親子を救出
(ライナルト氏、パウル君)
御者もいたはずだが行方不明
昨夕から雨が降っていた
また地面が崩れないか心配
今日もがんばろう
一仕事終えての一杯は格別
昔、近所のおじさんたちの言っていた意味がやっとわかった
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身支度を整え、簡単に日記をつけると、僕は部屋を出ました。
「おはようございます!」
途中、すれ違った宿の主人にご挨拶。
食堂につくと、昨日の親子が起き出してきていました。
「もうお加減はよろしいのですか?」
痛々しい包帯や添え木を見れば一目瞭然で、我ながら何を言っているんだろうと呆れてしまいましたが。
>「まったくお礼の言葉もありませんが、せめてお名前なりとお教え願えませんか」
そういえば、自己紹介する機会を逃していたのでした。
「僕はエリオです。エリオ・アリアス。駆け出しですが、学者などをやっております」
時間があれば商売の知識をぜひご教授いただきたかったのですが、と笑って付け加えます。
それから。
お聞きしたいことがありますと切り出しました。
思い出すのは辛いかもしれませんがと前置きして、
「御者の方の背格好はどのようなものでしょうか?」
無理強いはせず。宜しければ、と。
今後調査を行なっていけば、亡骸などを見つけることになるかもしれません。
あるいは、普請が始まってからであれば、人足の方に弔いをお願いすることもできます。
僕らが後を引き継ぐことで、ライナルトさんの自責の念が少しは軽くなることを祈って。
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二日目の朝から出発前までの書き込みです。
エリオ(だんがん) 2012.10.17 [23:43]
「ふーー」
湯浴みまでさせていただき、とてもさっぱりしました。
しかも、今日はふかふかのベッドで就寝です。
「幸せですねえ」
とても美味しい夕食...久方ぶりのご馳走でした!...の後、
>「いずれにせよ、一応の期限まであと6日あります。
> 雨でまた作業もしづらくはなりましょうが、どうかお気をつけて」
テオバルトさんが自室へ戻っていきます。
好物のシードルを出してもらい、ちびりちびりと舐めていると、
>「さて」
>「仕事がひとつも片付かないまま一日目が終わったが」
オートさんが口を開きました。
明日からの打ち合わせというわけですね。姿勢を正します。
>「明日からどうしようか?」
「かなり広い範囲で土砂崩れが確認できましたね」
僕からは、作業の進行についての提案をさせていただきます。
「作業を効率的に進めていくには、やはり現地に野営が必要かもしれません」
宿との往復の時間をも作業に充てれば、少しは早く終わるかもという考えです。
ただ...
「妖魔が出る、という話が気になりますが...」
期限までは余裕があるとはいえ、のんびりもしていられません。
街道の復旧を待ち望んでいる人が大勢いるのですから。
しかし、事を急いては二次災害を引き起こす可能性もあります。
それで復旧が遠のいてしまったら元も子もないですしね...
うーん...
僕は、もともとオランへの帰り道の途中。
特にこの後の用事も無く。
人の役に立てて、なおかつ食事まで保障されているのですから(これはとても大事なことです!)、時間がかかっても何の文句もありません。
なので、
「この件については、お二人の判断を優先したいと思います」
こう述べるにとどめておきました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
作戦会議以外の内容は、また後ほど書き込ませていただきます。
さて、今朝の出発時には、オートさんが宿と現場の往復をご希望でした。
往復は2刻(=4時間)、かつ明るいうちに行軍しなければなりません。
オートさんは(ロールとして)気が急いているようですので、早く終わらせるならという選択肢を、エリオから再提案させていただくことにしました。
リスクを覚悟で効率的に進めるか、安全最優先で期限を有効に使い切るか。
エリオはどちらでも大丈夫(本文中でも書きましたがご飯が食べられればオッケー^^;)なので、オートさんとラキアードさんのご意見をお聞かせください。
オート(スキュラ) 2012.10.17 [20:13]
GM(Lain) 2012.10.17 [19:25]
> 「お気になさらず。
> 旅人と冒険者は、情は人のなんとやらです」
いやしかし、とライナルトは得心のいかぬ様子だ。
「では、このお礼は必ず」
怪我をした上に体力を消耗し、馬車も馬も失い、御者も行方が知れない。
最悪の状況ではあるが、だからこそそのような状況で助けてくれた恩をないがしろにするわけにはいかない。
それは商人としての矜持のようなものなのだろう。
一刻ののち、一行は宿へ帰りついた。
帰りつくちょうどその頃、霧のような小雨が降り始める。
幌があるとはいえ、雨の中でもう一晩を越せばどうなっていたか。
まして怪我をした身である。
ライナルトはともかく、子供ゆえ体力のないパウルは。
このままでは助からないと考えたとき、人は絶望的と解っていても危険な手段に訴えることがある。
たとえば、怪我をした足であの急斜面を登ろうと試みたり。
そうでなくとも、雨でふたたび斜面が崩れる可能性もあろう。
そうなればふたりは誰にも気づかれぬまま、馬車ごと濁流に流されていた筈だ。
冒険者たちが彼らの馬車に気付いたこと、危険を冒して彼らを救け出したことは、彼らふたりにとってまさに僥倖であったと言える。
宿の主人もテオバルトも、冒険者たちから事情を聞き、同様の感想を抱いたようだ。
「ああ、まずは湯浴みでもなさって着替えられてはいかがですか。
そう濡れていては風邪をひきます。
そちらのおふたりも――はあ、怪我を」
ではせめて湯と身体を拭く布を、と主人が言い、
「それじゃ温まれるスープでも。
それから毛布も入用ですねえ」
女将が答える。
別室でふたりが着替える間、テオバルトと宿の主人の間では、ふたりの扱いをめぐって一悶着があった。
テオバルトは金は持つから部屋を用意してやってくれと言い、
主人は困ったときはお互い様だ金など受け取れるかと言い、
金貨を行ったり来たりさせたあと、それじゃあなたの心意気を買うからあのふたりの宿代は持ってくれ、その分あの冒険者さん方にいい部屋と食事を、とテオバルトが提案して決着した。
「そのようなわけですので、」
湯浴みを終えて着替えた冒険者たちに、主人は言った。
「今日はゆるりとお休みください」
着替えと食事を供され、ライナルトとパウルはともに眠りに就いた。
この宿で街道の再開通を待つ商人や旅人が幾人か、様子を聞きたがった。
とはいえ特に新しい情報もなく、冒険者たちが疲れていることを慮ってか、会話もそう長くは続かない。
テオバルトは作業の遅れを気にする風でもなく、むしろ親子を助けることができてよかったと喜んでいる様子だ。
役目柄、自分の関わる街道で人が死ぬのはやはり辛いものなのだろう。
「いずれにせよ、一応の期限まであと6日あります。
雨でまた作業もしづらくはなりましょうが、どうかお気をつけて」
簡潔にそう述べ、明日は晴れるとよいのですが、という言葉を残して二階へ上がった。
冒険者たちも今日のところは休むべきか、はたまた翌日へ向けて何がしかの準備をしておくべきか。
翌朝、幾分か体調が回復したライナルトとパウルのふたりは、冒険者たちに改めて丁寧な礼を述べた。
「テオバルト様に伺いましたが、街道の修繕の準備へ向かわれるところであったと。
お役目にもかかわらずわざわざ救け出していただいて、ほんとうにありがとうございます」
ライナルトの言葉に合わせるように、パウルが深々と頭を下げる。
「まったくお礼の言葉もありませんが、せめてお名前なりとお教え願えませんか」
それぞれ足と腕に添木をし、包帯を巻いた痛々しい姿ではあったが、少なくとも生命に別条は無さそうだ。
ライナルトは杖をつきながらもどうにか自分の足で立てるようになったらしい。
冒険者たちの仕事にとって、それははっきり言ってしまえば関わりのないことではあるのだが、それでもこの一事は朗報と言えた。
何にせよ人を助けえたことはよいことに違いはないし、助けたからには永らえてほしいと考えるのが人情であるから。
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■GMから
ややフライング気味に翌朝まで時間を進めておきます。
が、途中にご希望通り食堂のシーンを挟みましたので作戦会議などなどはそちらでどうぞ!
また、宿の主人夫婦やテオバルト、ライナルト・パウルの親子に頼みごとや提案などがありましたらそちらも遠慮なくご提示くださいませ。
エリオ(だんがん) 2012.10.17 [08:53]
見回すと、オートさんもラキアードさんも疲労困憊のご様子。
>「すまんがどちらか、手綱を頼んでいいかね?
> 少し疲れたようだ...」
「はい! 僕が務めます」
唯一、僕だけ無傷で、あまり疲れてもいません。
役に立たなきゃ!
今日はもう帰るだけだからねと馬に言い聞かせて、手綱をとります。
>「宿へついたら、直ちに宿の主人に頼んで、
>怪我をしている二人をベッドへ休ませる必要があるな。」
「あと、帰りを待つお屋敷にも、どうにかして親子の無事をお知らせしておきたいですよね」
お金持ちの商人さんなら、これも何かの縁ということで、街道復旧の援助とかお願いできないかなあ。
慈善家として名も上がるし、領主殿の覚えもめでたくなるのではないかと愚考するのです。
とても余計なお世話ですけどね。
......
「それでは」
みなさんが乗車したことを確認して、「出発!」
往路より人数が増えた僕たち一行は、一路、宿へ向かって荷馬車を進ませるのでした。
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みなさま、救出おつかれさまでした!
御者についてラキアードさんが触れておられましたが、確かに深読みすると、実は事故に見せかけた...って展開にできそうですよね。
○曜サスペンス的な!
それでは代表して宣言を。
【調査組】は一旦宿へ帰還することにしました。
翌日以降の作戦会議については、宿に着いてからの(食堂とかでの)描写を振っていただけるとうれしいです^^>GM様
ラキアード(はんく) 2012.10.17 [01:40]
オート(スキュラ) 2012.10.14 [22:01]
GM(Lain) 2012.10.14 [21:17]
> 「よく無事で・・・
> 子供も居るのですか?」
「はい――パウル、パウル、安心しろ、もう大丈夫だ」
幾分か力の戻った声で馬車の中にそう声をかける。
声に答えるように、ライナルト似の子供が姿を見せた。
憔悴しきった様子ではあるが、生命に別条のありそうな様子ではない。
ただ、片方の腕がひどく腫れ、少々動かすだけでも痛みに顔をしかめて声を漏らしている。
「パウルと申します。
どなたか存じませんが、ありがとうございます」
その言葉からは、このような状況でも気丈に振る舞おうとしている様子が窺えた。
怪我を負ったライナルトとパウルのふたりを馬車から引き出すには、引き出す側にも引き出される側にも相応の苦労が必要だった。
だが、急斜面を怪我人が独力で登ることに較べれば、どうという話ではない。
何よりも、今少し我慢すれば助かるのだという期待が、親子の心を支えていた。
そして、オートの奇跡とラキアードの手当がふたりを癒す。
折れた骨までを再生せしめ、支障なく動かすには至らない。
だが、怪我のこれ以上の悪化を防ぎ、痛みを軽減するには十二分だと言えるだろう。
パウルは畏敬の目で冒険者たちを見上げ、ライナルトはそれこそ拝まんばかりの様子で繰り返し感謝の言葉を述べた。
やがて準備が完了し、まずパウルが、そしてライナルトが、荷馬の力を借りて斜面を引き上げられる。
> 「ゆっくり引っ張るんだよ。いいね?」
> 「それ、引っ張れ!」
エリオの指示が伝わったものだろう、荷馬は一歩ずつ確かめるように足を踏み出す。
途中の障害物を避け、引き上げられる怪我人の負担を軽くするために、エリオは幾度か馬を止めねばならなかった。
それでも四半刻ほどで救出作業は無事終わる。
崩落現場に着いてからの時間で考えれば半刻ほどだろうか。
引き上げられた親子も、救出にあたったオートとラキアードも、泥にまみれて汚れてはいる。
だが、命を失いかねない状況にあったことを考えれば、格段にマシになった筈だ――少なくともいまは全員が安定した街道の上にいて、1刻の時間をかければ屋根のある場所へ行くことができるのだから。
荷馬車に毛布を敷き、親子を呼べば、彼らはエリオの気遣いに感謝しながら勧められるままに荷台に乗る。
ライナルトはさすがに横になる気にはなれないようだが、パウルは横になるとほどなく寝入ってしまった。
父が言うには、昨夜はほとんど一睡もできなかったのだそうだから、無理もないことだろうと思われた。
「それでその――シュテファンは――御者は、見当たりませんでしたか」
半ば以上諦めた表情でそう問い、冒険者たちの返答を聞くとああやはり、と肩を落とす。
「――気の毒なことをしました」
無論、雨も土砂崩れも彼に責があるわけではなく、彼らが生き残り御者が死んだのは純然たる運によるものだろう。
だが、そうであってもやはり、己に関わりのある者の突然の死というのは遣り切れないものだ。
ライナルトは、荷台の片側に寄せられた荷物を見て、なんとはなしに冒険者たちの本来の役回りを察したらしい。
「皆さんにもお役目がおありでしょうに、お手数をかけて申し訳ありません」
改めて済まなさそうに頭を下げた。
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■GMから
救出完了でありまーす!
エリオ君用意いい。ファインプレーでありました。
>みなさま
とりあえずそのようなわけで、無事全員救出完了であります。
エリオ君から戻ってはどうかと提案が出ておりますが、今後どうするか決めてやってください。
エリオ(だんがん) 2012.10.14 [10:34]
あらかじめ準備をしていたので、
「これで良し、っと」
馬から荷車を切り離し、替わりに命綱を接続するだけですぐ済みました。
>「エリオ、引っ張り上げを頼む。」
やがて、ラキアードさんから合図が来ました。
見下ろすと、小さな子供から救出を開始するようです。
一人づつというのは、やはり怪我人を最優先という、現場のお二人の判断なのでしょう。
「ゆっくり引っ張るんだよ。いいね?」
馬のたてがみを撫でて言い聞かせると、僕は手綱と、命綱の両方を握ります。
「では、まず一人目! 行きます!!」
斜面下に聞こえるよう大声で合図を返して、
「それ、引っ張れ!」
馬と一緒になってゆっくりと確実に縄を引っ張っていきました。
....
.....
子どもの引き上げが成功して、二人目はその親御さん。
この作業も問題なく進みました。
憔悴はしているようですが、命にかかわるような外傷は無いようで、少し安心。
しかしながら、宿に引き上げる道程をこの状態で歩かせるのは難しいかもしれません。
そこで荷車の上を片付けて、広げた毛布の上に親子を寝かせておきました。このまま乗せて帰りましょう。
もともと積まれていた道具は、僕らで分担して持って帰ればいいかな。
三人目の準備を待っていると、降ろした縄を使って、オートさんはするすると自力で登ってきてしまいました。
「身軽なんですねー」
たぶん僕なら簡単に滑り落ちて川に一直線だなあ。
最後はラキアードさん。
先ほど滑落したばかりで、お怪我が心配です。
「一緒にお願いできますか?」
念には念を入れ、オートさんにも助力を願い、馬も含めたみんなで縄を引き上げることにします。
自力で体を支えつつ、これで難なくラキアードさんも戻ってこられるはずです。
......
....
..
一息ついてから。
「お二人とも、大事無くて何よりでした!」
オートさんから先ほどの親子についての詳細を聞かせていただきました。
「なるほど。いらっしゃったのはあの親子だけでしたか....」
すると、一本道の先である僕らの宿に救援を求めに来ていない以上、同行していたという御者はたぶん...
川は依然として濁流が渦巻いていて、雨をたくさん含んだ大地はまたいつ崩れてもおかしくないでしょう。
今日はこのまま調査を続けても、すぐに日が暮れるような気がします。
それよりも、想定外の怪我人を優先して行動するほうが得策かもしれません。
「とにかく一度宿に帰りませんか?」
オートさんとラキアードさん、お二人を振り返って。
「さらなる土砂崩れも心配ですし、あの親子には休養としっかりした手当が必要そうです」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
エリオの行動宣言です。
1.パウル君を、馬と一緒に引き上げ :判定不要
2.ライナルト氏を、馬と一緒に引き上げ :判定不要
3.ラキアードさんを、馬とオートさんと一緒に引き上げ
:判定不要
今までの流れを読むと、エリオは何もしていないような気が...^^;
(ラキアードさんについては怪我が心配なので判定不要で成功する方法をとらせていただきました。もし登攀する書き込みをご用意されていたら申し訳ありません)
このあとの行動について、エリオからは、荷車に親子を乗せて宿へ帰還するという提案をさせていただきます。
大活躍の馬にいっぱい飼葉を食べさせて、調査はまた次の日に!でいかがでしょう。
(追記)
細かい表現を少し書き換えました。
ラキアード(はんく) 2012.10.14 [01:42]
オート(スキュラ) 2012.10.13 [21:28]
エリオ(だんがん) 2012.10.11 [23:49]
現在、オートさんとラキアードさん、お二人が斜面を下っています。
僕は手が空いているので、本来の役目...街道とその周辺の様子を探ることにしました。
....
.......
それにしても激しい崩れ方です。
もし斜面下にある物体が幌馬車だとしたら、為す術もなく飲み込まれてしまったのでしょう。
中に乗っていた人がうまく逃げられたことを祈るばかりです。
残念ながら、これ以上崩落が広がりそうかどうか、僕の乏しい知識では判断する自信がありません。
もっと勉強しておけばよかったなあ。
そういえば、図書館にドワーフが執筆した大地についての文献があったような気がします。
帰ったらぜひ読んでみよう。
そんなことを考えていると。
ザザーッ
鈍い音が辺りに響きます。
慌てて斜面の下を覗きこむと、どうやら誰かが滑落したようです。
命綱は...大丈夫、切れてない。
「大丈夫ですか?!」
大声で、安否を確認します。
合図があればすぐにでも引っ張り上げられる体勢をとって。
>「エリオ君!こっちの状況は...」
オートさんから返事が返って来ました。
滑落したのはラキアードさんのようですが、なんとか無事のようです。
そして、考えたくはなかったですが、やはり誰か中に居たということを知らされました...
>「ソッチになにか使えるものはないか!」
「馬を、連れてきています!」
頭のどこかでこういう事態を想定していたのかもしれません。
意外なほど落ち着いた声で、僕は、オートさんに答えます。
「お二人がそれぞれ一人ずつ怪我人を抱えて、一組ずつ引っ張り上げるのはいかがでしょう!」
あるいは怪我人だけ引っ張り上げる...?
もしかしたら、怪我人の方は間に合っても、お二人を引き上げる前にまた崩落が始まるかもしれません。
事態は一刻を争うような気がするのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
スキュラ様、ありがとうございます!
怪我人だけなら判定不要ですか...
いっぺんに二人だと危ないでしょうか?
気にし過ぎかもしれませんが、怪我人単体で引っ張り(引きずり)あげると怪我が悪化するような気がして^^;
オート(スキュラ) 2012.10.11 [23:35]
GM(Lain) 2012.10.11 [22:05]
エリオに促された荷馬は、素直に前へと進んだ。嫌がる風もなく、崩落した土砂へ近づく。
積みあがった土砂の数歩手前で立ち止まる――さすがにこれ以上は進めなさそうだ。
元来臆病な馬の性質を考えれば、ここまで素直に近づいただけでも上出来かもしれない。
手近な木に結び付けたロープを幾度か引っ張り、緩みがないことを確かめる。
こつん、という手応えが伝わってきた。
崩落した土砂の上に踏み込めば、足場は極めて悪いということが改めて理解されるだろう。
足許の土や泥は水をたっぷりと含んでいて滑りやすい。
転がっている石はときに不安定で、足をかけただけでぐらりと揺れるものも少なくない。
しかもそれらは一見してどの程度安定しているのかが解らない。
慎重に慎重に歩を進め――何歩目かで、浮き石に体重がかかった。
ぐらりと足場が揺れ、身体の平衡が失われる。
オートの手が、咄嗟に近くの倒木を掴んだ。
泥まみれにはなったものの、急斜面を転がり落ちるところまで行かなかったのは幸いだった。
体勢を立て直し、さらに慎重にロープを手繰ること小半刻ほど。
ようやくオートは馬車の近くまで辿り着いた。
近くで見てみれば、それが確かに馬車であること、その中に人がいてもおかしくないだけの空間が無事残されていることが解るだろう。
オートに続いて降りたラキアードは、オートよりも更に運に恵まれなかった。
普段の身のこなしであればどうということのない斜面だが、一度、二度とバランスを崩す。
その二度目、体勢を立て直そうと手を伸ばし、掴んだ石がごそりと抜けた。
一度勢いが付きはじめた身体は容易には止まらない――特にそれが、水を含んだ土砂の急斜面であれば。
幾度か斜面に身体を打ちつけ、伸びきったロープが激しい衝撃とともにまっすぐに張る。
ロープを結わえつけられた木が、ぎしりと軋んだ。
幸い、木の幹も根も、ひと1人の滑落を止められないほどの脆さではなかったようだ。
最後に止まったやや平坦な場所から、拳大の石が数個、白く牙を剥く濁流へ落ちていった。
まっすぐに滑落したため、馬車まではやや距離がある。
だが、たとえ転んでもこれ以上落ちる気遣いはない――あとはロープを支えに使いながら近づいてゆけばよいだけの話だ。
土砂や石で打ちすえられた身体のあちこちが痛みはするが、立って歩けぬほどの傷ではない。
少々の時間をかければ、オートのところまで辿り着けることだろう。
不安定な足場で、ラキアードがバランスを崩した。
そのまま滑落し、二度三度と斜面で跳ねたあと川沿いのやや平坦な場所でどうにか止まる。
革鎧に包まれた身体が地面に叩きつけられる鈍い音が、川音を圧して響いた。
ロープのおかげもあっただろうが、死なずに済んだのは幸いだった――ラキアード自身の身体の頑健さと、転がりながらもどうにか受け身を取れたことが大きいのだろう。
――と、馬車の中で物音がする。
潰れかけた馬車が小さく揺れ、幌の隙間から憔悴しきった表情の男性が顔を覗かせた。
「あなた――あなたがたは」
馬車のそばに立つオートを見、近づいてくるラキアードを見て、目許を片手で押さえ、もう一度同じ動作を繰り返した。
気が抜けたようなため息をつき、頭を振って、ふたりの冒険者に視線を戻す。
「私も、中にいる息子も、怪我をしております。
どうかパウルを――息子を、助けてはいただけませんか」
男性はライナルト・ハーマンと名乗った。
ファーズにある商家の差配役のひとりで、オランでの商談に、10になる息子を連れて出向いた帰路、土砂崩れに遭ったという。
「昨日の夕暮れ、陽が落ちたあとでした。
山に入ってから雨足が強くなり、それで夕刻までに宿に着くことができませんで」
雨の中、山中で野宿というわけにもいかず、灯りをつけて先を急いでいた、とライナルトは語った。
「突然、右からすさまじい音がして、ずしんと何かが馬車に当たりました」
あとのことはよくわからない、と彼は言う。
「馬車が急に左に傾いてそのまま横倒しになり、あとはそのまま――」
気が付いたときには御者も馬も姿が見えず、馬車は横倒しになったまま幌はひどくひしゃげていた。
泥水が流れ込んでくる中で一睡もできず、震えながら夜を明かしたのだという。
「朝方になって雨は止みましたが、明るくなって周りを見てみましたらこの有様で」
満足に動くことすらままならず、さりとてこのまま夜を待っては何が起きるかわからない、と途方に暮れていたところだ、と説明した。
パウルという名の息子の前腕部に大きな痣がある。
ひどく腫れており、動かすこともほとんどできない。
悪くすれば折れているか、少なくともひどい打撲であることは間違いがない。
ライナルトは左足を怪我しており、そちらの足に体重をかけることができないのだという。
平地であれば、杖をつくなりしてどうにか歩くことはできそうだが、足場の悪い急斜面を登ることは到底不可能と見えた。
崩落した斜面からは、今も絶え間なく泥水が流れ落ちてきている。
今すぐ再度の崩壊があるとは思えないが、半刻先、一刻先がどうであるか、この場の誰にも確証を持って言うことはできそうにない。
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■GMから
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出目ェ・・・・・・。
おっかしいなー、そうそう転がり落ちるところまではいかない予定で目標値設定したんだけどなー(gkbr
なんと申しますか、GMが胸を撫で下ろしております。
心臓によろしくない出目ですね!
>みなさま
さて、どうにかこうにかたどり着いたところで、中に人がいることが確認されました。
中年の商人とその息子の2名様で、それぞれ足と腕を怪我しており、ロープの補助があったとしても自力で登ることは不可能なようです。
助けてあげるなら救出プランの提示をどうぞ!