結末

チルグラ(ぱんとら!) 2011.11.08 [22:13]

太鼓の音が響くとくるりとやつらは踵を返した。
合図の音に正確に反応するとは、本で読んでいた妖魔像とずいぶん違っていて、それに今、気がついた。
つまり、ほっとできた、ということだろうと思う。
でも南の状況はわからない。
もしまだもめてたら、加勢をしなきゃだわん、と急いで走る。

 

 


そして、無事に、仕事は終わった。
傷ついたボリスもガラフがすぐ傷をいやす。

>「誰も死なずにいてくれて、本当に良かった。
> 私の力が、誰かの死を食い止める小さな盾になれたのなら。
> それが、私にとっての最大の報酬なのだろう」

マルドルがそう言う声が聞こえたので、全くだわん、とうなづいた。
そういう重大な事にならずに済んで、本当によかったわん。

それはあのロードが冷静な判断をしてくれたおかげで、またそれも微妙にむずむずする出来事だった。
ロードは逃げたことは聞いた。
そういう妖魔ならば、もし今度言葉を交わすことがあったら、面白い事がわかったかもしれない、と頭をかすめたから。
面白いフィールドワークになるかも、と。

思って、その次には肩をすくめた。
お仕事を忘れてソレと会話するというのは、よろしくありませんわ。
どうせ妖魔。人間とは敵対するもの。
実際、攻撃で狩人の一人が大変な怪我を負った。
その状況になったとしても、やることはありませんでしたでしょうねん。

果たして、やっぱり巣はもぬけの空。
ふうっと息をついて。
なんとも、気が抜けたわん。


もう戦うこともなさそうなので、マルドルにダガーを差し出す。
もちろんしっかりと汚れが付いてないことを確かめたあと。
「そうですわ、こちらお返しいたしますわ。
古代の失われた技術の短剣ですのねん。
貴重なものを少しの間でも触らせていただけてうれしゅうございましたわん。
えー、と、ありがとう、マルドル」
首をちょっと傾げて、笑った。
なぜかって、ちょっと返すのが惜しくって、それに思わず苦笑しようとして、それをごまかすためなんだけど。


それにしてもイアンには驚きましたわん!
まさか一撃で妖魔一匹を沈めるとは、さすがそれを仕事に通常使用しているだけありますわね!
アルフレドとガラフの言葉にさらに周りが盛り上がる。
よぉっし☆とあたくしも飲みまくっていい気持になりながら、
助けを求めてきたイアンに背中から抱きついて
ゆーらゆーらと揺らした。
「がんばりましたわね?これからは英雄でしてよ?☆
うふふふ♪」
うふ、ちょっとご褒美になりますかしらん?


次の日はアンセルムへ。
「この近くに寄りました際には、必ず寄りますわん」
少しの間だけどお世話になった村の方へ、嘘偽ることなく心を告げる。
見えたイアンに軽く手を指をまげて、バイバイ♪とサイン。
そして、敬礼をした騎士や村人たちに対して、
ありがとうございます、と出来る限りの艶やかな仕草で礼。


「冒険者でも、このような事があるのねん」
帰り道、空を見上げながらぼんやりと呟いた。

村で見せた、冒険者に騎士が剣を掲げることが、不思議だった。
冒険者に。騎士が。
それを見た直後から、胸に何かぽっとした熱いものが宿ったのを確かに感じた。
くす、と笑いながら

「旦那様に、会ったら誇らしく自慢することができましたわん」

おそらくラムリアースだと思われる方向へ、あかんべをしてやった。

いつになるか、わかりませんけどねん!

 

フリクセルさんは報酬に上乗せまでしてくれた。
ああ、これでまた、増えた。
武具の紹介もしていただけるとのこと。
もうすぐお別れになる仲間たちが、自分の願いを告げる。

「ありがたく」

そういって頭を下げて、自分の願いを告げた。


-----------------------------------------------
PLより:
さて、とりあえずしめ日記!!
二ヶ月間、ありがとうございました!!

武具はもうちょっと考えます!!
武器!?鎧?!それとも銀武器かしら!?ふおおおおお悩む!!

マルドル(LINTS) 2011.11.07 [10:27]

>「貴公ならば、攻撃を続行させるかね?」

エリクセン殿の問いかけに、ふむ、と考える。

その判断が出来るか、出来ぬか。
出来たとして、実行できるか、出来ぬか。

自分は一介の戦士、もっぱら使われる立場だ。
指揮官の視点には、疎いと言わざるを得ない。

「オーガーの力を過信しそうではあるな」

だからこそ、難しいと答える。

「ただ、使われる身として言えば――
 そういう判断の出来る指揮官の元で働きたいと、思うな」

さすがに、ゴブリン王は却下だが。

私の進言の提案に、騎士殿の口は重い。
流れ者の身には見えぬ、金の問題やしがらみがあると想像に難くない。

「無理にとは言わぬ。
 私も子爵殿に無理を押したいとは思わぬ」

「その代わり、また我々の手を借りたい時は、喜んではせ参じよう」




旅立ちの前夜。村人は祝宴を挙げてくれた。

ようやく、心置きなく酒を飲める。
なぜ、誰も死なぬ道を選びたいかと言えば
「美味い酒を飲みたいからさ」と答えるが、
実際、こうやって大きな喜びの中に身を置き
その中で飲み続けると、静かな充実感で心が温かくなる。

途中、アルフレドと酌を交わした。
堅物の彼は、やはりこのような騒ぎは苦手らしい。

「彼らを、無事に家族の元へ戻す手伝いができて良かったよ」

衛兵達の、はしゃぎながら飲む姿を少し離れた場所で眺めながら
アルフレドへそうつぶやく。

「あんたは、本当に良い隊長さんだ。
 ――死ななくて良かった」

あの夜、自分に何かあったらと頭を下げられて、
虚勢を張ったことを思い出す。

「全く、女にあんなこと言わせるんじゃないよ」
でも、そういう実直なところは嫌いじゃなかったさ。

――――と、ガラフの歌声が聞こえた。

「ちょ、何歌ってんだよあいつ!」

まさか、自分と妖魔王の戦いが題材になるとは!
「勘弁してくれよ、見たわけじゃないだろうに」
人の歌を散々歌ってきたが、自分が歌われるとこんなに恥ずかしいものはない。
かと言ってあの場へ乱入するのは無粋の極み。
どうすることも出来ん。

「もう...知らん!」

こんな時に、酔えない体質はつらいな。
そう思いつつ、エールを一気にあおった。




村を経つ日。
村人と騎士団の見送られて我々は戻る。

エリクセン殿は村へ逗留し、警護と復興の職を担う。

>「再び会うことがあるかどうか解らないが――いや、貴公らと会うとなれば領内でなにかあったということに他なるまい。
> ここは会わずに済むことを願うべきなのだが、敢えてこう言わせて貰おう。
> またお会いしよう、どうかそれまでつつがなく過ごされるように」

騎士殿の言葉に、深く頷いて答える。

「村長殿、世話になった。奥方様にも伝えておいて欲しい。
 心づくしの料理は、どれもとても美味かった、とな。
 ――――ありがとう」

そして騎士の敬礼と言う、身に余る見送りを受けて村を旅立った。
朝日の中で剣と鎧が輝き、一服の絵のようなそれは
晴れがましくも誇らしい光景だった。




帰り道は至極のんびりしたもので、
緊迫した往路とはまるで別物だった。

数日ぶりにまみえる子爵殿へことの仔細を報告し、
我々の仕事はここで完了した。

「これをお返ししよう。お陰で妖魔王から身を守ることができたよ」
子爵殿から借り受けた大盾を返却する。

報酬は上乗せして払われ、
しかも高品質の武具を扱える職人への紹介状も用意してくれた。

「ありがたいが、あいにく元手が足りそうにないんだ...」

この機会に辞退をせねばならぬのは心苦しいが、
現実は曲げられぬ。致し方ない。

「子爵殿の気持ちだけ、ありがたくお受け取りしよう」

私の不躾な提案にも快く返答をしてくれた。
もっとも、全てが叶うわけではないことも承知している。
エリクセン殿の言うとおり、やりたいことと出来ることは別物だ。

「子爵殿の手を煩わせる提案をして申し訳ない。
 真摯な対応に重ね重ねの感謝を」

そう言って、私は頭を下げた。


 >「さて、お願いした件はこれで落着しました。
 > もしよろしければ、食事など用意させましょう。
 > いただいた報告は報告として、村の様子など、少し聞かせていただきたく思うのですが」


「ああ、ありがたくいただこう。
 あの村は、いいところだったよ。子爵殿も一度足を運ばれると良いだろう」

――皆と共に卓を囲む幸せに、感謝を。


PL>
駆け足でしたが、締め日記を投下します!
皆様お疲れ様でしたー

マルドル:1243点
各自に750ガメル

ありがたく頂戴します。
所感は後ほどアップしますね。

ガラフ(テッピン) 2011.11.07 [02:19]

帰りの道中は何事も起きず、平穏無事であった。
行きには全く楽しめなかった風景を味わいつつ進む。
それでもアンセルムの城門が見えた時は、思わず安堵の溜め息が漏れた。

***********************************

>「――そうでしたか。
> 上位種のみならずオーガーまでとは」

我々の口頭による報告と、エリクソン卿からの書状による報告を受け、
フリクセル子爵は呟く。

「我々冒険者だけでは、あの大群に挟撃されては助かる事は不可能でした。
 アルフレド氏率いる従士隊が村民を早い段階で誘導し、勇気ある猟師達が
 妖魔共を減じてくれたからこそ防衛は成ったのであります」

これは虚飾では無い、本心からの言葉だ。

さて、子爵は村の防衛の強化を約束し、報酬の上乗せを提示してくれた。
報酬は、金貨にして15枚。
星王ラーダの信徒としては、些か不謹慎だろうが、
さりとて苦労がこの様に具体的な形で報われるのは嬉しい。

それに加えて子爵は、

>「あなた方が望まれるのであれば、
> 武具を扱う職人に紹介状をしたためることもできます。
> もしそういったものを望まれるのであれば、遠慮なく仰ってください」

と嬉しい申し出をしてくれた。
少し考えた後、こう返答する。

「子爵よ。有り難い申し出、感謝致します。
 それでは厚意に甘えてお願いしたい品があるのですが...」

紹介状には、銀製の円盾を作成する依頼内容を認めて貰った。
来るべき不死者との戦いへ向けての備えである。

>「さて、お願いした件はこれで落着しました。
> もしよろしければ、食事など用意させましょう。
> いただいた報告は報告として、村の様子など、
> 少し聞かせていただきたく思うのですが」

そして子爵の細やかな気配り。

「フリクセル子爵よ、重ねてのご厚意大変有り難く思いますぞ。
 喜んで頂戴致します」

こういう時の遠慮は却って無礼なものだ...

===================================

PLよr:〆の投稿その4。フリクセル子爵と。

     >Lain@GMさん

     高品質/銀製武具の購入権を行使して、
     銀製スモールシールド(価格300ガメル)を購入させてください。
     そしてお手数ですが、可能ならば盾に設定を付加して頂きたく!
     (<フューネラルアクス>や<フランジドフレイル>みたいな形式)

     2ヶ月の間、濃密なやり取りをさせて頂き有り難うございました!

     報酬として、

     ○ 経験点:1253点(1ゾロ1回含む)
     ○ 現金 :450ガメル
     ○ 銀製スモールシールド(価格300ガメル相当)

     確かに頂戴致しました。

ガラフ(テッピン) 2011.11.07 [01:44]

宴が開けた翌朝。
遂にハルストレームを発つ時が来た。
強か酒を呑み過ぎて参っている者も多いが、
敢えて<解毒>の祈りは行使しない事にする。
その身に痛い思いをしてこそ身につく教訓もあろう...

村人達は、仕事の手を休めて別れの挨拶に顔を出してくれた。
思い思いの言葉で感謝の意を述べてくる。
その気持ちだけでも有り難い。

>「わが主君、アンセルム子爵にこれをお渡しいただきたい」

>「我ら騎士団に防衛の任を引き継いだ、との報告の書状だ。
> 無論、貴公らから聞き、この目で見た貴公らの戦果も記してある」

エリクセン卿からフリクセル子爵宛の書状が差し出される。

>「我らは今しばらくこの村に逗留する。
> 残党の襲撃が無いとは断言できぬし、
> 村を立て直す道筋なりとつけておかねばならん」

言わば、残務整理に従事する、と言う事だ。
冒険者である我々には出来ない村の再建作業を託せるのは頼もしい。
其処はやはり正規軍だ。

「確かに、村の再建はエリクセン卿の指揮で行われるのが妥当でありますな。
 これは貴殿にしか為し得ぬ仕事、是非とも宜しくお願いしますぞ」

書状を受け取り、頭を垂れて願う。

>「再び会うことがあるかどうか解らないが――
> いや、貴公らと会うとなれば領内でなにかあったということに他なるまい。
> ここは会わずに済むことを願うべきなのだが、敢えてこう言わせて貰おう。
> またお会いしよう、どうかそれまでつつがなく過ごされるように」

こういうと、エリクセンは剣を抜き、敬礼した。
騎士団の面々もそれに続く。
自分も返礼として、<葬送の斧>を構えて敬礼の姿勢を返した。

「ワシからも言わせて頂こう。
 貴殿らに、ラーダの、いや、光の神々全てのご加護があらん事を。
 それまで壮健であれ」

===================================

PLより:〆の投稿その3。ハルストレーム出発。

ガラフ(テッピン) 2011.11.07 [01:08]

防衛任務最後の夜、村人達が厚意で祝宴を開いてくれた。
家畜に被害が出ている状況下ではあるが、彼等なりに、
精一杯謝意を示そうという、その気持ちは有り難い。
快く、参加させて頂く事にした。

謹直で朴念仁なアルフレドは最初は何とか理由をつけて参加を渋っていたが、
結局は断りきれなかったようだ。

「貴殿が始終張り詰めた空気を周囲に巻くのも如何なものか。
 たまにはご自分の部下と胸襟を開いて語り合うがよかろう」

と、自分もこの愛すべき従士長の背中を押してみたのだ。

宴席では、初めての戦場を終えた反動か、従士の面々が馬鹿騒ぎをした。
殊に直接ゴブリンと刃を交えたボリスとクラエスは、
得意満面にその時の様子を語り、周囲の尊敬を集めている。
多分に誇張と脚色が加えられているのは酒のせいか。
微笑ましい光景に笑みが零れる。

イアンはゴブリンを仕留めた功績を持ち上げられて困惑気味だ。

>「彼の弓がなければ南からの妖魔を留め切れなかったでしょう」

そして寡黙で虚飾の無いアルフレドのお墨付きを貰ってしまったので、
更に箔がつく事となった。

「間違いないですな。
 イアン氏が妖魔の手勢に手痛い打撃を加えていたからこそ、
 ワシも迷う事無く食人鬼と鉾を交える事が出来たのです―――」

自分も急に悪戯心が沸き、アルフレドの言葉に追従する。
なあに、少しばかり盛った所で、変わりはあるまい...

「さて」

宴の頃合を見計らって、リュートを構える。
翼の妖精ジュリアンのリュートは、今夜も美しい音色を奏でてくれる。

「吟遊詩人の端くれたるガラフが、今宵は一曲仕る。
 紡いだるは、或る妖魔の王と勇者の勲し...」

自作の曲の演奏を始める。
先日のマルドルの話に閃きを得て作ったものだ。
さて、聴衆の反応はどうだろうか?

"今は昔、妖魔に一人の王有り。

 天に木霊し、地に響きたる、その名はロプト。

 王は智恵持ち、兵を率いて猛々しく戦う "

"今は昔、人にも一人の勇者有り。

 森に木霊し、海に響きたる、その名はマルドル。

 勇者は剣持ち、精霊を従え凛々しく戦う――― "

===================================

PLより:〆の投稿その2。ハルストレーム最後の夜。

     >LINTSさん

     ロプトのくだりが気に入ってしまったので、それを基にして、    
     勝手に歌のレパートリー作ってしまいました!
     何卒お許しを!m(_ _)m

     以下に演奏及び歌唱の判定結果を添付します。
     なかなか上手く行ったようですね!

ガラフ@テッピン : <楽器演奏>! 2D6 → 3 + 6 + (5) = 14
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : <歌唱>! 2D6 → 4 + 4 + (7) = 15
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : 吟遊詩人の面目躍如!(嬉)  

クーフェリアス(ラグランジュ) 2011.11.06 [23:59]

「私にも教えてもらってもいいですか?

 やはりこういう場所で活動することも多いですし、そのための技術は覚えておきたい」

 

ガラフがイアンから野伏の技を師事していると聞きイアンにそう申し出る。

初歩的な部分しか教えられないと言う事だが経験がものをいう技術のため

独学で学ぶよりは少しでも覚えのある者から教わったほうがいいだろう。

 

「しかし聞きましたよ、ゴブリンを一撃で仕留めたんですって?

 助けに来たかと思ったらどうもこっちが助けられたみたいですね」

 

本来助けるべきはずの相手に助けられるとは思っていなかった。

多少の気恥ずかしさから痒くもない頭を人差し指で掻く。

 

「今回の事で思い知ったけど、貴族らしくというのもそう簡単じゃないなぁ」

 

つい本音が小さい声ではあるがため息混じりで漏れてしまう。

 

                          ***

 

その後、アンセルムに戻りフリクセル邸で報告を行う。

 

>「あなた方が望まれるのであれば、武具を扱う職人に紹介状をしたためることもできます。
> もしそういったものを望まれるのであれば、遠慮なく仰ってください」

 

「武具、ですか」

 

新しい武具は嬉しいがいかんせん始めたばかりの冒険者稼業で

収入に繋がったのは今回が初めてだ。

憧れの剣や鎧は欲しいがとても手が出ない。

 

「んー、となると...弓かな?」

 

いざという時のためにダーツは買ってあるが今回のような野外が主な戦場では

射程が短すぎるしほぼ活躍の場はない。

どちらにしてもいずれ必要だと考えていた武器ではある。

ここで高品質な弓が手に入るのであれば願ったり叶ったりというものだ。

 

「では早速ですが紹介状をお願いします。」

 

フリクセル氏に弓職人の紹介状を頼む。

 

>「さて、お願いした件はこれで落着しました。
> もしよろしければ、食事など用意させましょう。
> いただいた報告は報告として、村の様子など、少し聞かせていただきたく思うのですが」

 

「それはありがたい、ぜひご馳走に与らせて頂きます。

 その礼になるのであれば好きなだけ話をさせて頂きましょう」

 

-------------------------------

PLより

レンジャー技能取得を目指しイアンに師事を仰ぎます。

雰囲気だけのものなんであとで自分で訓練したと言う事にしておきます。

それと高品質のロングボウ必要筋力15(-3)を買おうかと。

 

レンジャー技能と飛び道具って大事ですね(笑)

ガラフ(テッピン) 2011.11.06 [23:50]

>「野伏の技、っつっても、その」

>「俺、猟師なんで、冒険のお役に立つかどうか」

>「でもまあ、さわりくらいなら」

イアンは村の猟師であって、野伏ではない。

「構わん、それでも貴殿から教わりたいのだ。お願い出来ますかな?」

イアンから教えを乞うのは、今回の依頼が記憶から薄れてしまう前に、
自分の中にはっきりと刻み付けておきたかたったからだ。
仲間に甘えて野外での技術を学ばなかった己の怠惰への戒めとして...

イアンは技術そのものは教えてはくれなかったが、
野外での活動における訓練の仕方を教えてくれた。
手短ではあるが、要点を抑えた指導は分かり易い。

>「俺はまだまだだ、って親父によく言われるんです」

だから親父が元気になったらまた鍛えてもらわないと、とイアンは苦笑する。

「父君という素晴らしい師父に恵まれたのは幸いな事じゃ。
 今後も研鑽を重ねられるとよかろう...
 星王は勤勉な者に厚い加護をくださりますでな」

この純真で真っ直ぐな青年の未来に祝福があらん事を。

>「親父のこと、ほんとうに、ありがとうございました」

「父君が完全に快復する迄、いま少しの時間を必要とするじゃろう。
 父君を助けてやってくだされ」

イアンの感謝の言葉に印を切り、返事をする。

「こちらこそ、色々と教えて頂き感謝しておりますぞ。
 貴殿とご家族にラーダの祝福があらん事を」

訓練の方法は教わった。後は自分で研ぎ澄まし、磨くだけだ...

===================================

PLより:〆の投稿その1。イアンとのやり取り。

 

GM(Lain) 2011.11.06 [03:12]

「――そうでしたか。
 上位種のみならずオーガーまでとは」

 冒険者たちの報告を聞き、エリクセンからの書状を読んだフリクセルはそう呟いた。

 束の間彼の顔に浮かんだ考え込むような表情はすぐに消え、彼は傍らに控える使用人に何事かを耳打ちする。

「そのような難敵からハルストレームを守り抜いていただいたこと、改めてお礼を言わねばなりません。
 警戒の強化の件もまったく尤もなお話です。
 できうる限りにおいて、防備は強化することになりましょう」

 しかしそれはそれとして、と彼は続ける。

「いささか無理をしていただいたようで心苦しくはありますね。
 妖魔退治の筈がオーガーまで出てきたとあっては――。
 報酬は些少ながら上乗せさせていただきましょう。
 こういった形でしか謝意を表せないことは申し訳なく思いますが、どうかお受け取りいただきたいのです」

 ああ、となにかを思い出したように付け加えた。

「あなた方が望まれるのであれば、武具を扱う職人に紹介状をしたためることもできます。
 もしそういったものを望まれるのであれば、遠慮なく仰ってください」

 報酬を確認するのであれば、ひとりあたり金貨で15枚、と答えが返ってくるだろう。
 紹介状の宛先は、オランにある、堅実な仕事をすることで知られた職人の工房だ。

「さて、お願いした件はこれで落着しました。
 もしよろしければ、食事など用意させましょう。
 いただいた報告は報告として、村の様子など、少し聞かせていただきたく思うのですが」

 いかがでしょう、と問い、フリクセルは痩せた顔に穏やかな笑みを浮かべた。

-------------------------------------------------------
■GMから

 この記事への返信は、「160_結末」カテゴリにチェックを入れて投稿してください。

 おつかれさまでした!
 期限いっぱいまで引っ張ってしまいましたがシナリオはこれにて〆といたします。

 いましばらくはアカウントを有効としておきますので、〆レスなりご感想なりいただければと思います。


>みなさま

 経験点および報酬を次のとおり配布いたします。

◆経験点

 マルドル:1243点
 ガラフ:1243点
 チルグラ:1043点
 クーフェリアス:1043点
 ラッシュ:1043点
 リュエン:500点

 1ゾロ分は各自足しておいてください。自己申告です。


◆報酬

 各自に750ガメル。
 リュエンを除く全員に高品質または銀製武具の購入権(後述)。

 ・高品質/銀製武具の購入権

  高品質武具(必要筋力-3まで)
  銀製武具(通常品質)

  上記のうち任意のもの1点を購入可能。
  購入には別途所定の金額が必要なので注意すること。
  銀製の矢または太矢は1ダース50ガメルとし、1ダース1点として扱う。

  購入の権利はこのシナリオ内でのみ有効。
  購入の権利は譲渡・売却不可。

  購入する物品は本編またはPL相談所に明記すること。


 以上、各参加者への報酬と経験点を確定し、参加者をシナリオから解放いたします。
 2ヶ月間のお付き合い、ありがとうございました!

 なお後日ぼちぼちと感想やネタバレ等投下しようと思います。

 質問ご意見ご感想などあれば皆さんも是非お聞かせくださいませ!

GM(Lain) 2011.11.05 [20:41]

 マルドルの語る妖魔の王、悪魔の物語は、エリクセンにどのように聞こえたのか。
 頷きつつマルドルの話を聞き終えた彼は、最後の一言にだけ問い返した。

>  引き際の鮮やかさなぞ、並の人間では務まるまいよ

「貴公ならば、攻撃を続行させるかね?」

 冗談のような口調ではあるが、目は笑っていない。
 そして、自分ならばどうする、とは言わなかった。

 妖魔王への警戒を怠らぬよう、との言葉には、やや苦い表情を見せる。

「常にそのようにできればよいのだが」

 対処すべき問題は多く、騎士団の戦力は大きくはない。
 ひとつの問題に力を割くということはつまり、どこかを削らねばならないということで――。

「子爵も心苦しく思っておいでなのだ」

 だがまあしかし、と彼は続ける。

「貴公らのような冒険者がいつも招請に応じてくれるのであれば、さほどの心配は要るまいが」

※ ※ ※

「野伏の技、っつっても、その」

 ガラフに頼まれたイアンは困惑顔だ。

 ヨーセフの怪我の経過は順調で、どうにか身体を起こせるようにはなった。
 食事も徐々に摂りはじめているという。

「俺、猟師なんで、冒険のお役に立つかどうか」

 彼らの技量はつまるところ、森から生活の糧を得る、というところに主眼がある。
 いわゆる冒険者としての野外活動の技量とはまた別のものなのだ。

「でもまあ、さわりくらいなら」

 彼らに余暇はない。
 日々の生活、それだけで手一杯になるのがこういった山の暮らしであり、村の暮らしでもある。

 でも妖魔が出てるとなりゃあ、弓だの何だのの手入れくらいしか出来ませんからね、と彼は笑った。

 彼がガラフに教えたのは、野外活動の技そのものではない。
 その鍛え方、修練のしかたであった。

 足跡を読むためにどのような訓練を積めばよいか。
 己の身を隠しながら獲物に近づくには。
 足音を忍ばせて歩くためには。

 そのようなことを、ごく手短にではあったが、イアンは教えてくれた。

「俺はまだまだだ、って親父によく言われるんです」

 だから親父が元気になったらまた鍛えてもらわないと。
 父親に聞かれないようにか、小さくそう言って彼は笑う。

「親父のこと、ほんとうに、ありがとうございました」

※ ※ ※

 明日は冒険者たちが村を出るというその前夜、村では祝宴が開かれた。

 小さな村で、そう余裕のある暮らしでもなく、まして妖魔に襲われ、家畜を奪われてもいる。
 そうではあってもやはり、ひとりの死者もなく妖魔の襲撃を退けた事実は、村にとって祝うべきものであることに変わりはない。

 冒険者と衛兵たちも宴に招かれる。

 アルフレドは最初固辞していたものの是非にと言われて結局折れた。

 冒険者といくらか酒を差し交わし、衛兵にも何杯かを注いでやり、村長と静かに何事かを話し合い、そして誰も気付かぬ間に宴席から姿を消していた。

※ ※ ※

 衛兵たちは初めての戦の緊張から解き放たれたためか、それこそ潰れるまで騒ぎ続けた。
 ボリスとクラエスは妖魔との戦いを(ガラフから見れば少々の誇張を交えて)語り、仲間たちから幾許かの尊敬を得たようだ。
 ボリスは唯一の負傷者とあって、散々に「名誉の負傷」と持ち上げられた末、クラエスに「ばっかおめえ避けるのが下手糞なだけだろが」と容赦なく落とされて沈没した。

 デニス、エルメル、フランツは諸々考えるところがありつつも、「俺らは戦わんで済んでよかった」というところに落ち着いたようだ。
 とはいえ直接干戈を交えなかっただけで、彼らもまた初陣を生き延びたことに変わりはない。

 全員が無事であったことの喜びは何物にも代え難く、彼らは酒とともにその感情に酔っていた様子ではある。

※ ※ ※

 イアンにとっては、少なからず戸惑うところの多い宴席となった。

 クルトがイアンを村を救った射手と持ち上げ、いやそんなと慌てるところへアルフレドが放った一言が事態を決定付けた。

「彼の弓がなければ南からの妖魔を留め切れなかったでしょう」

 それはまったくの事実であり、また陣頭に立った従士長が吐いた言葉とあって、村人には殊更に響いたようだ。

 つい数日前までどうということのない狩人の息子であったイアンは、かくして村を救った弓の名手となった。

 あちらこちらで話をせがまれ、あるいはうちの婿に来いと迫られ、よせよせと止めに入る村人がいることに安堵すれば次の瞬間にはうちの娘のほうが器量良しだと断言されてふたたび慌てる。

 慌てるだけ慌てた態で冒険者たちに助け舟を乞うような視線を送った。

 彼が結局のところどうなったかは――ひとまず、潰れるまで飲まされたことだけは確実なのだが。

※ ※ ※

 さらに一夜明けた朝。

 出立する冒険者たちを、少なからぬ数の村人が見送りに出た。
 口々に礼を述べ、道中の無事を祈る。

 幾人かはこう言った――何もないところだけれど、是非また来てほしい。俺たちはいつでも歓迎する。

 エリクセンは冒険者たちに書状を手渡した。

「わが主君、アンセルム子爵にこれをお渡しいただきたい」

 何かと問われれば彼はこう答える。

「我ら騎士団に防衛の任を引き継いだ、との報告の書状だ。
 無論、貴公らから聞き、この目で見た貴公らの戦果も記してある」

「我らは今しばらくこの村に逗留する。
 残党の襲撃が無いとは断言できぬし、村を立て直す道筋なりとつけておかねばならん」

 であるからここでお別れだ、とエリクセンは言った。

「再び会うことがあるかどうか解らないが――いや、貴公らと会うとなれば領内でなにかあったということに他なるまい。
 ここは会わずに済むことを願うべきなのだが、敢えてこう言わせて貰おう。
 またお会いしよう、どうかそれまでつつがなく過ごされるように」

 エリクセンが剣を抜き、身体の正面に垂直に立てる――敬礼だ。
 集まっていた騎士団の従兵たちも、一斉にこれに倣った。

 冒険者たちは、村人の歓呼と騎士・従兵の敬礼に送られて帰途についた。
 帰り道は急ぐほどのこともない。アンセルムまでは1日半の道程だ。

 夜の強行軍とて景色を見ることもなかった往路ではあるが、帰路はそんな余裕も少しは持つことができるだろうか。

-------------------------------------------------------
■GMから

 この記事への返信は「160_結末」カテゴリにチェックを入れて投稿してください。

 エピローグその2です。
 完全に後日談的ななにかでございますので適当に返信をどうぞ!


>テッピンさん

 レンジャーとハンターは技能の内容的に被る部分も多いのですが、完全に別物です。
 生活の手段と冒険の手段の違い、ということでご理解ください。

 とはいえ何もなしというのもアレですので、ハンターとしての訓練のやり方を、そのさわりだけ教わったということにしておきましょう。
 あとは自分でアレンジして練習してくださいねー。

 なお一行でご質問のありました熊の毛皮ですが、売れるものはありません
 基本的に熊は危ないので積極的には狩らないということと、偶発的に狩った場合は真っ先に自分たちで利用する、というあたりが理由です(熊の毛皮って猟師にとってはわかりやすく箔がつきますよね!)。

 こちらもあわせてご了承くださいませ!

ラッシュ(夏季ごおり) 2011.11.03 [23:22]

「すまねぇ。逃がしちまったぜ・・・。」

 防衛が請け負った任務とはいえ、目の前でみすみす逃がしてしまったことに悔恨の念はある。

「しっかし、どれだけの戦力を持って嫌がったんだ・・・。」

 ゴブリン王だけじゃなく、その後ろに黒幕がいたんじゃないか? そんな気がした。

「人的被害がなくて何よりだったな・・・。」

 あれだけの戦力があったのでは、ねぐらを見つけたとしても手出しは出来なかったかもしれない。

ならば、調査よりももっと他の事をしていれば、あるいは村人にもっと協力を頼んでおけば、もっと戦局は優位になったかもしれない。

例えば、弓矢や投石器をかき集めるとか、作ってもらうとか、そういうことだ。

「ったく。自分の先見のなさにイライラするぜ。

今さら言ってもしょうがネェ事だけどよ・・・。」

 後悔先に立たず、ってヤツだ。

俺は借り物のメイスを門に立てかけ、地面に突き刺しておいたロング・スピアを手に取った。

>「寛容たる星王ラーダよ。
>敬虔たる貴方の信徒が、この様な蛮行に身を染める事をお許しください...」

 ガラフが祈りの言葉を口にする。

そろそろ"後始末"の時間だった。

「というわけだ・・・。

悪いが、死んでくれや。」

 祈りの言葉を俺なりに意訳して、告げる。

妖魔に共通語がキチンと通じたかどうかは分らないが・・・。

「あばよ! 恨むなら、あんたらの王を恨みな。」

俺は、槍を迷うことなく突き刺して回った。

 

 

 

ガラフ(テッピン) 2011.11.03 [12:00]

長い夜は終わり、ハルストレームの村を朝日が包む。
あれだけの激闘を繰り広げたのにも関わらず、
人的被害が一切無いのは僥倖であろう。
ボリスがゴブリンとの戦いで負傷した位、後は何人かが転んだだけだ。
ボリスにだけ<癒し>の奇跡を使用する。
一方、物的被害はと言えば、南門が食人鬼によって盛大に壊されたのがあるが、
日中に男手を集めればすぐに修復は完了する事だろう。

生き残った妖魔共は皆捕縛した。
生かしておいても群れに合流し、再び村の脅威になるのは目に見えていた。
止めを刺す、しか無い。

「寛容たる星王ラーダよ。
 敬虔たる貴方の信徒が、この様な蛮行に身を染める事をお許しください...」

***********************************

そして3日後。
待ち望んでいた援軍が到着した。
援軍を率いて来た騎士の名はエリクソンと名乗った。
先日の襲撃の詳細と顛末について報告をすると、
エリクソンは早速明朝の山狩りを決定する。

「宜しくお願い致します、騎士殿よ。
 残念な事に我々には野伏の技術を持つ者がおらぬ故...」

自分の中で、今まで仲間に甘えて頼りきっていた部分が露呈した形となった。
この苦い教訓を活かし、歯がゆい思いをしなくて済むよう精進しなくては...

***********************************

ヨーゼフの予後を診る事も兼ねて、イアンの元を尋ねる。
調子を尋ね、雑談を交わしながら、経過が順調な事に安堵する。
頃合を計って、話を切り出す。

「イアン氏よ。お手隙の時で構わないので、貴殿の持つ野伏の技を、
 ワシに教えて頂けますかな?」

===================================

PLより:フレーバー日記。
     イアンの元を訪れ、ヨーゼフの経過を診せて貰いつつ、
     イアンに「レンジャー教えてくれる?」とお願いします。
     フラグ立てフラグ立て!

【追記】

     せっかくなのでボリスへのキュア発動ダイスを振ってみたので
     以下に結果を添付します。

     ...何 故 今 6 ゾ ロ ! ?

ガラフ@テッピン : 忘れてました。ボリスにキュアーウーンズ発動。 2D6 → 2 + 6 = 8
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : 発動。回復量決定。 12 = 7 (6 + 6 = 12) + 【5】 キーNo. : 10
--------------------------------------------------------------------------------
ガラフ@テッピン : ソ・コ・ジャ・ナ・イ!!

マルドル(LINTS) 2011.11.03 [10:59]

戦いの夜は明け。

私達の仕事は、ひとまず終わった。
仲間達は誰も死なず、村人達からも犠牲は出なかった。
もっとも(後で聞いたが)、村人達がパニックを起こしかけたという話には肝が冷えた。
一歩間違えれば、あるいは妖魔王の撤退があと一歩遅ければ。
村は内部から崩壊していたかもしれない。
本当に、紙一重の勝利だった。


その後は壊れた南門の修理と平行して、我々の警戒の日々が続いた。
妖魔たちが再び姿を現すかもしれない――

緊張の糸を、ようやく緩めることができたのは三日後。
子爵殿が遣わした騎士の一団が、村へ到着してのこと。

騎士団長へことの仔細を報告し、村の警護を引き継ぐ段になり。
私達もようやくほっと息をつけたのだった。




「まるで"ロプト"のようだった」

皆と山狩りへ赴いた際、騎士団長エリクセン殿へ
ふと、そんなふうに話す。
"ロプト"とは何かと問われれば、

「遠い昔、祖母から聞いたおとぎ話に登場した悪魔の名でな。
 妖魔を率い、知恵と武力で人々を恐怖に陥れたというのだ。
 最後は、勇者との一騎打ちで死に果てたと謳われたが...
 その印象に、あの妖魔王は似ていてな」

とんだ昔語りを聞かせてしまった、すまぬと苦笑する。
しかし、正直心から笑えぬのだ。

「確かに、妖魔王の知力は人間並みとは言われるが。
 あの統率力、あの判断力――あの妖魔王は別格だ。
 正直、どこぞの人間かダークエルフが
 呪文で姿を変えただけと言われるほうがしっくりくる。
 引き際の鮮やかさなぞ、並の人間では務まるまいよ」

あの時、力づくで村を壊滅させることもできたのだからな――。


もぬけの殻となった住処を確認し、
村へ戻ったエリクセン殿は、こう言った。


 >「同じ規模に戻るには、少なくとも数ヶ月を要するだろう」

 >「別の同族集団を吸収できれば、の話だ。
  しばらくはそれも難しかろう」

...と。

あの規模に戻るには、少なくとも数ヶ月。
それが長いのか短いのかは、私には分からぬ。
しかし、打てぬ手は無いのも事実だ。

「エリクセン殿。私はオランへ戻ったら子爵殿に提言しようと思う。
 あの妖魔王への警戒を怠らぬようにと。
 出来れば、周辺の領主殿とも連携し、ふれを出して、
 何かあればすぐに対処できるよう手段を講じて欲しいと...な」

自分の不始末を押し付けるようでいささか歯がゆいが、
後はあの聡明な子爵殿に任せるほうが賢明だとも思える。


あの夜、私は妖魔王をしとめ損ねた。
大きな傷を負わせはしたものの、王の背は闇に消えた。

野放しにたままでは危険だと分かっていながら、
取り逃がしてしまったのだ。

これも自分の未熟からきたもの。
悔やんだところで時は戻らない。

それよりも。

南門のオーガーは、アルフレドとガラフ達によって倒された。
ゴブリンの足を止めたリュエンとクーフェリアス、
ホブゴブリンを一騎打ちの末退けたラッシュ、
魔法で敵を眠らせ続けてくれたチルグラ、
弓や槍で、妖魔たちを撃退した衛視や狩人達――。

誰か一人欠けても、この戦いを勝ち抜くことも
パニックを起こしかけた村人を鎮めることも叶わなかっただろう。

「誰も死なずにいてくれて、本当に良かった。
 私の力が、誰かの死を食い止める小さな盾になれたのなら。
 それが、私にとっての最大の報酬なのだろう」

そう言って、やっと心から笑った。


PL>
ほぼフレーバー日記ですだよ。
妖魔王に『ロプト』って名前をつけたくて
マルドルが子供の頃に聞いたお伽話って設定をでっちあげましたw
ゴブリンごときに大それた名前だけど、
そんだけインパクトがあったってことで!
勝手に読んでるだけです、スルー推奨でよろしくーw

GM(Lain) 2011.11.02 [01:08]

 村人たちの壊走はしばらくの間続いた。

 閂のかけられた街道の北門でさらに一騒動が生じはしたが、ここでも怪我人は軽傷者が数人出た程度で、大事には至らなかった。
 焦る村人たちが我先にと橋を渡り始めた頃合で誰かが衛兵と冒険者の声に気付く。

 妖魔が逃げ出したとの報に、騒乱は呆気なく沈静化した。

 ほどなく人々は家に戻り、あるいはことの顛末を見届けようと広場へ、そして防柵の近辺へと集まってくる。
 防柵に近づく村人は、衛兵たちが危険です戻ってくださいと追い払った。
 さらに敢えて危険に近付こうという蛮勇の持ち主はおらず(なにせ先ほどオーガーの姿と破壊力を目の当たりにしたばかりなのだ)、やがて村はざわつきながらも一定の静穏を取り戻した。

※ ※ ※

 村の北西、広い範囲にわたった戦場から、どうにか逃げ出したのは妖魔どもの半分に満たぬ数に過ぎない。

 数多くの妖魔どもが眠ったまま捕らえられ、あるいは気を失って引き立てられ、またあるいは死体として回収された。

 村人に引き渡すにせよ冒険者たちが始末をつけるにせよ、彼らを待ち受ける運命はひとつしかない。
 殺して生き延びるか、殺されて喰われるか――人間と妖魔の関係は行き着くところそのようなものだ。

 まして言葉も通じぬとあっては引き出せる情報もなく、ゆえに早々に殺すほかはない。

※ ※ ※

 もう一方の戦場、すなわち南門では、オーガーが最後まで抵抗を続けた。
 巨躯とそれに見劣りせぬ膂力をもって暴れるオーガーは危険な存在ではあるが、数に勝り、また知能に勝る戦い慣れた人間の集団に勝てるものではない。

 やがて彼もまた打ち倒され、止めを刺された。

 南門の外には、2匹のゴブリンが転がっている――いずれも狩人が仕留めたものだ。
 クルトは、ヨーセフでもああはできなかっただろうとイアンの腕前を讃えた。

※ ※ ※

 怪我人の治療を終え、血腥い後始末を終え、川の水で武器を洗う頃には、うっすらと東の空が茜色に染まり始める。

 やがて陽が昇り、凄惨な戦場のすがたを露わにしてみせることだろう。

 妖魔側の損害はオーガーのほか、ホブゴブリン1、ゴブリン7、コボルド4。
 襲来した妖魔のうち、6割以上がここで討ち果たされたことになる。

 ことにオーガーが倒されたことは、群れの戦力にとって大きな打撃となるだろう。

 他方、村の損害は、門が破壊されたことのほか、軽傷者が数名生じたのみ。
 冒険者と衛兵まで含めてみても、ボリスの負傷が妖魔の与えた損害らしい損害としては唯一のものだ。

 攻防戦は、人間たちの、鮮やかではなくとも明らかな勝利に終わったと言ってよい。

※ ※ ※

 3日後の夜になって、騎士の率いる一団が村に到着した。

 騎士はエリクセンと名乗り、冒険者たちから詳細な戦況を聞いた。
 妖魔どもの戦力の大きさと統率に驚き、それに比した損害の少なさにふたたび驚く。

「明朝から山狩りを行おう。
 こういったことに些か心得のある兵を連れてきている」

 彼はそう結論した。

「村の防衛はまさしく貴公らの勲功、妖魔どもも過半を討ち果たされてはもはや我らに抗する術もなかろう。
 討伐の功を我らのみが得るは騎士道に悖る」

 望むならば同道し、ともに妖魔を刈り取るというのはどうか、と提案する。

「もっとも」

 彼は続ける。

「貴公らの言うような知恵のある妖魔であれば、雲を霞と逃げ去っているだろうが」

※ ※ ※

 はたしてエリクセンの予測は正しかった。

 冒険者たちが同行するのであれば、もぬけのからとなった宿営地――巣、というよりはそのような様相であった――を目にすることになるだろう。

 小さな洞窟とその周囲の森を利用して作られたそこは、妖魔どもにとっても住み心地のよい場所とは思えず、ゆえに定住地を持たない小集団か、でなければ版図の拡張を狙っての仮住まいと推測された。

 騎士団はそれ以上の追跡を断念した――ひとまずは撃退し、当面の安全を確保したことでよしとする、という判断を下したのだ。
 実際のところ本格的な追跡には準備が足りず、時間としても3日間の差は急峻なエストンの山中に逃げ込むに充分すぎる時間であった。

「同じ規模に戻るには、少なくとも数ヶ月を要するだろう」

 村に戻ったあとで、エリクセンはそう語る。

「別の同族集団を吸収できれば、の話だ。
 しばらくはそれも難しかろう」

 戦力の過半を喪失することにはそういった意味もある。

「それもこれも貴公らの功績というわけだ」

 そう言って彼はは笑う。
 陰のない笑みだった。

-------------------------------------------------------
■GMから

 この記事への返信は「160_結末」カテゴリにチェックを入れて投稿してください。

 ダイジェストというご意見が大勢でしたのでそのように進めさせていただいております。

 冒険者たちは無事オーガーを打ち倒し、戦闘に勝利しました。
 村人に重傷者は出ておらず、壊されたのは門だけという戦況です。

 本文中でも述べたとおり、勝利と申し上げて差し支えないかと存じます。

 時間については撤収予定日の前日経由で最終日まで飛ばしました。
 途中なにかやりたいこと・話したいことなどあれば遠慮なく差し挟んでください。

 ここまで描写した大筋に反しない限り、だいたいどんなことでもおkです。

 また、戦闘の描写等を付け加えたい場合、このカテゴリでもそれぞれの戦線のカテゴリでも都合のよい方にレスしていただいて構いません。


>みなさま

 このあと1レスか2レスを挟んでアンセルムへ帰還→報酬貰ってシナリオ〆&解放という進行予定です。

 ひとまず明日夜にまた進行はしますが、戦闘というわけでもありませんし、まあ順番の前後などは特に気にせずに好きなように絡んでやってください。

 では、もうあと数日となりますが、最後までお楽しみくださいませ!