敬礼。

ガラフ(テッピン) 2011.11.07 [01:44]

宴が開けた翌朝。
遂にハルストレームを発つ時が来た。
強か酒を呑み過ぎて参っている者も多いが、
敢えて<解毒>の祈りは行使しない事にする。
その身に痛い思いをしてこそ身につく教訓もあろう...

村人達は、仕事の手を休めて別れの挨拶に顔を出してくれた。
思い思いの言葉で感謝の意を述べてくる。
その気持ちだけでも有り難い。

>「わが主君、アンセルム子爵にこれをお渡しいただきたい」

>「我ら騎士団に防衛の任を引き継いだ、との報告の書状だ。
> 無論、貴公らから聞き、この目で見た貴公らの戦果も記してある」

エリクセン卿からフリクセル子爵宛の書状が差し出される。

>「我らは今しばらくこの村に逗留する。
> 残党の襲撃が無いとは断言できぬし、
> 村を立て直す道筋なりとつけておかねばならん」

言わば、残務整理に従事する、と言う事だ。
冒険者である我々には出来ない村の再建作業を託せるのは頼もしい。
其処はやはり正規軍だ。

「確かに、村の再建はエリクセン卿の指揮で行われるのが妥当でありますな。
 これは貴殿にしか為し得ぬ仕事、是非とも宜しくお願いしますぞ」

書状を受け取り、頭を垂れて願う。

>「再び会うことがあるかどうか解らないが――
> いや、貴公らと会うとなれば領内でなにかあったということに他なるまい。
> ここは会わずに済むことを願うべきなのだが、敢えてこう言わせて貰おう。
> またお会いしよう、どうかそれまでつつがなく過ごされるように」

こういうと、エリクセンは剣を抜き、敬礼した。
騎士団の面々もそれに続く。
自分も返礼として、<葬送の斧>を構えて敬礼の姿勢を返した。

「ワシからも言わせて頂こう。
 貴殿らに、ラーダの、いや、光の神々全てのご加護があらん事を。
 それまで壮健であれ」

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PLより:〆の投稿その3。ハルストレーム出発。