その後
ラキアード(はんく) 2012.12.08 [02:32]
22.オランに帰途するまで
ゴブリンどもをやり過ごし、なんとか宿へ戻ることができた。
それからオート殿をベッドに運んで休ませる。
一応、オート殿は癒し手でもあるゆえ、一度休息すれば自らを治すことができる。
テオバルト氏から、改めて妖魔どもの討伐と作成した地図を渡す依頼が出た。
「地図はエリオが作成したものだから、エリオから渡すのがいいだろう。説明もしやすい。
妖魔の方に関しては、自分が引き受けよう。
道案内役は必要だからな。」
とはいえ、具体的な討伐は援軍が来てからのことになりそうだ。
その間は、怪我をしている人の護衛を兼ねて、しばらく滞在する必要もあるだろう。
今回の教訓では、何よりも遠距離や高い場所からの攻撃対策が十分ではなかったということ。
これには飛び道具を用意しておく必要があるだろう。
それから、癒し手は極力危険なことをさせないほうがいいかもしれない。
本人が望んだり、やむを得ない状況では仕方ないが。
そして、いろいろな事柄を済ませたあと、
ようやくブラード経由でオランへ戻る日になった。
「いろいろあったが、とりあえず生きて戻ることはできた。
借り貸しは気にしなくてもいい。
お互いできる範囲で必要なことを協力してすることだからな。
それでも、また一緒になる機会があればともに助け合えばいい。
またどこかで会おう。」
傭兵や護衛の仕事は何度かこなしたことがあるが、
冒険者稼業もいい経験を積むことができた。
しばらくこちらにもやってみようかと思う。
PL:
いろいろとありましたが、ともかく生還したということで、
まだ先はあるということですね。
評価ですが、8点ということで。
やはりクエスト失敗ということと、思ったより活動できなかったことですね。
まあダイス運もありますので、なかなかうまくいかない場合もありますからね。
では経験点は1ゾロ2回分を加算で、620点
報酬300ガメルをもらいます。
皆様おつかれさまでした。
オート(スキュラ) 2012.12.07 [21:01]
「すまん!私のミスだ」
夕闇迫る街道で目を覚ました時。すでに全ては終わっていた。
いや、二人若者達が終わらせてくれていたのだ。
果敢に戦い、私を担いでくれた二人が居なければ、今頃私は・・・
「とにかく傷を見よう。
エリオ君、こっちに」
落ち着いて見て初めて、エリオ君の怪我の深さに気付く。
妖魔共は石を投げて我々をいたぶったという。
だが私の体に打たれた痕はない。
全て二人が・・・特に、三人の中でも一番小さなエリオ君が、
私に向けられるべき多くの石弾を引き受けてくれたのだ。
少年の口角にこびりついた、流血の跡・・・だがなぜだか、
その血を見ても私の心は、罪悪感で埋め尽くされるのではなかった。
「・・・うん。
男の顔になったな、エリオ」
線の細い優しげな、ともすれば華奢な印象すら受けた少年の顔は、
僅かな時の間に一人前の戦士の貌を浮かべるようになっていた。
仲間を守り、敵に立ち向かった者だけが持つ、秘められた強さ・・・
守られてばかりの私が如何に焦がれようとも手に入れられぬ、
『勇者の証』である・・・といっては言い過ぎだろうか?
まぁ、守られた側からの感謝と尊敬の念であると見逃していただきたい。
「借りが一つできたようだ。
魔法使いの助けが入用なら、いつでも声をかけてくれ」
機会あらば、私も彼の勇気に応えたい。
そう、思ったのだった。
────────────────────────────────
>「いつか、また。いろいろ教えて下さいね」
「ふふ、君と仕事ができるのなら光栄だ。
・・・また会おう」
街道を往くエリオを見送り、次は私だ。
約束の日付はとっくに過ぎているが、それでもまずはブラード市街を目指す事にする。
素通りしてオランに向かって、万が一ツバメがブラードに残っていたらまずい。
護衛組が仕事を遅れて、今もブラードに・・・なんて事は、
チラリとも思い浮かばなかった。
「その大剣が唸る所を見たかったよ、ラキアード。
次は是非、戦いの場で」
依頼を果たせず山を降りる私だが、その心情は悪いモノではなかった。
寒さ迫るも、どこか明るい秋晴れの空に似て・・・
それはきっと、洋々たる前途の少年たちと出会うことが出来たからなのだ。
こんな敗北なら、まぁたまには、な。
.
.
.
.
「はあああああ・・・」
あの日、転がり落ちてぶつけた後ろ頭は、
案外大きな傷となり。
「このハゲさえ無ければなぁ・・・
ぐぬぬ」
あろうことか、もろともに私の髪の毛までさらって行ってしまった。
手鏡に映る私の後頭部には、ガメル銀貨大のむき出しの地肌が・・・!!
「『天然に非ず』とか、看板でも出そうかね?」
違ーう!
ハゲではなーい!
怪我でこうなっただけだー!!
『名誉の負傷』と言えぬのが(戦闘前に転んだだけ!)一層痛い
三十路前の挽歌なのであった。
トホホ・・・
────────────────────────────────
-PLスキュラより-
これにてプレイを終了。
オートはブラードへ向かい、何事もなければ一人でオランに帰るでしょう。
何事もなければ・・・|д゚)チラッ
報酬:300
経験点:700(PTボーナス含む)
GM評価:10
以上のように精算いたします。
1ゾロ分は呪わしいので不要!
窓から投げ捨てろー!!
※追記!
エリオ君にキュア・ウーンズ!あと自分にも
* スキュラ@オートさんが入室しました。
16:08:23 スキュラ@オート エリオ君にキュア 発動 2d6 回復量 R10+3 Dice:2D6[5,1]=6
16:08:40 スキュラ@オート 回復量 R10+3 Dice:R10[1,5:3]+3=6
16:08:54 スキュラ@オート もう一度回復 2d6 Dice:2D6[5,6]=11
16:09:03 スキュラ@オート 回復量 R10+3 Dice:R10[4,3:3]+3=6
16:09:23 スキュラ@オート 自分も回復 2d6 Dice:2D6[4,6]=10
16:09:27 スキュラ@オート R10+3 Dice:R10[1,6:3]+3=6
* スキュラ@オートさんが退出しました。
エリオ(だんがん) 2012.12.06 [16:01]
長靴の紐を結ぶと、ゆっくり立ち上がります。あの敗北の日から数日が経ち。
妖魔の掃討、作業の人足への引継ぎを終えた僕らは、別れの日を迎えていました。
「僕はオランに帰ります」
ラキアードさんとオートさん。
長いような短いような時間、命を預け合ったお二人にそう告げます。
「いつか、また。いろいろ教えて下さいね」
さよならではなく。再会を願う言葉を。
今回の仕事では貴重なことをたくさん学ぶことができました。
同時に、自分の未熟さを痛いほど知りました。
もう二度と大切なものを失わないために、己を磨き、知識を以て険しい道を切り開かねばなりません。
一刻も早く学院の図書館で研鑽を積みたいものです。
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みなさま、おつかれさまでした。
ハッピーエンドとはいきませんでしたが、命あっての物種ですよね...とりあえずみんなで生き延びられて良かった。
お別れの描写は、あとのお二人が書きやすいように軽めにしておきます。
まずは少しだけお詫びを。
仕事の都合で書き込みが度々遅れ、申し訳ありませんでした。
見通しが甘かったことを反省しております。
経験点は1ゾロ2回分を足して計620点、報酬は300ガメルいただきました。
さて。
最後の一戦については「手加減プリーズ!」と半泣き状態でしたが、これも冒険者らしいリアルでシビアな展開ということでGM様への評価は10段階中の10です。
あの展開でよく死人が出なかったな、と...感服しております。楽しかったです。
まったく余談なのですが、エリオは、これからは妖魔に対して全力で敵対するという設定を追加しました。
『らしい』展開になった今回のセッションにプレイヤーは(変な話ですが)感謝しております。
戦闘シーンでは背景設定を生かせる展開もあり、とてもオイシかったです^^
あと、まったくの偶然なのですが、エレアノールさんと装備とか技能とかが似ていてびっくりしました。
もちろん強さはまったく違いますけど^^;
最後に。
みなさま、本当にお世話になりました。
また一緒に冒険していただけたら幸いです!
短い間でしたが、ありがとうございました。
GM(Lain) 2012.12.06 [02:05]
荷馬が倒れると、妖魔どもは斜面の向こうへ姿を消した。だが、耳を澄ませば、それが一時のことだとわかるだろう。
下草を掻き分け、枝を踏み折る足音。
時折混じる、聞きなれぬ言葉らしきもの。
癇に障る笑い声。
オートを背負ったラキアードの声を合図に、ふたりは走り出した。
いい加減離れた頃合で後ろから妖魔どもの叫び声が聞こえた。
だが、もう距離は相当に離れている。
妖魔どもがその距離をわざわざ追ってくるとは考えにくく、また追ってきたにせよ逃げ切れる程度の距離は稼いでいる。
充分に距離を稼いだところで、オートは手当を施された。
応急の施療であるゆえ、とりあえず意識を取り戻し、どうにか己の足で歩ける程度にまでしか回復させることはできない。
だが、宿に戻るなり、奇跡を願うなりすればより十全に近い治癒が期待できることだろう。
※ ※ ※
手当を終えて一旦宿へ引き揚げるにせよ、その場からそのままであるにせよ、冒険者たちは現場へと戻ることになるだろう。
成功にせよ失敗にせよ、現場の状況を確認せねばならないということに変わりはないからだ。
そして現場を一目見れば、依頼人に期待された期限で仕事を完遂させることは不可能と理解できることだろう。
馬は大量の血痕を残して消えている。
残された血痕から察するに、妖魔どもはこの場で馬を荒っぽく解体したということだろう。
荷馬車は、積んであった荷ごと川へと突き落とされていた。
落とす前に荷物を漁ったのだろう、杭やロープの断片が街道上と、そして川へ落ち込む急斜面に散らばっている。
荷馬車そのものは、半ば壊れた状態で岸に引っ掛かり、濁流に洗われている。
おそらく、そう長い時間経たずに、ばらばらになって川の流れに呑み込まれると予想がついた。
依頼された作業には、多くの資材が必要であり、そしてそれら資材の運搬手段もまた不可欠であった。
馬と荷車を失い、大量の杭とロープをあらかた失い、そして山にはまだ妖魔どもが残っている。
一週間の期日にはまだ日があるが、妖魔を片付けねばその先の作業はおぼつかず、そして作業のための資材は期日までには手に入らない。
宿で事情を聞いたテオバルトは、よりによってこんなときに妖魔が、と肩を落とした。
「しかし、まあ、お三方ともどうにか戻ってこられたことは幸いでした」
気を取り直すようにそう言い、命あっての物種ですからね、と笑う。
「お約束の報酬はお支払いできませんが――」
少し考えて、彼は言葉を続けた。
「絵図はもう完成させておられるとか。
であれば、その絵図を1枚200ガメルで引き取らせていただきましょう」
加えて冒険者たちは、ふたつの仕事を提示される。
ひとつ、妖魔どもの掃討もしくは撃退。
ひとつ、完成させた絵図のうち1枚をブラード側から上ってくるであろう人足たちに届けること。
さしたる報酬は用意できませんが、というテオバルトの言葉のとおり、報酬の大半はオランまでの旅費に消えることだろう。
絵図の代金の600ガメルと合わせて、しめて900ガメルほどが冒険者たちの取り分、というところだ。
まあ、それでも、失敗した仕事であると考えるならば、命のほかに報酬があることを幸運に思うべきであるのかもしれないが。
※ ※ ※
その後のことについて、語るべきことは多くない。
妖魔どもはあっさりと掃討された――そもそもが正面から当たれば負けるような相手ではない。
前回の勝利に驕った妖魔どもは、冒険者たちが充分にその実力を発揮できる状況で接触した、その時点で既に負けていた。
魔法に支援された強力な戦士に、ただ数のみを恃む妖魔が勝てる道理もない。
散り散りに逃げる妖魔を一匹二匹取り逃がしたとしても、彼らは少なくとも当面の間、街道近辺に姿を現そうとは思わないだろう。
ひとまず作業の安全を確保し、崩れた土砂の上を渡って人足に絵図を届け、一言二言の補足をする。
そこまでを済ませた時点で、すでに約束の1週間は過ぎ去っていた。
長雨と仕事と、そして仕事の思わぬ失敗から足止めされた峠は、一段と秋の気配を深くしている。
葉を落とし始めた森の中の峠道を、冒険者たちは下ってゆくことだろう。
再会を約したもう一組の冒険者たちと、ブラードで会うことは叶わないかもしれない。
だが、お互い稼業を同じくする者であれば、いつか会うこともあるだろう。
生きている限り敗者ではない、という言葉が正しいのだとすれば、どこかで負けない限り、その機会は巡ってくる筈だ。
それがオランでのことになるか、それともどこか別の街であるか、今は解らないけれど。
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■GMから
おつかれさまでした!
先日の宣言のとおり、調査組は失敗扱いでシナリオを終了であります。
本編へのGMの書き込みは基本的にこれで〆となりますが、いただいたレスの内容によっては更にレスを重ねることがあるかもしれません。
■報酬と経験点の配布について
以下のとおり報酬および経験点を配布いたします。
・報酬:各300ガメル
オランへの路銀や食費などについては差し引いた上で、上記の報酬を得ます。
・経験点:各600点
スワローテイル所属のオートには100点が加算されます。
1ゾロ分は各自自己申告で足しておいてください。
■解放について
以下の手続が終了し次第、調査組の参加PCを順次解放いたします。
・最低1レスを本編に入れること
・自PCが得る報酬および収支を確定させること
・経験点および報酬を受領した旨を本編またはPL相談所に記載すること
・GMに対して10段階評価によるセッションの評価を行い、これを本編またはPL相談所に記載すること
以上、よろしくおねがいしまーす!
ネタバレとか感想は明日以降ぼちぼちと書き込む予定でおりますですー。