秋晴れを行く者達

オート(スキュラ) 2012.12.07 [21:01]

「すまん!私のミスだ」


夕闇迫る街道で目を覚ました時。すでに全ては終わっていた。
いや、二人若者達が終わらせてくれていたのだ。
果敢に戦い、私を担いでくれた二人が居なければ、今頃私は・・・


「とにかく傷を見よう。
 エリオ君、こっちに」


落ち着いて見て初めて、エリオ君の怪我の深さに気付く。

妖魔共は石を投げて我々をいたぶったという。
だが私の体に打たれた痕はない。

全て二人が・・・特に、三人の中でも一番小さなエリオ君が、
私に向けられるべき多くの石弾を引き受けてくれたのだ。

少年の口角にこびりついた、流血の跡・・・だがなぜだか、
その血を見ても私の心は、罪悪感で埋め尽くされるのではなかった。


「・・・うん。
 男の顔になったな、エリオ」


線の細い優しげな、ともすれば華奢な印象すら受けた少年の顔は、
僅かな時の間に一人前の戦士の貌を浮かべるようになっていた。
仲間を守り、敵に立ち向かった者だけが持つ、秘められた強さ・・・

守られてばかりの私が如何に焦がれようとも手に入れられぬ、
『勇者の証』である・・・といっては言い過ぎだろうか?
まぁ、守られた側からの感謝と尊敬の念であると見逃していただきたい。


「借りが一つできたようだ。
 魔法使いの助けが入用なら、いつでも声をかけてくれ」


機会あらば、私も彼の勇気に応えたい。
そう、思ったのだった。


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>「いつか、また。いろいろ教えて下さいね」


「ふふ、君と仕事ができるのなら光栄だ。
 ・・・また会おう」


街道を往くエリオを見送り、次は私だ。

約束の日付はとっくに過ぎているが、それでもまずはブラード市街を目指す事にする。
素通りしてオランに向かって、万が一ツバメがブラードに残っていたらまずい。

護衛組が仕事を遅れて、今もブラードに・・・なんて事は、
チラリとも思い浮かばなかった。


「その大剣が唸る所を見たかったよ、ラキアード。
 次は是非、戦いの場で」


依頼を果たせず山を降りる私だが、その心情は悪いモノではなかった。
寒さ迫るも、どこか明るい秋晴れの空に似て・・・

それはきっと、洋々たる前途の少年たちと出会うことが出来たからなのだ。
こんな敗北なら、まぁたまには、な。

.
.
.
.

「はあああああ・・・」


あの日、転がり落ちてぶつけた後ろ頭は、
案外大きな傷となり。


「このハゲさえ無ければなぁ・・・
 ぐぬぬ」


あろうことか、もろともに私の髪の毛までさらって行ってしまった。
手鏡に映る私の後頭部には、ガメル銀貨大のむき出しの地肌が・・・!!


「『天然に非ず』とか、看板でも出そうかね?」


違ーう!
ハゲではなーい!
怪我でこうなっただけだー!!

『名誉の負傷』と言えぬのが(戦闘前に転んだだけ!)一層痛い
三十路前の挽歌なのであった。
トホホ・・・


────────────────────────────────
-PLスキュラより-

これにてプレイを終了。
オートはブラードへ向かい、何事もなければ一人でオランに帰るでしょう。
何事もなければ・・・|д゚)チラッ


報酬:300
経験点:700(PTボーナス含む)
GM評価:10

以上のように精算いたします。
1ゾロ分は呪わしいので不要!
窓から投げ捨てろー!!




※追記!
 エリオ君にキュア・ウーンズ!あと自分にも

* スキュラ@オートさんが入室しました。

16:08:23 スキュラ@オート エリオ君にキュア 発動 2d6 回復量 R10+3 Dice:2D6[5,1]=6

16:08:40 スキュラ@オート 回復量 R10+3 Dice:R10[1,5:3]+3=6

16:08:54 スキュラ@オート もう一度回復 2d6 Dice:2D6[5,6]=11

16:09:03 スキュラ@オート 回復量 R10+3 Dice:R10[4,3:3]+3=6

16:09:23 スキュラ@オート 自分も回復 2d6 Dice:2D6[4,6]=10

16:09:27 スキュラ@オート R10+3 Dice:R10[1,6:3]+3=6

* スキュラ@オートさんが退出しました。