ネタバレとか

GM(Lain) 2012.12.09 [23:00]

■ネタバレ

 お待たせいたしました以下ネタバレであります!


■「ウィルダネス」について

 たぶんここの認識が、GMとPLさんの間でわりと決定的に違ってたんだろうな、と今になって思います。
 気付くの遅いよわたし。

 えー、GMが考える「ウィルダネス」というのが、「周囲の自然環境が場の設定に強く影響を及ぼすものであって、環境からの影響をいかに抑えるか、またはいかに利用するかが問題解決の大きな要因となる」というものだったのです。

 なので、調査組は崖をどう処理するか(与えられた仕事でも、突発的な戦闘においても)がキーとなりましたし、護衛組は野生動物や低温環境をどういなしてゴールまで進むかがキーとなったわけですね。

 野外だからウィルダネス、というわけではなく、野外であるがゆえに生じるさまざまな困難を乗り越える必要があるからウィルダネス、というのがGMの、というよりも今回のシナリオの基本コンセプトでした。
 ここをご理解いただけると、なぜ様々な事情がああなったのか、GMのジャッジがああだったのか、という点の理解の助けになるかと存じます。


■護衛組について

◆難易度設定について

 一部甘すぎたと反省しております(真顔)。

 一度引き返してまだ目が残っている、というのがGM的にはあからさまに見落としでした。
 しかしそこからのリカバリが見事であったというのも事実でして、ここは素直にPLさんのリカバリ能力を称賛すべきところと思います。


◆環境設定について

 だいたいGMとしては、

 ・悪天候で吹き晒しの状況下、一般人なら一晩で死ぬ
 ・同条件では冒険者でも二晩過ごすと危ない

 このくらいの設定のつもりでおりましたので、低体温チェックはだいたいあんなものだと思います。

 引き返さないままだと、ダメージを受けてMPが削れる→HPダメージを回復するためにMPを使う→眠れないのでMPが回復しない というパターンでウードから徐々に削れて死ぬ(もちろんその前にキャロラインが死ぬ)、というよろしくない方向へ入っていく予定でございました。

 ターン4で「そのまま進む」という宣言を聞いた際のGMの恐怖感がご理解いただけたでしょうか。

 「やべえ八甲田山だ

 と、わりとマジで思いました。
 キャロラインが死ぬまでの描写を考え始めていたのはナイショです。


◆ルート選定について

 まあそんなかんじに低体温チェックなど用意していたこともありまして、実はハズレルートは南ルートだったのでした。
 いや完全なハズレというよりは「敵はそこまで強くないけど環境設定が厳しい」という感じです。

 北ルートはクマーが複数出てくるとか、お察しの通り濡れながら渡渉しないといけないとかそんなイベントですね。

 南ルートが厳しい、というのはキャロラインの以下の説明におおむね集約されています。

> 「南側は峠まで登り返したあと、ここのすぐ南、イステル山の尾根筋を通ってくことになる。
>  全行程、だらだらした登りと下りを繰り返す感じね。
>  峠からしばらく上ると草原に出て、この絵図の区間はだいたい草原みたい

 尾根筋、というのはつまり稜線で、横方向に風を遮るものがないことを意味します。
 また、草原に出る、ということは、やはり風を遮ってくれる木がなく、雨宿り等も難しいことを意味します。

 つまり、天候に対するバッファがない、ということですね。

 もちろん、天候に対するバッファがないだけなので、バッファが必要な状況にならなければ大きな問題は生じません。
 ダイスで天候を決めたわけですから、運が良ければそのまま突っ切れた可能性もあります。

 GMが「ミスと不運が重なれば人は死ぬ」と言ったのはここのことで、ミスというのは「準備を整えずにバッファのないルートを選定して突っ込んだこと」、不運は「天候ダイスに恵まれなかったこと」です。


◆望まれた準備について

 ・宿での情報収集 → 限定的、妖魔についてのみ
 ・装備の確認&更新 → まったくなし
 ・依頼人の状況の確認 → まったくなし
 ・その他山に詳しそうな相手からの情報収集 → まったくなし

 だいたいこんなかんじです。

 宿での情報収集はウードが一言二言、主に妖魔について確認していましたが、肝心なルートそのものについての情報収集を行っていません。
 テントがない、毛布が足りないなどの装備の不足も必要になってはじめて確認され、燃やすものも持ってきていない(草原だから薪がないことが意識されていなかった)という状況でした。
 また、依頼人がどの程度悪環境に耐えうるかは全く確認されていません。
 GMは当初の描写で、周辺に狩人や樵の小屋があるという情報を提示していますが、ここから装備や情報を収集するということもありませんでした。

 率直に言って完全な準備不足ですね!


◆狼との戦闘について

 戦闘が避け得たか、避け得ないのであればなにがベストな行動であったか、ということが話題に上がっていましたが、狼さんたちはPCを寝かせないための嫌がらせ要員なので基本的に戦闘は回避できませんでした

 またGMは、エレアノールの行動を「敵から主導権を奪い返す気はなく、相手の出方を見てから行動を決める(=後手に回ることを選択する)」方針と読み取りました
 そのため、狼の出方としては当初の方針どおり、最も弱い相手を狙う、というものとなりました。

 じゃあベストは、というと、いくつか選択肢はあったかと思います。

 要は、相手には自分の姿が見えており、自分からは相手が見えない、主導権が相手に握られているというのが問題なわけで、

 ・火のついた薪を投げる(明かり兼威嚇)
 ・ライトの小石を投げる(より大きな明かり)
 ・暗いままでも構わないのでダガーあたりを投げる(当たれば儲けもの)
 ・自分より明らかに狙われやすそうなラバをカバーに動く

 こんなところでしょうか。

 急に明るくなれば狼は怯むでしょうし、その隙にもう1アクション程度が認められていた可能性はあります。
 そこから先制攻撃はなだれ込むか、またはラバさんやテントのカバーに入るか、というのは好みの部分でしょうか。
 また、明るくなっていれば、狼がどこを狙おうとしているかはある程度事前に把握できていた筈です。

 明るくして意図を明確にしておけば、あるいは意図を先読みしてラバのカバーに入っていれば、ラバへの2匹は両方防げるというジャッジになっていたでしょう。


◆2日目朝のゴブリンについて

 エンディングでちらりと示唆しておりますが、調査組を敗退させたゴブ&ホブと同一の集団です。

 このシナリオほぼ唯一のルート間干渉でした。


◆もっとも楽な大成功方法について

 依頼を受けた時点で残っている他の商人に声をかけて、希望者から手紙の配達依頼を重ねて受ける → キャロラインの依頼は通常成功狙いでゆっくり進む

 こんだけです。
 要は「この状況から受け取る報酬の額」が問題でございますので、嵩張らず軽い手紙などの配達を廉価で複数引き受ける(そしてその分の報酬を上乗せする)のがもっとも楽な大成功のルートだったのでした。


◆報酬を最大化する方法について

 手紙を引き受け、かつ自分たちの手持ちの金を払って軽めの荷を「買い取り扱いで目的地まで運送する」契約を結ぶ。
 あとはキャロラインの依頼をボーナス成功狙い。

 突っ込む金額によりますが、だいたい成功すれば突っ込んだ金額を1.5倍程度にして返す予定でした。



■調査組について

◆難易度設定について

 こんなものじゃないかなあ、と思っております。

 結果として敗北してはおりますが、適切な支援を別ルートから得られなかった(前述)、準備が不足しており、かつ初動を誤った(後述)、さらに出目が腐っていた、という3点セットが揃えばそらまあ敗けるんじゃないでしょうか。


◆準備?

 このあたりはわりと難しいところなのですが、

 ・縄梯子あたりをかけておけば上下動は楽かつ安全にできる
 ・斜面上に敵が出た場合、最大戦力が無力化されることは明らかだった
 ・かつ一度斜面上に敵が出ており、GMの描写としても『敵が来るとしたら上からだよね』と明記されている

 この状況で何の対策も取らない、というのは準備が不足していたと評価されてよいと思います。

 大袈裟に対策と言っておりますが、

 ・ラキアードがスリングを借りておく
 ・宿付近の猟師のところから、使っていない弓などを買い上げる
 ・上から来るのは明らかなのでラキアードを上に置いておく

 このあたりの非常に単純な対策がどれかひとつでも為されていれば、手も足も出ずにフルボッコという状況からは逃れられた筈ですね。
 GMが「背景をまげて蘇生を可能とジャッジする必要性を感じない」と言い切ったのは、この準備不足があったがゆえです。


◆初動?

 オートが自分から転落を選択したのは、フォーリングコントロールだと下まで降りられない、という判断あってのことと思いますが、GMはそのような判断を明示したことはありません。
 むしろ傾向的に、リソースを使う分便利なほうへジャッジする、という部分があります。
 ここは面倒でも、ダイスを振る前にGMに確認しておくべきところだったのではないでしょうか。

 また、エリオが前へ出て反撃/ラキアードが様子を見るためにカモフラージュ、というのは耐久力的に真逆です。
 むしろここでスリングの受け渡しをしていればよかったんじゃないの、とGMは見ておりました。

 あとの流れはシナリオのとおり、事前準備と初動、そしてダイス目で傾いた敗勢を覆せないまま敗走、となったわけです。


◆楽な成功の方法について

 最初に多少の時間をかけて、「以後作業がしやすくなる環境を整えるための作業」をしておくのが楽だったのではないかと思います。
 前述の縄梯子とかはその一例ですね!

 そのへんの工夫は拾う気でおりまして、実際鳴子とか出てますね。
 あれ実は特に予定していなかったので、ちょっと嬉しいアイデアでした。



 だいたいこんなかんじです。

 質問その他ありましたら答えられる範囲でお答えいたしまーす!