決断
GM(Lain) 2012.12.03 [22:44]
ラキアードはオートを手近な倒木の陰へと引き込む。手当を施すに十分な状況とは到底言えないが、少なくともこれ以上の負傷は避けられそうだ――今は。
的を見失った妖魔どもの怒りとも落胆ともつかぬ呻きが聞こえてくる。
入れ違いに遮蔽を飛び出したエリオが投石紐を振るい、ホブゴブリンに石を投げつける。
だが、打ち上げるという悪条件のためか、傷の痛みによるものか、狙いがうまく定まらない。
ホブゴブリンはそのまま川の上流、峠側へと歩を進めた。
その先には荷車と、荷馬がいる。
荷馬をほぼ直下に見下ろす位置へ移動したホブゴブリンがもう一声吠え、荷馬に石を投げはじめた。
残る4匹のゴブリンどもが吠え声に従い、ばらばらと移動を開始する。
荷馬を守ることは――つまり荷車とその荷を守ることは、どうにも困難なようだ。
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■GMから
進行であります。
PCの現況、先に位置取りをされている点、絶対的な頭数の差等々を考えるに、エリオとオートが無事なまま荷馬と荷車を守りきることは非常に困難と思われます。
このタイミングで撤退し、荷馬と荷を諦めることを選択するのであれば、メタ的に、全員の安全を保障します。
ゴブリン側は一定の獲物を確保できればそれ以上危険な相手を直接追撃する必要はなくなりますので追撃はありません。
オートは再度生死判定を行う前にレンジャー技能による応急手当を受けることができます。
後日談として、山狩りをするなりしてゴブリンどもを掃討することは十分に可能でしょう――そもそも直接当たることができれば負ける筈のない相手です。
ただし、輸送手段と作業に必要な資材の大半が失われ、これを所定の作業期間内に回復することは不可能であるため、ミッションは経験点上は完全失敗(=500点ベース)、NPCの評価(と報酬)としては一部失敗(≠完全失敗)の扱いとなります。
戦闘を続行するのであれば、『荷馬を殺された段階で経験点上は最大でも限定成功(=700点ベース)』、かつゴブリン側は『ゴブリンの知恵で可能なあらゆる手段でPC側の全滅を目指す』という戦闘となります。
なお、死者が出た場合、全滅した/遺体を放置して撤退したケースはもとより、遺体を回収できても復活の可能性はない旨をここで明言いたします。GMが認識する限りにおいて調査組のPCには蘇生を可能とするコネもカネもなく、これらを可能にしうるNPCはおらず、そのあたりの背景をまげて救済に乗り出さねばならないほどの必要性をGMが認められないことがその理由です。
GMとしては撤退を強めに推しておきます(先述のように荷馬を守りきることは困難、かつ経験点200点+金銭報酬の最大メリットに対して最大リスクが割に合わなさすぎるため)が、PLさんのお考えもそれぞれおありでしょうからPLさんの総意としての決定をお待ちいたします。
ここまでの戦闘の経過でおわかりのとおり、戦闘をする場合でも「単純に・直接・正面から殴り合う」というような戦闘にはならないであろうこと、自らを守る手段のない、または死までの距離が近いPCから順に死の危険に晒されるであろうことはGMとして付言しておきます。
というわけで撤退であればその旨の宣言を、続行であれば第5ラウンドの宣言と判定をどうぞ。
宣言はPLの総意として承ります。また、行動宣言&判定後の撤退宣言はこれを認めません。
なお、第5ラウンド、ゴブリン側の宣言は以下のとおりです。
・ホブ&ゴブD:荷馬に投石
・その他:移動してホブに合流
端的に申し上げて、GMとしては、オートにとってはほぼ確実に/エリオにとってはそれなりの確率で、生還のラストチャンスという認識でおります。
リスクとリターン、PL・PCの意地や出目の予測などなど諸般の事情をまとめてご考慮のうえご判断くださいませ。