妖魔現る
GM(Lain) 2012.11.24 [00:17]
その瞬間、冒険者たちの対応は三者三様であった。
※ ※ ※
エリオは投石紐を取り出し、いつでも石を放てるよう準備する。
姿を現すであろう敵への即応の構えだ。
ラキアードは手近な倒木の陰へと隠れた。
まずは相手の出方を窺おうとする。
オートはそのとき、もっとも危険な位置にいた。
音のした鳴子のあたりと地上のちょうど中間、高さにして10歩ほどになろうか。
まずは体勢を整えねば何も出来ない――だが、慌てたためか、身体の平衡を崩してしまう。
【落下制御】の呪文を行使するか否か。
一瞬の逡巡ののち、呪文の行使を諦めて体を重力に委ねる。
中途半端にこらえて立ち往生するよりは、という判断であった。
だが。
滑落し、幾度か泥や倒木、石に身体を打ち付けて弾み、街道へ落ちる直前。
オートの身体は背中から巨石に叩き付けられた。
濡れた敷布を地面に落としたときのような、鈍い音が響く。
その音はふたりの仲間の耳にも間違いなく届いたことだろう。
それきり、オートは動かなくなった。
立ち上がる様子もなければ痛みに声を上げることすらない。
辛うじて上下に動く胸だけが、彼の生存を伝えている。
※ ※ ※
その直後、鳴子の音の主たちが緩斜面の際に現れた。
エリオやオートとの距離は20歩ほど、ラキアードはもう数歩離れているだろうか。
妖魔どもだ――数は6匹、なかに1匹、大柄な妖魔がいる。
彼らはエリオを認め、倒れたオートを指差し、醜悪な顔をさらに歪めて不愉快極まる声を漏らした。
どうやら笑ったらしい――言葉は通じずとも、その意味するところは明確だ。
彼らの目に映る二人は、倒れた男と少年のような戦士。
自分たちが遅れをとる筈がないと侮り、嘲っている。
弱いと見た相手にどこまでも増長し、残虐になることができる、それが妖魔の妖魔たる所以とも言えた。
ひとしきり笑い終えたのち、大柄な妖魔が石を取り出した。
にやにやと笑いながら、何事かを妖魔どもに告げる。
残りの5匹が追従するように石を構え――。
行くぞ、そう言うようにエリオを指差し、にたにたと笑った顔のままで妖魔どもは投石を始めた。
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■GMから
進行でーす!
まずセージ技能による怪物判定をどうぞ。
平目でもチャレンジ可能です。
敵はゴブリン×5+ホブゴブリン×1で、冒険者たちの20m上方に位置しています。
とりあえず1R目は全員でエリオに投石(攻撃)を行いますね。
この戦闘において、下から上へ打ち上げる射撃・投擲にペナルティはかかりません。
同様に、打ち下ろしの射撃・投擲についてもボーナスなどはありません。
また、戦闘は原則としてすべて固定値で行います。
例外は敵が魔法を使ったときのダメージロールとスリープクラウド等の再抵抗判定で、これらはGMがダイスロールを行います。
まあこちらのルートには今のところ魔法を使う敵もスリクラを使う味方もいないわけですが!
というあたりで第1ラウンドの行動宣言&判定をどうぞ!
>だんがんさん
そのようなわけですので、6回分の回避と、必要であれば防御ロールをどうぞ。
以前ご質問いただいていたことでレスを失念しておりましたが、オートはエリオの静止移動圏内(3m以内)に落下してきたものとしましょう。
>はんくさん
既に振っていただいている怪物判定のダイスについては、ホブとゴブのいずれに適用するか決めてください。
そのうえで、残りのもう片方分を振っておいてくださいませ!
オートを手近な物陰(いちばん手近なのは自分がいま隠れている樹木の陰になるでしょう)に引きずってくるためには、(1)移動(2)確保(3)移動 の3ラウンド分の行動が必要です。確保後は攻撃ができず(両手が塞がります)、オートの重量を支える必要があるため回避に-2のペナルティが課せられます。
>スキュラさん
出目ェ・・・・・・(、、
とりあえず生きててよかった!
今後しばらくはPL相談所での活躍を期待いたします!