こちらは順調です。そちらはいかがですか?

オート(スキュラ) 2012.11.01 [16:11]

「あー、いかんな」


今まで調査をしていた斜面を見上げてつぶやく。


「今日は魔法使ってないんだし、もっと高い場所を調べればよかった」


思えば学院内での試験や練習以外では、私は『落下制御』の呪文を唱えたことがない。
今日の作業具合なら、絶好の試し撃ちの機会だったろうに。

まぁいい。
続きは明日だ。


「おーいラキ、エリオ君。
 今日はもう上がろう」


ロープを巻き取りながら、それぞれ仕事中の二人に声をかける。
山の夕暮れは早い。暗くなる前に宿に付かねば。
昼過ぎからすでに気温は下がりつつある。
長居は風邪の・・・は・・・は・・・はっ・・・!


「ックシュン!
 ・・・あ゛ー。冷えてきたな」


街に居れば一日二日で治る鼻風邪も、こんな所では治るどころではない。
鼻炎薬はまだあっただろうか?

.
.
.
.

極限まで長く横たわった木々の影は、そのまま夕闇と同化しつつあった。
木立を抜ける街道は、すでに白い石畳だけが浮かび上がるような暗さであった。


「早めの点灯、事故防止っと」


帰り道の安全を考え、魔法の『明かり』を付けた。
どうせ帰ったら、明日の打ち合わせ以外に仕事はないのだ。
多少の消耗はガマンすることにする。


「二人共乗ったかね?
 そろそろ出すぞ」


御者台に登り、手綱を軽く動かす。
慣れた道なのだろう。
私があれこれ指示を出すまでもなく、荷役馬は歩みはじめた。
これで今日は終わったも同然。

・・・ああ、腹が減った。


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ほぼ馬任せの帰り道。
『明かり』を裂いて落ちる雨の軌跡を、私はぼんやりと眺めていた。


(・・・・・・・寒いな)


後ろの二人やエレアノールのように天気を読むことはできない私だが、
まさかココだけが雨に見舞われている訳でもあるまい。
きっと山脈全体が、今は雨雲の下にあるのだろう。

街道を外れて山野を行く護衛組も、
やはり冷たい雨に打たれているのだろうか。

街道を南に迂回する間道は草原を抜けるルートだという。
吹き抜ける風が身を切るのではないだろうか。


(風邪などひかねばいいが・・・)


依頼主含め、護衛組は皆はつらつたる若者達だ。
三十路に手の届く痩せ男ほどには、寒気も堪えぬのだろうが・・・


(ウード、本当に頼むぞ?)


もうすぐ夜。
ラーダの加護たる星明りは雲に遮られて見えず。
だから私は神の代わりに、友に祈ることにした。
アレは知恵者だ。
きっと上手く切り抜けるはず・・・


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-PLスキュラより-

俺は定時で上がるぞ、ジョ◯ョー!



・ベアの知名度判定
15:24:02 スキュラ@オート ぽりのーくさまーん 2d6+3 Dice:2D6[5,3]+3=11

・ランタンに『ライト』
15:30:55 スキュラ@オート らいとー 2d6 Dice:2D6[2,6]=8