依頼の中で依頼を忘れる

エレアノール(ニカ) 2012.11.15 [22:32]

>「だいじょうぶさ、エル」

 

頭をなでてくれるウード。

それだけで湿った髪はくしゃくしゃになった。

 

>「交代しよう。
> おつかれさん、ゆっくり休んでくれ」
 
 
 
「・・・なんか出たら、いつでも起こしてね?」
 
 
けっきょく、ウードと交代することになった。
だいじょうぶかな?また狼が戻ってきたりしないかな?
 
って考えたりしたけど、けっきょくすぐ寝ちゃった。
 
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次に起きたとき、まわりは明るくなってた。
つまり、あの後なにも出なかったってことだよね。
 
 
うーんまだ眠いなあ。
けど、ウードはもっと眠いんだろうから我慢しなきゃ。
 
 
毛布にくるまったまま手だけ伸ばして水筒を取る。
朝起きた時ってすごい喉カラカラだよね。
 
ごくん。
 
よし少しだけ目が覚めた!
 
まだ温かかった毛布とおさらばして、テントを出る。
雨はちゃんと止んでる。
 
 
>「――ゆうべ、なにかあったの?ビルが怪我してるみたいだけど。
> それにおにーさんだいぶお疲れじゃない?寝てないの?大丈夫?」

 
 
ラバ君にちゃんと名前あったんだね。
 
 
「昨日の夜ね、狼が出たの。
それでね、ラバ君がケガしちゃったの。 
ごめんなさい、大事なラバ君なのに」
 
 
ラバ君・・・ビル君って言ったっけ。
何とか歩けそうだけど、やっぱりケガしてるからちょっとフラフラしてるような気がする。
 
 
「・・・ねえ、ウードほんとにだいじょうぶ?」
 
 
ウードはけっきょくちゃんと寝れなかったんだよね。
いつもの頼りになる青いマフラーが少し弱々しく感じる。
 
 
 
 
 
>「ちょっと失礼するよ、お疲れ様...
>怪我はないかい?」
 
 
「アシュレイ。
うん、わたしはだいじょうぶだったよ」
 
 
そういえば一回だけ噛まれたような気がしたけど、全然痛くなかった。
革の鎧でもちゃんと防いでくれるんだね。
 

>君も大概頑丈な体してるな、感心するよ
>そういえば貸したノート...アレさ
>私が向こうで書いて...というか私は西方から来た人間でさ
>西方言語で書いてあるんだよ...やっぱり読めなかった?」
 
 
「ノート・・・ああ、あれ!」
 
雨で濡れないようにマントの中に隠しておいたノート。
 
よかった、ぜんぜん濡れてない。
 
 
「うん、読めなかった」
 
 
>「だよね...悪かった!
>イヤね、ついうっかりしてたよ、口で喋るのは慣れたんだがなぁ
>まあ...君が正直に読めないと言える人間で安心したさ」
 
>「でも君は賢いぞ、五万といる賢人気取りのマヌケなんかよりよっぽど...ねぇ!
>クッ!ククッ...アハハハハハハ!」
 
「・・・?
あ、ありがと」
 
頭をポンポンされながら、うーんと考える。
そんなに頭いいのかなあ、わたし。
 
 
「そうだ、これ返すね。
読めなかったけどたくさん字が書いてあってすごかったよ!」
 
 
「・・・そうだ!今度、西の方の言葉を教えて!
そしたら、このノートだって読めるようになるもんね」
 
なんかすごい遠回りになったような気がするけど、
それだけたくさんのことを知れるからいいよね。
 
 
 
 
 
 
 
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「そうだ!」
 
荷物の整理をしてて、ロープとたいまつに使う木の棒を見て思いついた。
 
ロープの先にその木の棒をくくりつけて、それをラバ君に括りつける。
この棒に暗くする魔法掛けてもらえばめくらましになるはず。
 
 
そんな事をしてる内にあっちに変な影が。
 
 
「あれ?あれは・・・!」
 
あれはたしかゴブリン。
その強いののホブゴブリンもいる。
 
あいつらこのままだと街道の方に行っちゃう!
 
 
 
>「その武器を収めなよ、エレアノール
>君の考えはわかるさ、あれは放っておけば、おそらく悪事を働くだろう


>そうだなよく分かる、だがノーだ、君の主張は正しいし行動も間違いではない

>だが...君はあの集団をキャロラインや荷物・ラバ、そして私たち...全くリスクな>く戦えるのか?
>...私たちの仕事はなんだ、エレアノール」
 
「あ・・・」 
 
いつの間にか持ってた槍を降ろす。
そこまで考えてなかった。考えられなかった。
 
「・・・そうだった、ね」
 
今わたしたちは護衛の仕事の途中。
キャロラインやラバ君たちを守ることを第一に考えなきゃいけない。
・・・っていうのはわかってるつもりだったんだけど。
 
「ありがと、アシュレイ。
わたし大事なこと忘れるところだったよ」
 
 
それにウードだって調子良くないし、戦う必要がないなら戦わない方がいいよね。
 
 
「ウード、このままゴブリンたちを放っておいていい?」
 
 
向こうを歩くゴブリンをちらりと見てから聞いてみた。
 
 
ーPLー
エレアノールタシナメラレール。
飛び出して行きたくて仕方がないエレアノールをよそにゴブリンズを全力で見逃します!
その結果どうなってしまうのかー 
 
そしてサイゾウさんのお達しでロープに木の棒を括りつけたものを作っておきます。
ダークネスを掛けて目くらまし用!