分岐点
GM(Lain) 2012.10.04 [20:44]
「道、決まった?こっちは話ついたよ」
結論が出た頃合になって、キャロラインが戻ってきた。
「染料をね、ブラードの織物市に出したいって人がいてさ」
聞けば、そこで捌くことが目的ではなく、糸を買い付けにくる染物屋との商談に使う予定だったという話のようだ。
「で、話がうまくいけばまとまった量の取引になるってことになってたみたい。
持ってくのは染料と染めた糸のサンプル。
市やってるのが1週間で、中日くらいまでに街に入れないと商談ができなくなるだろうから、最悪でもそれまでに届けてほしいってさ。
6000で請け負ったけど、市が始まるまでに届けられれば5割増で払うって」
太っ腹だね、と言って彼女は笑った。
彼女にとっても大きな仕事なのだろう。
「で、市が始まる3日前にブラードに入る予定だったけど、雨のせいで、今もう予定から1日遅れてるって。
だからいま猶予が2日。
ここから側道が本街道と合流するとこまで、本街道が通れれば半日ってとこだろうから――」
側道を2日半で抜けられれば市が始まるのに間に合う。
5日半までなら商談に間に合う。
「5日半はかかんないと思うけど、まあ、天気崩れたりしたらどうなるかわかんないからねえ。
食料はブラードまでの分入れて10日分くらい用意するよ。
あとほかに、何かあるかな。
無ければ支度してくるからちょっと待っててね。
四半刻もあれば終わると思う」
※ ※ ※
オート、エリオ、ラキアードの3人は、納屋に案内された。
雑多な道具が整然と並べられているのは宿の主の手によるものか、あるいはテオバルト本人がそのようにしているのか。
杭、ロープ、鉤、くさび、手斧、大小の槌、円匙、片手用の鶴嘴、短刀。
必要な道具を手早く床へ並べてみせる。
「ひとまずこれでよろしいですか」
昼食は宿の主人にいま用意してもらっています、と付け加えた。
「馬と荷車はすぐにこの前まで回しましょう」
積み込んで準備して、で四半刻というところでしょうか、とテオバルトは見積もった。
※ ※ ※
冒険者たちが準備を終えて宿を出るのは、日の出から数えると1刻半ほどが経った頃合になるだろうか。
雲が低く垂れ込め、視程はさほど長くない。
街道を下った先に見える筈のフーバー山も、峠から登った先のイステル山も、その上部は雲に隠れている。
雨上がりの、ひんやりと湿った風が流れる。
冒険者たちは、宿の前で二手に分かれた。
オート、エリオ、ラキアードは下り道へ。
ウード、エレアノール、リモーネ、アシュレイは峠へ上る道へ。
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■GMから
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すみませんちょっとばたばたとしておりまして遅くなりましたー!
とりあえず別れるところまで進行。
今後、カテゴリを分けてそれぞれのルートで進行いたします。
通常の装備品などの購入はこのカテゴリにいる間に行ってくださいねー。
◆時間の表記について
1刻=2時間
半刻=1時間
四半刻=30分
小半刻=15分
で換算してくださいませ。
>調査組の皆様
上記に絡み、重要な訂正です。
崩落現場は宿から片道2刻としておりましたが、2時間(=1刻)の誤りです。
すみません自分でなんか混同しておりました(、、
よろしくおねがいいたしますー!