出発の前に/別れの前に

オート(スキュラ) 2012.10.02 [22:19]

>「スリングというものを持っています」

「ふむ、投石紐か。いいんじゃないか。
 私も持ってるよ」


>「もっとも、まだまだ練習中なのですが...」


「うーむ、この手の道具は単純なモノほど奥深いからなぁ。
 まあ、練習するしかないな」


私も使いこなせるようになるまでは大分掛かったクチだ。
・・・私にスリングの手ほどきをしてくれた大鷲の少年を、不意に思い出す。
彼は無事、姉を見つけて故郷に帰ることができただろうか。


>「遠距離からの牽制、少しはお役に立てるかもしれません」

「ああ、もしもの時は頼むよ」


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>俺のことは省略してラキでもかまわない。」

「私もオートでいい。
 こちらこそよろしく、ラキ」


ラキ・・・ラキ、か。
もしこっち側にエレアノールが居たら、彼のあだ名はきっとラッk


うん、やめておこう。


>「作業中も当然だが、夜の就寝のときにも見張りはいる
>夜の見張りは、3交代で行うのがいいかと思う。


「んー、夜営するかね?
 よほど作業が遅れなければ宿場に戻っておきたいな、私は...
 まぁ、その時はラキの言うとおりにしよう」


夏の頃にくらべて、最近は日の入りが早くなっている。
作業時間を延長するなら魔法の明かりがいくつか必要になるだろう。
居るかもしれない妖魔どもや、万一の怪我に備える意味でも
魔法は温存したいし、そのためにも夜はしっかり休みたい。
それも作業の進捗しだいではあるが・・・


>作業に関しては、オート殿とエリオで行う方がいい。
>野外作業に関しては、俺はあまり詳しい方ではないから。」


「ではそうしようか。エリオ君、頼むよ。
 ...その大剣を見れば、妖魔共も怯んでくれるかもしれないしな」


歳の頃はウードと大差ないと思うラキアードだが、普通の人間とは空気が違う。
こういうのを才能と言うのだろうか。戦闘となれば頼れそうだ。


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ひと通り話したところで護衛組の様子を見てみる。
向こうもだいたいまとまりつつあるようだ。
なにか注文しているらしいウードのそばにいってみる。


「コッチはだいたいまとまったよ。ソッチはどうだ?」

「終わったらブラードで合流しよう。
 3日待っても来なかったら、合流地点はオランに変更だ」


待ち合わせの店など、細かい所も詰めておく。
・・・ああは言ったが、できればブラードで合流したい。
せっかく3人で来てるのだし。

.
.
.

なにか考え事をしている風のエレアノールにも声をかけておく。


「おい、どうしたシャッキリしろ。
 らしくない」


肩を叩く。


「聞いた感じ、お前が一番の手練れみたいだからな。
 みんなを守ってやれ」

「ただし、ムチャはするなよ。いつもの鎧じゃないんだからな。
 あと、ウードの言うことをよく聞いてだな...」


いつものように『お前が言うな』風の小言を垂れる。
エレアノールとは最初の冒険でも同じルートだったし、
そういえば離れるのはこれが初めてかもしれない。


「・・・怪我なんてするなよ?
 ブラードでまた、な」


だが、まぁ、大丈夫だろう。
皆あれから多少とはいえ場数を踏んだし、なによりウードが付いている。
むしろ私の方が置いていかれないよう頑張らないといけないかもしれない。


「じゃあ、下界で会おう」


二人にむけて拳を突き出す。




-PL-
進行待ってから書こうと思ってたけどガマンできなかった!
作業組がんばりましょー&護衛組がんばれー
そしてツバメ組は再会できるのか|д゚)チラッ