巡り来るチャンス

アシュレイ(ゴースト) 2012.09.28 [21:52]

「さて...もうすぐ来るか?予測では、あと5分もしないうちに来る」

ばたん、と音を立てて扉が開いた。
商人や旅人がこれは敵わないという顔でこの宿へやって来る。

ビンゴ、外はもう音が聞き取りにくいほどに雨が降り始めている
雨が静寂を生む、なんて真っ赤な嘘だな...でもそれじゃあ、真っ青な嘘...というのもあるのかな?。

そんな、どうでもいいことを考えながらぼんやりと、激しく打ち付ける外の景色を眺めていた

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>「...そういえばリオテーク、君は何しにこんな所に?
> 私は仲間と一緒に仕事で来たんだが」

「そうですねぇ...ソーミーへ...まあ観光のようなものですよ
メララさんも大変ですね、雨...直撃しちゃいましたし」

以前お世話になった、学院の先生...ではなく一応同じ生徒だ
それにしてもつらそうな顔をしている、どことなく中年の哀愁というやつを感じる。

私がここに来た理由が、観光というのは間違いではない
私が行きたくてきた行ったわけではない、厳密には父の望みだ
父は芸術とかそういうものに関心を持っていて、娘にも見て欲しかったというところか。

>「まぁ、降りるときは気をつけてな。
> 何かあったら故郷の家族が泣くぞ」

それにしても遠いところまでやってきたな...遠い故郷ラムリアース
嫌なこともあったがそれでもあの場所には家族がいる、父がいる
ラムリアースを出て何ヶ月たったのだろう...
父さんは寂しくないかな...私はすこし寂しいよ...。

椅子の上で足を抱え込み、ゆらゆらと揺れる

イカンな...このままでは人の前で泣くなんてバカなことをしてしまう。

椅子から立ち上がり、メララさんの背中を優しく擦る
なんとも言えない気分...ホームシックなんて馬鹿らしいと思っていたが、案外、馬鹿にならないな。

「メララさんもお体には気をつけてくださいね、私はもう部屋に戻ります、それでは...」



その日は宿泊している部屋で父さんへの手紙を書いて終わった、雨は未だ降り続けている
早くオランへ戻りたいな...

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雨はまだ降っている、しかし、もうすぐ降り止むような気がする
私は雨が好きだ、豪雨ならなお良くて、曇も好きで、雷も好きだ
快晴だけは嫌いだ、太陽も何が楽しくて輝いているんだか。

「はぁ...何だかなぁ」
食事を取りつつ、ため息をつきながら窓の外を眺める...
気分転換に本でも読もうかと思っていたら何か騒がしいことに気付いた

...街道が土砂崩れ?ツイてないな...

>「ああ、わたくし、テオバルトと申します。
>街道の普請を仰せ付かる者でして。
> 少々お力をお借りしたいことがあるのですよ」

>「あ、もうひとついい話あるんだけど、こっちに乗らない?」

撤回だ、これはツイている...かも

>「あー、仕切るようで悪いんだが皆、聞いてくれ。
>ひとまず自己紹介といかないか?」
>「僕は、エリオと申します。オランに帰る途中の駆け出し冒険者です」

メララさんとエリオという少年を皮切りに冒険者達の簡易的な紹介が始まった。
私も名乗るか...失礼だし仲間になるわけだからな、何より視線が痛い。

「私はアシュレイ、野外活動は少しできるが高いところは勘弁して欲しい...」
「見ての通り、魔術の心得は多少有る、今回は知識くらいしか役に立てそうにないがね」

「個人的な理由から、護衛に就きたいと思っている、だが復旧作業の人手が足りないなら
そちらに回る、正直な話復旧作業の方が向いているとは思うからな」

どちらに回るにせよ、上手くやれればここに缶詰になる期間を大幅に短縮できるだろう。
少しばかり本気を出してみるか

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PL・遅れましたー セフセフ!

一応希望は護衛ですが、状況によって臨機応変に動くつもりです。