フィールドワーク帰り

エリオ(だんがん) 2012.09.27 [21:20]

それは、ある日の午後のこと。

「これは――」

すっかり行きつけになった安食堂。
大勢が押し合いへし合いしながら昼食をかきこんでいます。
僕はといえば、座る場所もないくらいなので、壁際でパンをかじりながら雑多な会話に聞き耳を立てるのが趣味だったりします。
今日耳に入ってきたのは、遠方から出稼ぎに来ているという人の言葉。
曰く、故郷では秋になると蝶が舞う。
一匹や二匹ではなく、それこそ、空が一面覆われるくらいに。と。

賢者の学院に向かい、植物や昆虫についての文献を読み漁ること数刻。
果たして、とある地方で、そのような現象が存在するらしいとの記述にたどり着きました。
集団で、同時に、蝶が羽化し、いずこかへ飛び立ってゆく。
ただし、実際に見られるのはまれであり、原因も理由も不明であるとのこと。

「――興味深いですね」



さて。
そんな珍しい蝶の生態を見物し、夢見心地のまま帰途へついたのが一昨昨日。
今回は、何事もない平和な旅だなと油断していた僕をあざ笑うかのように。
折からの豪雨に降られ、命からがらたどり着いた宿。そこに昨夜から閉じ込められているという有様なのでした。
天候も読めないなんて学者失格ですね。

しかし、雨は、もう小降りになってきました。
周りを見回すと、同じように足止めを食っていた人々の顔も晴れていくのがわかります。

さあ出発の準備だ。

編上靴を履き直していると、
>「ブラード側へは通れません。この下で崩れておりますな」
食堂の面々がざわついています。
? どうしたのでしょう。
>「?本街道は通れぬと?」
どうやら、街道の様子を見に行かれていた方の報告だったようです。
しばらくオランへは帰れないのかな。路銀がちょっと厳しいんだけどな...


.....
.......
.........


お役人さんと、旅商人の女性。
二人から舞い込んだのは思いもかけない仕事の依頼でした。
街道の復旧に関する調査と、道無き道をゆく商人の護衛。

さてさて。
僕以外にも、冒険者らしき人たちがいらっしゃいます。
みなさんはどうするおつもりなのでしょう。

ちらりちらりと周囲をうかがっていると、
>「?ひとまず自己紹介といかないか?」
身長の高い男性が立ち上がりました。
>「?何ができる、どういう人間なのか。最低限の情報は共有したほうがいいと思う。?」
場馴れしてらっしゃいますね。無駄のない考え方で、好感が持てます。

うーん。
僕に何ができるのかを考えてみます。
野外活動については素人よりましといった程度ですし、だからと言って腕っ節に自信があるかとえば...足手まとい確実です。
うわあ。僕、役立たずだあ。

軽く自己嫌悪に陥りながらも、
「僕は、エリオと申します。オランに帰る途中の駆け出し冒険者です」
せっかくなので口火を切ってみました。
「お役に立てるかどうかわかりませんが、少しだけ野外活動の心得があります。荒事は自信がありません」

もしお邪魔でなければお手伝いさせてください。
そう締めくくって、ぺこりと頭を下げました。



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プレイヤーのだんがん、です。改めてよろしくお願いいたします。
振り分けは、基本的にみなさまの決定にお任せしたいと思います。
ただ、このキャラで護衛ルートは...少し能力不足のような気がします^^;

カクカクシカジカ、了解です。当キャラの情報はご自由にどうぞ。