境界線
パティ(Cocoa) 2011.12.24 [01:13]
結局、あたしの"命令"は竜牙兵に受け入られる事はなかった。
あの暗い眼窩――見た目だけじゃなく、確かあれでモノを見ているはず――竜牙兵の目に映るあたしは、一体どんな顔をしていただろうか。
あのよく出来た人形は、ただ造物主のルールの上で動いてるだけ。
そうと知ってはいるけれど......。
「あの骨、立派な"守護者"だね――ほんとに」
だからってここで立ち止まるって選択肢は、今のあたし達には無い。
ならば、そのルールを逆手に取ってでも安全に進むだけだ。
「......よし、そっちは頼んだよ、ジャオユンっ」
あの調子じゃ、竜牙兵の瞳に映るのは一人のほうがいいだろう。
最後の戦いを目にできないのは残念だけど――
うん、あたしはしっかり生きて帰って、誇りある守護者の物語を書こう!
* * * * * * * * * * * * * * *
その間、残った皆で気になるアレを取ってみる事にする。
沢山の書物の代わりに、この広間で唯一生き残った豪華なタペストリー。
高い位置に掛かってるけど、足場になるものには事欠かない。
あたし達は協力して瓦礫を積み上げることにする。
「ローラ大丈夫? 無理しないでね? ......うん、あたしこれ無理っ。 アライア、これ頼んだっ」
書架の残骸――はさすがに重すぎた。やめやめっ。
あたしもアウロラを真似て、手頃なサイズの石を見繕って運ぶことにする。
>「壺の、中の、壺・・・・・・」
「ん? つぼ?」
あれ、つぼの中に忘れ物でもしたの?
とアウロラの方を見ると、その目線はタペストリーにあった。
このタペストリー、四角に四角が嵌めこまれてるような模様で。
つられて見入ると――まるで吸い込まれるような、不思議な感覚だ。
>「壺の中に、この世界をかたどってつくった、世界が、あって。
> その世界の中にも、同じ壺が、あって、その先の世界にも、壺が、あって・・・。
> ずっと、ずっと、ずっと、壺の中を、旅し続ける、魔術師さんの、おはなし・・・・・・」
「へぇ、面白いね。この模様と似てるねぇ、そのお話!」
似てるだけに、なんか怖い気も少しするけど。
あたしだったら、そんなツボあったらどうするかな。
......もし仲間が居なくて一人っきりだったら、入っちゃうかもしれないな。
「で、その魔術師さんはどーなっちゃったんだろうね。
――案外、このタペストリーの中にいたりして――」
......それも怖い。
......。
「......あ、ややや、冗談だよ冗談っ! そんなわけないってばっ。
よし、ユアンっ、さくっと登って取っちゃってっ!」
あたしは半ば、自分に言い聞かせるように、慌てたのだった。
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PL:
Σ埋もれた部屋koeeeeeeeee!>w<;
3Fだし危険がまったく無いとは思ってなかったものの...びっくりですねっ!
ラックあってよかったラック。
なんとか問題ない範囲の事件であるといいのですが。(どきどき)
とか言いつつ、タペストリー探索の日記をこっそりUPです(いまさら
パティはジャオユンさんのセリフを知らないので、
遺跡のスケヲさんと冒険者達の戦いのことを、美しいおはなしにする気満々です!(''*
という小ネタで。