正方形の無限
GM(Lain) 2011.12.21 [04:07]
冒険者たちは広間に集まり、壁に掛けられたタペストリを外す算段を練る。
壁を登ることが難しいとあれば、床を天井に近づければよい――幸い、そのための道具には事欠かない。
パティとアウロラが早速、手を動かし始めた。
2人ともそう力の強いほうではない、というよりも明確に力が無いほうに分類される筈だが、きびきびと効率よく瓦礫や書架の残骸を積み重ねてゆく。
※ ※ ※
アウロラは時折、目的たるタペストリを見上げる――無論その間も手は止めない。
正方形を基調にした幾何学模様で、同じパターンが幾度も繰り返されている。
正方形の中に正方形が並び、その更に中にまた正方形。
ふと、『壷の中の壷』という題材の話を思い出した。
大昔の、ある魔術師の話だ。
その魔術師は、奇妙な壷を持っていた。
その中にはフォーセリアを精密に模した世界があり、魔術師は時折壷の中の世界を、もうひとつのフォーセリアを訪ねていたという。
あるとき、ふと疑問が沸いた――壷の中の世界が真にフォーセリアを模したものであれば、壷の中のフォーセリアにも壷があるのではないか?
ではその中には?
彼ははたして壷の中の壷を見つけ、さらに内側の世界へ入り込む。
ひとつ、またひとつと壷をくぐるうち、彼はもとの世界へ帰る方法を失い、今もまだ壷の中にいる。
――そういう話だ。
無限に繰り返される正方形のパターンは、見つめていると吸い込まれそうな感覚を覚える。
件の物語も、案外、そういったところから生まれたものであるかもしれない。
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■GMから:
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パティ、ユアン、アライア、アウロラのターン7が進行中です。
現在達成値22。・・・・・・22?
>じゅんじゅんさん
タペストリは幾何学紋様、具体的にはこれなんかを想定しております。
しかしせっかくの高達成値ですのでちょっと拾わせていただきましたっ!
無限のアレ的なおはなしを思い出しました、ということでひとつ。