鎖された部屋にて

GM(Lain) 2011.12.14 [22:33]

 パティとユアンは部屋の内部を捜索する。

 扉、ベッド、机、棚、そして床の遺骸。

 扉は内側から(そして鍵を使えば外からでも)錠をかけられるごく一般的なもののようだ。
 鍵の構造はそう複雑なものでない、というのはユアンであればさほどの苦労なく判断できるだろう。

※ ※ ※

 ベッドは一見して芳しくない状態と理解できる。
 触れれば敷布や毛布はその指先で簡単に破れてしまう。
 まかり間違って手をつき、体重でもかけようものなら枠組みごと床へ向かって崩壊することだろう。

※ ※ ※

 棚からは羽ペンとインク、羊皮紙の束、ペーパーウェイトが見つかった。
 羽ペンは羽軸だけが残っており、それも傷み果てて到底筆記用具の用を為すことは不可能な状態だ。
 インクは壷ごと黒ずんだ塊になっており、逆さに振っても埃が舞うのみ。
 羊皮紙の束は黴の山と化していて、文字が判読できるような代物ではなくなっている。

 唯一ペーパーウェイトだけが使用に堪える状態で発見された。
 どうやら軟玉でできたものであるらしく、その材質のゆえに500年の歳月を耐えたようだ。
 ふたつ一組で使われたもののようで、それぞれが開かれた本の形をしている。
 埃を払って少々磨いてやれば、往時の姿を取り戻すことだろう。

※ ※ ※

 机からは、油紙に包まれた羊皮紙が発見された――が、これも傷みが激しく、意味の通る文章を拾い上げることはできない。

『侵入』『蛮族』『守護者』『書庫』『閉鎖』

 そのようないくつかの単語だけが読み取れる。

※ ※ ※

 遺骸が身に着けたままだったローブには、それぞれ葦の穂をかたどったブローチが留められていた。
 銀製で、細工もなかなかに精緻なものだ。

 また、遺骸のうち一体のローブの内側、ポケットの名残と思われる部分からは、ふたつの鍵が見つかった。
 ひとつは真鍮製のごく一般的なつくりで、これはおそらくこの部屋の鍵であろう。
 試しに合わせてみるならば、鍵穴にすんなりと入り、鍵を開け閉めできることが解る。
 もう一方は銀製、鍵の頭はブローチと同じ意匠――葦の穂がかたどられている。
 こちらの鍵はどこのものであるかわからない。
 だが、鍵の先端部、鍵穴に差し込む部分も高い技量で加工されたものであろうと判断できる。

 遺骸そのものからはさしたる手がかりは発見できない――500年の歳月は、手がかりを失わせるには十分すぎる長さであった。

 彼らはもはや何かを語る術を持たない。
 冒険者たちは、物言わぬ彼らの身体から何がしかの手がかりを掴む知識を持たない。

 いま少し時間をかければ何か解ることもあるかもしれないが――ゆらり、とランタンの炎が揺らいだ。
 ふと気付けば、かなりの時間が経過していたようだ。
 広間に残った仲間もそろそろ待ちくたびれているかもしれない。

 いずれにせよ、次に何をすべきか、考え直す頃合だろう。

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■GMから

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 パティ、ユアンほか、部屋4で行動したメンバーのターン3を終了しました。


◆戦利品

 ・ペーパーウェイト:軟玉製、2個セット。開いた本の形をしたペーパーウェイト。
 ・葦の穂のブローチ:銀製、葦の穂をかたどったブローチ。2個。
 ・葦の穂の鍵:銀製、ブローチと同一の意匠の鍵。


>Cocoaさん、いどさん

 出目ェ・・・・・・(´;ω;`)
 ま、まあひとまずいくつか戦利品はございますのでっ!

 おふたりのうちどちらかが2d6を3回振ってください。
 上記戦利品の価値決定ロールです。
 気合いれてね!w