回廊にて。

ガラフ(テッピン) 2011.06.03 [09:05]

通路を通り抜けると、新たな階層へと到着した。

途中、周囲を警戒しながら歩いていたつもりが、逆に注意散漫になり派手に蹴躓いて

かなり恥ずかしい思いをしてしまった。

 

新しい階層は回廊と鉄格子で構成されていた。

今まで鼻を突いていた潮の香りが殆どしなくなった。地上に近づいているのだろう。

魔術による照明は更に明るさを増し、煌々と周囲を照らしてはいる。

しかしそれでは隠し切れない、重く淀んだ空気が階層全体に漂っている。

嫌が上でも緊張感が増していく。

 

>「ふぅん、潮の匂いが消えたね。

> 今までが海の中で、ついに海の上に顔を出したってとこかい?

> まったく、どこに飛ばされたのやら!」

 

「全くですな。古代魔法王国の所業は全く自分のような凡人の理解を

 超えておるわい...」

 

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>「さて...やりますか」

 

気力を分け与えられ、生気が戻ったトロンが<魔力感知>の呪文を使用し、

回廊全体を駆け抜けた。

その意外な走力に驚く。

懐に剣も佩いているし、この若者は戦士としての訓練を受けているのだろう。

そして彼は戦士としての素質も十分に持っているだろう、と思われた。

 

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>「こんなところだね。どうかな?」

 

トロンの報告を受け、探索手順についての検討を行う。

まずは手分けして各部屋の調査と開錠作業を行い、

その後に魔剣があると思しき部屋を捜索する事になった。

 

>「剣ってえと、魔剣ってことかい?

> そりゃあ楽しみが増えるってもんだ。

> フロなんたらとか、面倒そうな魔物が出てきてるねえ。

> せいぜい、引っかからないようにしないとね!」

 

「魔剣というのは、分かり易いですな。しかしその分かり易さが却って誘われてるような

 怖さがあるが...」

 

>「じゃあ、とりあえずあたしは鍵をどうにかしてこよう。

> なあに、今度は失敗しないよ。

> 期待して待ってな、ははは!」

 

「姉よ、単独行動をお願いしてばかりで申し訳ないがよろしく頼みますぞ。

 どうかお気をつけて。セリト、トロン氏もよろしく頼む。

 どうか我々にラーダの加護があらん事を―――」

 

別れしなに声を掛けつつ、自分はカーツェナルと共に、トロンの報告で腐臭が漂っていた

と言われる部屋の調査へと向かう。

 

「さて、トロン氏の情報によると、今から行く部屋には何かが潜んでいるのは間違いない。

 カーツよ、もしワシがそれを見て我を忘れそうになったとしたら、止めてくれるか?

 勿論自分でも抑えようとはするが...まだ自信が持てないでな...」

 

魔法生物かも知れない、とは言っていたが、不死者である可能性も捨てられない。

前回は不死者の前に自分を見失い、仲間を死地に向かわせる所だった。

そうした愚行を繰り返さない為に、自分に何度も言い聞かせる。

 

―――落ち着け。

 

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PLより:今までの補足描写その1。