駆け抜ける
トロン(リュート) 2011.05.30 [00:47]
「さて...やりますか」
ガラフに精神力を分けてもらい、調子の良くなった僕はコキコキと首を鳴らしてから杖を構える。
『万能たるマナよ、我に汝を見る眼を与えよ』
呪文を詠唱し、杖を振るって魔力感知を発動。
それと同時に駆け出し、三層の部屋を次々と見て回る。
* * * * *
「結果報告。まず施錠された鍵と天井の照明、骨従者は予想通り。あとは腐臭のする部屋の木箱の陰と、これ見よがしにお宝が転がってる部屋の床全部、鉄扉の奥に居た魔物の傍に置いてある剣も光ってた」
ここまで言って、自分でも頭の中で情報を整理してから再度口を開く。
「まず結論として、あのお宝の部屋は罠の可能性が高いと見るよ。露骨過ぎるし、床全体ってのもとっても気になる。フロアイミテーターっていう魔物を知ってるかい? 床に擬態する魔法生物の一種でね、生き物が足を踏み入れた途端獲物に絡み付いて、絞め殺した上で消化してしまう魔物なんだけど...金や銀、宝石なんかは消化できないんだよね」
それこそあの部屋みたいに。
「次にあの腐った匂いのする部屋だけど、木箱の陰で動く何かが光ってたよ。魔法生物の一種かもしれない」
危険なものじゃなければ良いんだけれど。
「あとは、剣だね。何かしらの魔法のかかった剣なのは間違いないと思う。とりあえずぱっと見では見たことのない魔物だったから、じっくり観察してみないといけないね。わかりやすいお宝で、価値も高そうだからイチオシかな」
骨従者と謎の魔物、これはじっくり観察してみるとしよう。
「こんなところだね。どうかな?」
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センスマの描写でござる(゚ω゚)