死闘終わって。
ガラフ(テッピン) 2011.06.03 [11:16]
>「...ふむ、結局何だったのだろうな」
戦い終わった後、セリトが呟いた。自分も含め、皆が感じていたであろう疑問だ。
>「黒水晶...古代魔法王国人の成れの果てかな?」
疑問にトロンが自分の考察を披露する。
>「古代魔法王国人はこの黒水晶を身につけることによって魔力の塔と呼ばれるモノから
> 無尽蔵の魔力を得ることが出来たらしいね。それがどういった方法で、
> どういった仕組みなのかは知らないけれど」
>「魔力の塔の崩壊でその魔力は引き出せなくなったらしいけど...
> 彼、あるいは彼女はどんな最期を迎えたのかな? 今となっては知る由も無いね」
そう言うと、トロンは亡骸から黒水晶を抜き取り、懐にしまった。
>「誰にも省みられないこの場所にずっと独りぼっちというのも寂しいだろうし、
> 連れ出してみようかな。本意じゃないかもしれないけれど、そこは敗者の運命ってことで」
「それでよかろうと思う。詳しい事情は分からんが、長い間現世に魂を縛られていたのだ、
トロン氏によって外の世界を見せてやるのが、せめてもの供養でしょうな。
彼の者の生前の信仰は分かりかねるが、ここは略式の弔いをさせて頂きたい。
皆、少々お付き合い頂けるだろうか...」
皆に亡骸の周りに集まって貰い、印を切って祈りを捧げる。
カーツェナルが背負い袋から、飴玉と、クッキーをいくつか取り出し、そっと亡骸に添えた。
―――深遠なる星界に住まうラーダよ。
今、永きに渡る呪縛から解き放たれ、彷徨える魂が貴方の御許へと旅立ちました。
彼の者の魂に、どうか安らぎをお与えくだい。
そして願わくば、今も尚彷徨う者達の為に、道を照らし続けてくださらん事を―――
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>「...さて、それはそれとして、結構な消耗をさせられた分、
> この部屋にはお宝を期待したいところだな」
>「みんなご苦労さん、セリトの言うとおり、お宝に期待したいじゃあないか。
> さぁ、キリキリ探すよッ!」
やはり盗賊組は現金なもので、蓄積した疲労は何処へやら、精力的に捜索を開始した。
この逞しさには適わないな、と内心苦笑しつつ、
自分も流石に今回はこの労苦に見合う成果が欲しいと思い腰を上げた。
要は遺跡を漁る自分も十分に俗物なのだ―――。
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捜索の結果、メガーヌが青く、複雑な文様を纏ったインク壷を発見した。
他には金銭的な価値のある者はなさそうだ。
逆に言うと、何も目ぼしい物がなさそうな中で、しっかりと見つける辺りは
流石と言える。
そして成果と言えば。
>「この剣は...うん、やっぱり魔法の発動体としての力を持ってる。
> 武器としても申し分ないな...」
>「鍔元に刻まれている術式は『制御』を示しているね...
> 発動体とするための術式の一部かな」
魔術師の不死者が持っていた魔剣。トロンの見立てによると、どうやらこの剣は
古代語魔術発動の媒体の役割を兼ねているらしい。
剣自体も、技術のある職人によって作られた業物のように思えた。
大きさ、重さ、取り回し。いずれもトロンによく合っている。
「色々鑑みたが、トロン氏の物にするとよかろうと思う。
黒水晶の主も、きっとそれを望むだろう。どうか、広い世界を見させてやって頂きたい」
知識神の神官として、聡明で繊細な魔術師の青年に改めて頼んだ。
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部屋の探索を一通り終えた後、部屋の奥にあるレバーを示してカーツェナルが言った。
>「レバー、動かします」
「そうじゃな。残された時間は少ない。先に進むとしようか!よろしく頼むぞ」
一時は死や撤退を覚悟したが、まだ余力は残っている。
決意を新たにし、気持ちを奮い立たせた―――
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PLより:今までの補足描写その4。やっと追いついた!