冒険者の時間

GM(Lain) 2011.06.02 [22:57]

 その死骸の額に残された黒水晶について、トロンには思い当たるところがある。

 古代魔法王国時代、魔術師たちが額に埋め込み、無限の魔力を得たというものだ。
 となればおそらく、この死骸は、かつて古代王国の住人であった、ということだろう。

 その魔術師が握っていた剣は、魔法の発動体であった。
 そのように見てみると、なるほど柄や護拳は発動体としての取り回しを考えられた作りとなっている。
 刀身の鍔元には、魔法文字が掘り込まれている――トロンが読めば、それは、【制御】を意味する術式であると解るだろう。

 500年の時を経てなお、刀身には錆びも刃こぼれも見当たらない。
 軽くでも振ってみるならば、純粋に武器としてのバランスも十分に考えられていることが解る。
 振るいやすく、力の乗りやすいよう、工夫がなされているのだ。

 武器として使うにせよ、発動体として使うにせよ、有用であることは疑う余地がない。

 室内を捜索する一行ではあったが、この部屋に置いてあったものは主に書物や羊皮紙の束であったようだ。
 木製の調度が朽ちる環境において、より腐食に弱い書物や羊皮紙がいかなる状態となるかは想像に難くない。

 多くは跡形もなくなり、たまさか形を留めているものも、そこに記された情報を読み解くには至らない。

 だがそんな中、メガーヌが黒ずんだ塊を拾い上げた。

 埃まみれのそれは、どうやら、インク壷のようだ。
 内部には固まったインクがへばり付いており、傍らには軸のみが残る羽ペンが転がっている。
 壷そのものもともすれば埃の塊にしか見えないが、汚れを拭うと彩釉を施した磁器の地が現れた。

 幾重にも重ねられた釉薬が、青を基調とした複雑なトーンの模様を生み出している。
 小さなものではあるが、価値は低くない――綺麗に磨いたあとで売れば500ガメルほどの値は付くだろう。

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■GMから:

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 全員のターン13です。
 なんでこうおたから関係出目がいいかなあ。


◆判定まとめ

 ●怪物判定:全員失敗
 ●黒水晶知識判定:トロン13(11以下失敗)
 ●剣に関する知識判定:メガ6ゾロ、トロン16、カーツ15
 ●捜索判定→価値決定:メガ14→8、セリト12→8


◆セージチェック関係

 ・アンデッドの怪物判定:全員失敗
 ・黒水晶の知識判定:トロンのみ成功。カストゥール時代、魔術師が無限の魔力を得るために額に埋め込んでいた黒水晶と判明。

◆戦利品

 ・発動体の剣:元必要筋力17以内、高品質2の剣。片手でも扱えるものに限る。魔法の発動体。形状と必要筋力を決定すること。売価未定。
 ・青彩釉の壷:青色の彩釉を施された磁器のインク壷。売価500ガメル。

◆判定

 探索完了!

 部屋の奥の壁から出ているレバーを操作する場合はその旨宣言すること。