闇の精霊

カーツェナル(さの) 2011.06.02 [03:15]

 部屋に入ると、蹲っていたそれはゆらりと立ち上がり、

 剣を手に呪文らしき物を紡ぎ始めた。

「――負の生命の精霊!」


>「――っ!? 雷撃の魔法だ! 身を低く、気をしっかり張って!」

 その言葉を理解したトロンさんが叫ぶ。

 その剣が指し示す先は。

「?!」

 さらに骨の従者がこちらに向かって来る。

 どうしたら――?

>「ほうらカーツ、ぼやぼやすんじゃないよ!

> 骨が狙ってるだろう!」

 ボクと骨従者の間にメガーヌさんが割って入ってくれた。

 その攻撃をメガーヌさんが受け流すと同時に、雷が走った。


 電撃は真っ直ぐに走り抜けた。

 その衝撃が激痛となって・・


>「イテテ、こりゃあ効くね!

> 肩こりが取れそうだよ!」

>「ぐぁっ...!」


 一瞬遠退く意識の端で、メガーヌさんとトロンさんの声を聞く。

 身体の中のあちこちが痛い。

 でも、まだ、立て、る。 

「あ、りがと・・メガーヌさん」

 何とか踏ん張ってその場に留まった。

 彼女が居なければ、ボクは立って居られなかった。
 

 敵の雷撃を受けたのは、ボク達だけでなく、骨従者も巻き込まれていた。

 メガーヌさんがその骨従者を粉砕する。


 トロンさんの闇の魔法が完成し、辺りが暗くなる。

 唯一の灯りはランタンの炎。


 闇に誘われて現れる、暗きを纏う者、闇の精霊・シェイド。

 セリトがシェイドを魔物に向かって放った。

 だけどその声を聞かず、シェイドは掻き消える。
  

 
『闇よ、暗きに住まう精霊よ』

 シェイドに呼び掛ける。

 雷撃の痛みで朦朧とする意識の中、精霊語を紡いだ。


 何て伝えたかも分からない。

 シェイドがそれを認識出来たかも分からない。


 闇の精霊はボクを一回りし、雷撃を放った魔物へと向かった。

 だが、その闇は魔物の表面で弾かれ、シェイドは消滅してしまう。


 シェイドが、ボクの周りにいくつか現れ始めた。

 闇の精霊。

 恐怖をも司る精霊。


 気をしっかり持たないと、飲まれる・・

 


>「闇の精霊よ、我が導きに従え!」

 セリトの良く通る声が響く。

 セリトから強く感じる、勇気を司る精霊・ヴァルキリー。


 流れが、変わる。


 その導きに忠実に従い、駆けるシェイドが敵を包み込む。

 精神を侵食する衝撃に、苦悶の声を上げる敵。


>「っくぅ...! このぉぉぉぉっ!」

 トロンさんが体当たりを仕掛けるも、敵はそれを避けた。


 再び剣を振るい、雷撃が襲って来る。

 今度はガラフさんに。

 何とか雷撃に耐え、力ある言葉を紡ぎ始めるガラフさん。


 次の瞬間、身体の痛みが消えて行く。

 これが、治癒の力・・?

「ありがとう、ガラフさん!」
 

 メガーヌさんも応戦しているけれど、敵は思っているより素早い。


 やらなきゃ。

 皆がくれたチャンス。

 見失いかけた勇気の精霊は、ここに居る。


『闇よ、暗きに住まう精霊よ』

 ふわりと寄って来るシェイド。

 恐怖に取りつかれているのはボクかも知れない。


 ――敵がトロンさんに向かって剣を構えるのが見える。


 痛みの恐怖より、敵に立ち向かう恐怖より。

 大切な人を失うかもしれない恐怖の方が、ボクには怖い。

 誰かに同じ想いなんて、させたくない。


『恐怖をも司る漆黒の存在よ。 舞え、穿て、彼の者の精神を!』

 指し示すは古びたローブを纏う、白茶けた骨の敵。

 見え隠れする額の黒き光。


 ――砕け!

――-*-――-*-――-*-――-*-――-*-――-*-――-*-――-*-―――
PL:色々力尽きた(゚w 。)

   皆ありがとうありがとう、おめでとうおめでとう!

Systemカーツさんが入室しました。


カーツ : 黒水晶判定 2D6 → 1 + 1 + (4) = 6
カーツ : 剣知識判定 2D6 → 6 + 5 + (4) = 15
カーツ : 平目探索 2D6 → 2 + 5 = 7
Systemカーツさんが退室しました。

価格ダイス カーツ2D6 → 5 + 3 = 8 (06/02-19:31:04)