魔犬との戦い。

ガラフ(テッピン) 2011.06.08 [23:24]

メガーヌが罠の解除に失敗し、探索が出来ないでいた鉄扉の部屋に再度向かう。

今度はセリトも同行している。メガーヌの記憶を頼りに二人の盗賊が協力して、

罠を解除する作戦だ。

どうやら罠はセリトが無事解除したようだが、開錠は上手く出来ないようだ。

そこをメガーヌが交代し、遂に扉を開けるのに成功する。

戦闘に限らず、熟練の二人の盗賊の存在は頼もしい限りだ。

 

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扉をそっと開けて、中を覗いて見る。

部屋の主はどうやら犬のようだ、それも2匹。幸いこちらには全く気づいてないようだ。

こんないつ餌を与えられたか分からないような迷宮の、封鎖された扉の向こうに居るのだ。

尋常な生物ではないのはすぐに分かる。しかし、知識を総動員しても心当たりがない...

頭を抱えていると、トロンが詳しく解説してくれた。

 

>「あれはヘルハウンドっていう異界の生物の一種だよ。動きは早いし体力も結構ある、

> 何よりあいつ獣の癖に火を吹くんだよね...前にそれで火傷したことがあるんだ。

> それにアイツは闇を見通す眼をもっているから、闇も効かない。

> 小細工無しの勝負になるよ。ちなみに火も効かない。可能であれば火を吹かれる前に

> 速攻で一体は潰したいところだね」

 

>「・・・要するに犬ってことだろう?

> じゃあとっととやっちまおうかねえ!」


「...そう言われると身も蓋もありませんな。いや、確かに見た目はまんま犬ですが」

 

トロンの話を聞いていたのだろうか。聞いていた上での台詞であったら、

皆を鼓舞しようとの彼女なりの気遣いなのだろうが、そうだと確信出来る決め手が

ないだけに、多少不安になる。

 

作戦はすぐに決まった。こちらに気づいていないのを利用しての強襲だ。

口火はトロンの<雷撃>の呪文で切る事になった。

 

>「トロンの電撃を合図に、一斉に突っ込む、と。いいね、シンプルでさ」

 

「単純ですが、裏を返せば上手くいかない場合手詰まりになる、という事でもあります。

 機は我々に向いているが油断なく行きたいものですな...」

 

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開戦の狼煙はトロンの古代語の詠唱によって上がる、筈だった。

 

>『万能たるマナよ! 雷槍となりて、貫け!』

 

しかし、詠唱が完成してもトロンの新たな獲物から、紫色の電光は疾らない。

 

>「あれっ?」

 

>「・・・ま、そういうこともあるさ」

 

他人の事だが、メガーヌの優しさが痛い。

 

しかし好機を逃す訳にはいかないので、一同部屋に雪崩れ込み、戦いが始まった。

 

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アクアブルーを手にしたカーツェナルの斬撃が、青い軌跡を描きながら、

魔犬の胴体に流れるように吸い込まれる。

それは魔犬の急所を確かに捉え、深く切り裂いた。

そこへ自分が勢いを存分につけた金棒を叩きつけ、素早く止めを刺す。

残った1匹もセリトが刺し、メガーヌが切り付けて手傷を負った所に、

古代語魔術の触媒の役割も果たす新しい愛剣を手にしたトロンが斬りかかる。

トロンの予想外の一撃を喰らって動きが鈍った所を、金棒で容赦なく叩き潰し、

戦いはあっけなく終息した―――。

 

>「...武器としては良いんだけど、発動体として使うにはちょっと練習いるね、これ」

 

珍しく呪文の発動を失敗したトロンが、自嘲気味に呟く。

 

「先程手に入れたばかりですからな。どんな名匠の手による武器であっても、

 感触や距離感に慣れ、真に使いこなせる様になるまでしばらく時間が必要じゃろう。

 トロン氏なら、時間を掛けて少しずつ慣れて行かれると宜しいでしょう。

 きっとこの剣なら貴殿の思いに応えてくれると思いますぞ」

 

この青年なら問題はなかろう、と思いつつ、つい一言言ってしまった...

 

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PLより:4部屋の描写。トロン、どんまい!!