擬態する魔物

GM(Lain) 2011.06.04 [01:20]

 カーツは矢を番えて弓を引き絞り、床の一点に狙いを定める。

 狙うと言っても相手は床。
 外しようのある的ではない。

 手前の鉄格子に当たらぬよう、それだけを意識し、矢を放つ。

 ただの床ならば鏃が床に傷を付け、浅く刺さるかどうか、というところだろう。
 ただの床ならば。

 床に矢が届いたその刹那、石の床にしか見えなかったそれが、大きく波打った。
 刺さった矢を払いのけるように床全体がうねり、生物のように――実際それは魔法生物なのだが――無数の触手を伸ばし、己を襲った何者かに反撃せんと宙を薙ぎ払う。

 トロンはその名を知っている。
 フロアイミテーター。

 その部屋の床は、彼の見立てのとおり、擬態した魔法生物だった。

 イミテーターがその本来の姿を現すと同時に、錠前がかちりと音を立て、鉄格子脇の壁の奥から短く重い響きが伝わる。

 鉄格子の錠には、いま一度鍵がかかったようだ。

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■GMから:

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 全員のターン14です。
 フロアイミテーターさんのご登場です。

 ご登場と同時に錠前が再度ロックされました。また、壁の奥からの音は、鉄格子を閉鎖する機構であろうと想像ができます。

◆判定

 戦闘を行う場合は基本的な方針を提示すること。
 戦闘を行わずこの場を離脱する場合はその旨宣言すること。

 なお、戦闘終了後に行う再開錠は判定を必要とせず、ターンも消費しない。