歳月に耐えたもの

GM(Lain) 2011.06.11 [23:37]

 冒険者たちは銘々に木箱を開け、あるいは壊し、中身を漁る。

 中身はおおよそ、食料品のようだ――残っているのは保存の利くものばかりで、それも大方は口に入れるのが憚られる状態になっている。
 辛うじてまともに残されているのは酒の入った小さな樽や瓶などだろうか。

 しかしそれも500年の年月を中身が耐えていればこその話だ。
 発泡酒は言わずもがな、醸造酒は酢のようになっていればまだマシなほうで、ほとんどは水に戻ってしまっている。

 飲めそうなものは結局、ふたつしか残らなかった。
 いずれも蒸留酒だ。

 ひとつはウィスキー。小さな樽に入れられ、厳重に封をされている。
 樽には薄れた焼印で『グレングラス』と記されている。

 いまひとつは北方産の火酒のようだ。
 こちらは陶製の瓶に収められている。コルクと蝋で厳重に封を施されているのは『グレングラス』と同様だ。
 破れたラベルには、消えかけた文字。『マハトイェスカヤ・スタルカ』と読める。

 セリトとカーツは知っている――いずれも、かつて名のあった、しかし今はもう存在しない銘柄だ。

 酒だけの価値であれば100ガメルも払えば飲めるものだろうが、希少価値を考えればその数倍にはなる筈だ。

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■GMから:

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 お待たせしました。全員のターン18です。
 相変わらず価値判定系の出目がいい件について。

◆戦利品

 以下の2品。
 いずれも開封すると売却できなくなるので注意すること。

 ・『グレングラス』:西方産の蒸留酒。いわゆるウィスキー。約40度。小さな樽に収められている。売価450ガメル。
 ・『マハトイェスカヤ・スタルカ』:北方産の火酒。いわゆるウォトカ。約65度。陶製の瓶に収められている。売価450ガメル。