光条

トロン(リュート) 2011.06.10 [23:49]

「ふむ、銀の武器かぁ...」

 見つけた斧やフレイルに喜ぶ銀月の面々を見て、少し考える。

 長い年月が経っても輝きを失わず、普通の武器が効かぬ魔物を傷つけることが出来る銀の武器。

 古代魔法王国時代の遺跡で見つかることも多いそれは、やはり昔から重宝されてきたのだろう。

 

「でも、贈り物には向かないよねぇ...」

 そんなことを呟きつつ、一層で手に入れたターコイズのはめ込まれた銀の腕をを見る。

 これなんか丁度良いんじゃないだろうか?

 

     *     *     *     *     *

「さて、わからないぞ...どうしたものかな。また力押しか? うーん」

 謎の魔法生物を睨みつけつつ、唸る。

 相手が何かはわからないが、こうなった以上最大火力で押し切るのが吉だろうか。

 

「よし、ここは魔法で押し切ろう。メガーヌの斧に火炎付与をかけて、あとは攻撃魔法で遠距離から撃滅と」

 そう言って再び僕は発動体の剣――ルーンハンドラーを構える。

 

『万能たるマナよ、炎となりて宿り、敵を討て!』

 

     *     *     *     *     *

「さて、と...じゃあやろうか」

 カーツとセリトがサラマンダーを喚ぶのを見ながら、僕自身も魔法の矢の詠唱を始める。

 

『万能たるマナよ...』

 ただの矢ではない。

 螺旋状に回転し、打ち抜くイメージ。むしろ矢というよりは槍に近いそれを構成する。

 

『光となり、穿て!』

 凄まじい速さで迸る光の矢がこちらへと向かってくる謎の怪物の中心を貫く。

 苦悶の叫びをあげ、身をよじらせる怪物。

 しかし――

 

「浅いっ!?」

 それでもなお突き抜けてくる謎の怪物に包まれ、咄嗟に口を覆って息を止め、バックステップする。

 なんとか謎の怪物から逃れたところで燃え盛るメガーヌの斧が怪物を捉えた。

 燃え上がる魔物、後には腐敗臭のような残り香だけが冷たく澱んでいた。

 

     *     *     *     *     *

「うーん...ケホッ。どうにもゴミばかりに見えるけど」

 先ほど吸い込んだ毒のせいか少し咳き込みつつ、あたりの物を杖で突付き回してみる。

 

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いちたりなかったのでやる気なし(゚∀゚)