暗闇の中の敵

セリト(彩月) 2011.05.28 [00:11]

ある程度の探索を終えて、そこそこの収穫ができたところで全員でそろそろ3層へと向かう話が出てきた

確かに、これ以上細かく調べていては3層を調べる時間的余裕がなくなるかも知れない

何よりメガーヌが手頃どころか、十分な武器を手に入れたのは大きい

2層でこれほどの高品質武器が手に入るのなら、3層ではもっと大きな収穫が期待できるだろう

 

戦闘から戻ってきたカーツの包帯を一度解き、水袋を開けて洗浄して包帯を巻きなおしながら戦闘案を相談する

 

どうやらこれまでと同じくダークネスで相手の視界を塞いでの戦いになりそうだ

正直私のインフラビジョンではダークネスの闇は見通せないため、戦力外という事になりそうだが

 

「...ふむ、人数不足か」

 

石従者2体にスケルトンウォーリアの計3体、ガラフとメガーヌだけでは後ろにいるトロンへと抜けてくる

先程メガーヌが失敗したと言っていたタペストリの部屋の鍵へと向かいかけてた足を止め

鍵開けのツールを仕舞い、背中に背負っていたルーサーンハンマーを降ろす

この重さが手にあればこそ、心も高揚してくる

 

「さて...ここまで散々退屈したのだ、闇の中であろうとぶん殴って少しは退屈凌ぎをさせてもらおうか」

 

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闇の中、迫り来る風切り音を頼りに石の拳を回避する

まったく見えないこの闇の中でさえ、メガーヌとガラフは闇を見通し的確に戦闘をしているらしい

...やがて重いモノが2つ崩れる音がした、どうやら石従者を両方倒したらしい

そろそろ私の出番か......っ!

油断していたつもりはない、しかし気が逸ったか、風切り音を頼りに避けていたハズの攻撃が袈裟気味に私の体を切り裂いた

スケルトンウォーリアーか、石従者とはさすがに攻撃の鋭さが違う

 

「...だが、舐めるでないぞっ!」

 

闇を見通せずとも、攻撃を受けて黙っているなど私の性分には決して合わない

ルーサーンハンマーを振りかぶり、たった今攻撃を受けた場所に豪快に振り下ろす

我が一撃、骨ごときに止められはしまいっ!

 

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