名工の斧

トロン(リュート) 2011.05.25 [21:03]

「ふーむ...」

 ガーゴイルの居た武器庫に足を踏み入れ、そこらに散乱している武器の類をひっくり返す。

 バラバラに打ち砕かれたガーゴイルの破片が邪魔だったので、足で蹴って退かしつつ――ん?

 そんな折、錆が浮いて使い物にならなさそうな武器の中にとても状態の良い柄を見つけた。

 

「これは...っと、この、よっと...それっ」

 がしゃんがしゃんと半ばガラクタと化している『元・武器』達を退けてその柄を引っ張り出す。

 見事な出来の戦斧だった。

 鍛え上げられた刃は力強い肉厚の片刃、大振りな斧頭には立派な豹の顔が彫刻されており、その目には美しく研磨された虎目石が嵌めこまれている。

 見た目に反して軽い――いや、これは握りの内部に匠の業が冴えていると見た。

 肉厚の刃と振り下ろした時に威力を高める大きな斧頭、それとバランスを取る為に握りの中に重い金属を仕込んであるのだろう。

 僕でも簡単に...いや、むしろ些か軽く感じるほどに扱いやすい。

 

「メガーヌ! 良いものがあったよ!」

 僕の声に反応し、メガーヌが駆け寄ってくる。

 

「トロォォン!
 そりゃあまた業物じゃあないか。
 いい斧だ。
 ブン盗られちまった鬼の手より、洒落てるねえ」

「かなりの業物だね。刃も勿論だけど、扱いやすさと威力を増すための工夫が凝らされてる。宝物としての価値が高いものではないけれど、ここまでの業物はお金を積めば手に入るってものじゃないし」

 どのような人物がこの斧を作り、鍛え上げたのだろうか? 興味が尽きない。

 

「そうだね、ここを出るまではそうすると良いと思うよ。それだけの業物、使わない方が勿体無いし」

 

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イヤッホォォォゥ! これは素晴らしい業物ですね!(・∀・)

バッソを期待していたが...だがこれはいいものだ!

私も10/15にしてメガーヌが使うのに賛成です!