遺跡に向けて
セリト(彩月) 2011.05.13 [20:30]
オランから蛇の街道を北に2日。側道へ入り、さらに半日。
エストン山脈の南のはずれ、険しい山の中腹にその遺跡はある
とは言え、以前にも通った道だ、前回の行き帰りに野営に良さそうな場所や湧き水などの位置も確認してある
夜を徹して歩くほどの急ぎの旅でもなく、陽が落ちる前には野営の準備をする
ガラフとトロンにテントの設営を頼み、私とメガーヌが野生動物を狩り、カーツが料理する
そのついでに、前回空っぽになった薪箱の中にちょうど良さそうな薪も十分に補給できた
やがて遺跡が見えてくると、管理者の魔術師が読んでいた本に栞をはさんで立ち上がって出迎えてきた
前回もそうだったが、よほど暇なのだろうな...
「また来た、今回もよろしく頼む」
軽く挨拶を交わして、遺跡内部へと進む
ここまではまったく以前と変わってはいない
やがて以前と変わらぬ魔法陣の転移によって、見知らぬ場所へと辿り着いた
かすかな潮の香りは、この遺跡が地表へと顔を出している事を示しているのだろう
「さて、まずはざっと調べて方針を決めるとしようか」