開錠ふたたび

GM(Lain) 2011.05.18 [23:04]

 メガーヌ、トロンと別れたセリトたちは、松明に火を入れる。
 1本、2本。

 揺らぐ炎の中に、ちらちらと火蜥蜴の姿が見える。

 セリトは鉄格子の隙間から、1本を室内に投じた。
 乾いた音を立てて松明は床に転がる。

 水こそ溜まっていないものの湿気をたっぷりと含んだ床に触れ、松明がしゅうと音を立てた。

 揺れる暖色の明かりに照らされた室内に、動くものはない。
 四方の壁、天井、階段。反応するものはない。

 しばらく待ってみても、松明の火が少し小さくなる程度で、目だった変化はないようだ。

 セリトはレバーの脇、小さな鍵穴に道具を差し込む。
 内部を探る指先に、違和感を覚えた。

 普通ならば存在しない筈の場所にピンがある。
 錠を回すためのピンではなく――罠の引き鉄。

 そのピンを押さずに、つまりは正規の鍵を使わずに開錠すれば、罠が発動する仕掛けだ。

 仕掛けに気付いてしまえば、錠も罠の機構も、そう大仰なものではない。
 ピンを押しながらいつもどおりに開錠操作を行う。

 がちり、と重い音。
 なにかが固定されるような響きが、壁の奥から伝わった。

 続いて軽い金属音。
 レバーを固定する機構が外れたようだ。

 レバーを引き下ろせば、鉄格子が軋んだ音を立てながら天井へ引き込まれてゆく。

 広間の奥の階段に近づけば、より強く潮の臭いがすることだろう。
 階段の途中には踊り場があり、その先は見通せない。

 ただ、ふたつの階段は、それぞれ別の場所へ通じている様子だ。

 階段の天井には、この層にあるのと同じ魔術灯が配置されている。
 いましばらく明かりの心配をする必要はなさそうだ。

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■GMから
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 セリト、ガラフ、カーツのターン3です。
 鉄格子の開閉機構に連動した罠を発見し、解除しました。開錠にも無事成功しています。

 動くものの姿はありません。

 床に落とした松明は、ターン3の終了時に燃え尽きたものとします。

 この部屋の奥の階段から、次の層に進むことができます。
 進む先は(そう遠くはないけれど)各々別の場所、とお考えください。

 階段の方向から考えて、部屋4の通路の先とも違う場所と判断できます。


◆判定
 階段を進むPCは、2D6を2回振ること。