No Such Dungeon Exist.

GM(Lain) 2011.05.13 [02:04]

 遺跡。

 危険な怪物と陰険な罠に満ちた場所。
 秘された知識と貴重な財宝の眠る場所。

 冒険者たちは知識と財宝とを得んがために怪物と罠に挑む。
 あるものは勝って望むものを得、あるものは敗れて命を失う。

 なぜそのように危険な場所へ赴くのか、そう問われたある冒険者はそれらしい理由を見つけようとして答えに詰まり、しばしの黙考の末にこう答えた。

「だって、冒険者ってそういうもんだろ?」

 新王国期の冒険者にとって遺跡とは、まさに彼らのための場所なのである。

 

 さて、ここにひとつの遺跡がある。
 随所に設置され、今もなお稼動する転送の魔法陣から、古代王国期の遺跡であることには間違いがない。
 しかし誰が、何の目的で構築したものなのか、それを知るための手がかりがない。
 それどころか、いまだ規模すら判然としない。大規模なものであるらしい、という程度のことしか解ってはいない。

 5組の調査隊を送り込み、帰ってきたのが4組で、しかもそれぞれの報告が矛盾する。
 かかる状況に接し、遺跡の管理者は調査の方法を改めることに決めた。

 すなわち、遺跡と聞けば望んで危険に立ち向かう者たち――冒険者を送り込めばよい。

 ――かくして遺跡は開放された。


 挑む者たちの義務はふたつ。
 魔法結界を制御し、転送を行う魔法装置を起動させるための魔晶石を自弁すること。
 帰還した際は、内部の構造について管理者に報告を行うこと。

「それさえ守って貰えるならば、あとは自由にしていただいて構わない。
 無論、発見された財宝も。希望があれば財宝については適正な価格で引き取ろう。
 内部の情報についても、報告に応じて報酬を支払う」

 遺跡の管理者、オラン魔術師ギルドのさる導師はそう告げた。
 思い出したように付け加える。

「ああ、進入のための魔晶石は市価で引き渡せる。必要であればご用命を」

 もし君たちが先達から遺跡内部に関する情報を得ていて、それを彼に確認したならば、彼はこう答えるだろう――

「そのような遺跡は存在しない」

「いや、まあ、言葉通り『存在しない』というわけではないのだが」
「今までに我々もそれなりの数の調査隊を送り、君らのような冒険者も何組か入ったが、遺跡内部についての報告はまちまちだ」
「君が聞いたその遺跡の話は忘れたまえ。
 新たな遺跡に挑む、というつもりでいた方がいい」

「さて、なにか質問は?」

「無ければこれを。
 現地にいる者に見せれば遺跡に入れることになっている」

 封をした羊皮紙を手渡し、導師は話を締めくくる。

「では諸君、幸運を。
 よい報告を期待している」

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■GMから

導入部です。
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◆入場料
 早速ですが、入場料として「全員で1600ガメル」を消費してください。魔晶石代です。
 負担の分配はご随意に。毎度ありがとうございます。


◆装備の確定・購入
 遺跡内に持ち込む装備を確定させてください。
 武器・防具のほか、ロープや楔、照明器具、シーフ用ツールなどの一般装備も申告が必要です。
 また、武器・防具を複数お持ちの方はデフォルトの装備を申告してください。

 武器・盾の持ち替えにかかる時間ついてはルールブックに準じます。
 鎧を着替えるためには、1ターンの時間が必要とします。
 ポールウェポンについては、特に指定しない限り不自由なく使用可能です。

 通常材質・通常品質の武器および防具を含む通常装備は自由に購入が可能です。
 何をいくらで買ったかなど、書いておいていただけると助かります。

 特殊な装備については、魔晶石のみ購入のチャンスがあります。
 遺跡への進入に必要なもののほか、ひとり1d3個、3点までの魔晶石を購入できます。


◆遺跡の情報について
 入るたびに転送される先が変わりますので、事前に信頼性のある内部情報を得ることはできません。
 遺跡の噂は、「セージLv+知力B」で目標値10の判定に成功すれば聞いたことがある、としましょう。
 財宝をゲットして帰還した冒険者もいくらかいるようです。勿論帰ってこn・・・いえなんでも。

 要はアレです。『不思議なダンジョン』のノリです。ううん知らないけどきっとそう。
 GMが参考にしたのは某ネトゲのインスタンスダンジョンだったりするわけですが。

 

 全員の装備が確定しましたら、第1層のマップを公開いたします。
 質問には可能な限りお答えします。なんでもお気軽にどうぞ!

 それでは皆様、ようこそ遺跡へ。
 1ヶ月間、よろしくお付き合いのほどを!