綻び。

ガラフ(テッピン) 2011.10.18 [19:13]

>《火よ! 炎のトカゲよ!》

>《あの妖魔の生命の炎を食らえ!》

マルドルが火蜥蜴に呼び掛け、燃え盛る藁塚から炎の舌が伸び、
ゴブリンの肌を激しく焼いた。
自分が間髪入れずに放った矢は、脚を掠めはしたが、止めを刺すには至らない。
息も絶え絶えになりながらも、太鼓を打ち鳴らし続けている。

「くっ、浅かったか...!」

周囲を確認すれば、リュエンとラッシュは優位に戦いを進めている模様だ。
しかし、チルグラの魔法で眠っていた筈のゴブリンが1匹、
ゆっくりとではあるが身体を動かし、起き上がろうとしているではないか。
...これは、目覚めている?

「いかん...あれを放っておけば、せっかく眠らせた連中を、
 皆叩き起こされてしまうぞ!」

そして小さな綻びは、幾重にも折り重なる。

「!?」

南の方から聞こえて来た呼子の音。
それが聞こえてきたという事は、つまり。

「やはり、別働隊が居たか!つまり、さっきの太鼓のリズムの変容は、
 別働隊への支持だったという訳じゃな!
 ...妖魔が一端の戦術を使いよるわ!何と賢しい連中じゃ!」

半ば感心し、半ば呆れながらぼやく。
幸いなのは、南にあらかじめ警戒を呼び掛けた事だ。
全員とは行かないだろうが、狩人と従士が対応はしてくれているに違いない。
村人の悲鳴や、あからさまな破壊音が聞こえないのがその証左と言える。

しかし、別働隊は果たして何匹居るのか。
予測通りに「呪術師」が居たとなると、従士や狩人の手には追えないだろう。
仮にホブゴブリン1匹が居ただけでも、彼等には十分な脅威だ。
まともに戦えるのがアルフレド1人では、辛すぎる。

戦力分散の愚は犯したくはない。
本来なら、戦力は1箇所に結集すべきもの。
我々は全力で、この戦線を維持し、目の前の敵を、「王」を叩かねばならない。
そもそもこれだけの大群を相手に、戦力をこれ以上裂く余裕は無い。
そしてその為に、南の守りを従士と狩人に託したのだ。

だが、嫌な予感が頭を離れない。
南門を突破された場合、思うざまに内部を食い荒らされてしまう。
そして、残されているのは何の抵抗の手段も持たない村人達...

どうする?

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PLより:色々と悩ましい状況になりましたね...(>w<)
     細かい提案はPL掲示板に上げるとして、此処は繋ぎの描写をば。
     太鼓ゴブリンを仕留められなくて、ホントにすみません(+。+;)