それぞれの緒戦
GM(Lain) 2011.10.13 [22:18]
ガラフが弓に矢を番え、続けざまに放つ。
常人にはいまだ見通せぬ闇の奥、一の矢は隊列の端に陣取ったコボルドの胸の中心を貫いた。
無論妖魔たちとて防御射撃の存在をまったく意識していなかったわけではない。
だが、闇を通して正確な、そして苛烈な射撃を受けるとは考えていなかった。
当のコボルドは信じられぬといった表情で己の胸に突如生えた矢柄を見つめ、ため息のような声を少量の血とともに吐き出し、仰向けに倒れた。
ばたばたと数度、手足をでたらめに動かして、そのまま静かになる。
同族に降りかかった災難を目の当たりにして狼狽したもう1匹が事態を確かめようと横を向いた瞬間、二の矢が彼を襲った。
側頭部を射抜かれた彼は棒かなにかのようにどうと倒れる。
その身体が地面に叩きつけられたとき、彼は既に絶命していた。
決してまぐれ当たりではない、そう認識した妖魔のもとに三の矢が飛来する。
運悪しく狙われたゴブリンは脇腹に深手を負い、苦痛と憎悪の呻き声を上げる。
たった三本の矢は2匹の妖魔の命を奪い、1匹に傷を負わせた。
冒険者たちにとっては、幸先の良い戦果と言える。
※ ※ ※
ガラフに倣い、クーフェリアスもまた矢を番え、射る。
しかし敵はいまだ闇の奥、ほとんど視認もできない。
かすかに見える輪郭を狙って射掛けるも、遠近感すらおぼろげな状況では命中を期待することすらできはしない。
ガラフの攻撃と相俟って多少は妖魔の足を遅らせたかもしれない――効果はそれ以上でもそれ以下でもないだろう。
※ ※ ※
マルドルは敵が当初のおよそ半分、数十歩の距離まで近づくのを待ち、【光明】の魔法のかかった小石を投げ込む。
それは妖魔どもの目前、十歩ほどの場所に落ちた。
途端に無機質な、しかし十分なだけの明るさを持った魔法の光があたりを満たす。
妖魔どもは突然に現れた光にやや怯んだ様子ではあるが、歩調は落とさない。
じりじりと前進を続けている。
※ ※ ※
リュエンとラッシュ、チルグラはそれぞれに敵を待ち受ける。
リュエンは棒を、ラッシュは鎚矛と盾を構えながら。
チルグラは杖を手に、【眠りの雲】の発動の手順を思い返しながら。
やがて藁塚の燃える光の中に、そして【光明】のもたらす魔法光の中に、妖魔どもの姿が現れるだろう。
※ ※ ※
どーん どーん
どどん。
一定の、ともすれば単調なリズムを刻んでいた太鼓が、唐突に2度連打された。
それが合図だったのだろう。
妖魔どもは一斉に振りかぶり、持った手斧を投げつけてくる。
どん どん どん どん どん どん どん
直後、ふたたび太鼓のリズムが変化した。
そして喊声。
腰の斧を抜いた妖魔どもが、冒険者たちの防衛線を突破せんと突っ込んでくる――!
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■GMから
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さていよいよ戦争のお時間です。
準備はよろしいでしょうか。
現在(4R開始時点)の配置はこちらの記事のとおりです。
1Rから3Rの結果、U2のコボルド2体が射殺され、ゴブリン1体が重傷です。
なお、クーフェリアスの矢は全て外れております(3Rの終了時まで、U2は明かりのない場所にいます。クーフェリアスは暗視/インフラビジョンがないため、攻撃には-4の修正がかかります)。
マルドルが投げたライトの小石によりC3に明かりが入りました。
チルグラの警戒に反応するなにかは特にありません。
>みなさま
4Rと5Rの行動の提示をお願いします。
妖魔側は、
U1:4Rは斧投擲(マルドルにコボ+ゴブ×2、ラッシュにコボ+ホブ)、5Rは行動順位0・全力移動でD3へ
U2:4Rは斧投擲(リュエンにゴブ+ホブ、チルグラにゴブ)、5Rは行動順位0・全力移動でD4へ
L:4Rは全力移動でA5へ、5Rは全力移動でB5へ
です。
選ばれた方は各自必要な分の回避・防御をどうぞ。
なお、U1のうちコボ2匹とゴブ1匹はチルグラのスリクラで寝ました(4R妖魔行動前)。また、U2の残り3匹もチルグラのスリクラで寝ております(5R妖魔行動前)。
なお次回の進行予定は10月15日22時です。
よろしくおねがいしますねー!
Lain@あさると : U1攻撃対象:コボコボゴブゴブホブの順、1がマルドル2がラッシュ 5D2 → 1 + 2 + 1 + 1 + 2 = 7
Lain@あさると : U2攻撃対象:ゴブゴブホブの順、1リュエン2ガラフ3チルグラ4クーフェリアス 3D4 → 1 + 3 + 1 = 5