戦場(いくさば)へ
マルドル(LINTS) 2011.10.11 [00:12]
最初に気づいたのはガラフ。
ほぼ、同時に私の目も『それ』を捉える。
その人影は時をおかず数を増やし。
>「どうやらおいでなすったようじゃぞ...」
「ああ――来たか」
ガラフと共に、
「アルフレド!」
隊長へ、敵襲を告げた。
同時に、集まってきた仲間へも敵の数と状況を告げる。
「数は17、コボルド4、ゴブリン10、ホブゴブリン2、ロード1!
奴らは森の境界で隊列を整えてる。
あの足跡が示したとおり、2グループ――いや、ロードを入れると3グループだ」
数と戦略で圧してくるか。
ゴブリンのくせに、な。
☆
ガラフが、アルフレドへ作戦の変更を伝える。
その顔に浮かぶ一瞬の逡巡と疑問――
「アルフレド!」
「万が一が起きた時、村人達が即座に逃亡できるように
一箇所へ集めておいてほしいのだ」
「敵の出方がまだ見えぬ今、迂闊には動けぬ。
しかし、流れが見えてからの集合は確実に避難が遅れよう。
それを避けたいのだ」
「それに、戦士としてのあんたの腕を信用しないのではない。
戦える者全員がゴブリン戦に向かって全滅しては、
脱出の時、村人を守る者がいなくなる――それは、避けたい」
「南か北か、どちらへ逃げるかの最終判断は一任する。
私達より戦いの経験のあるあんたなら、より正しい判断ができるだろう」
「土壇場で作戦を変えて申し訳ない」
頭を下げる。
そして、アルフレドは――我々の案を受け入れ、持ち場へ戻っていった。
火矢の支度を受け取り、部下達の元へ駆けるその背に
「すまない――ありがとう!」
短く言葉をかけ、私も踵を返す。お互い、生きて朝日を見よう。
☆
「チルグラ、これを使ってくれ」
ガラフの盾と共に、腰の短剣を手渡した。
「魔法のダガーだ、護身になろう」
ライトの小石のひとつは、先の打ち合わせでクーフェリアスに手渡してある。
ガラフとラッシュの相談に耳を傾けながら、
「ガラフの指示に従おう」
と、同意の意を示す。
多く語る必要は無い。
ガラフの言葉に、自分の意図したいものがあるからだ。
「クーフェリアス、火矢を頼む。
それから、この呼子も。我々が崩れたらお前が吹いて欲しい」
アルフレドとボリスから預かったそれを、若き神官戦士へ預ける。
「チルグラ、あんたの魔法が頼りだ」
「リュエン、ラッシュ、よろしく頼む」
「ガラフ――あんたが一番忙しいと思うが、無理はするなよ」
始まったばかりの『銀月』へ、戻らなきゃあならんしな。
「――私は、自分の出来ることをしよう。
ゴブリンロードを潰すことが出来れば上等だが、
撤退を始めたら深追いはしないでおこうと思う」
メイスを抜き、盾を構える。
>「死ぬつもりはさらさらないが、命を捨てる覚悟はとっくにできている。
> もともと、拾いものだからな。」
>「同感じゃ。此処は難局なれど、死中に活を見出す事にしましょうぞ!」
「ああ、皆と共に朝日をみよう」
ヴァルキリーよ。私に勇気を。
しかして死に至る道はいらぬ。
私が欲するのは、あくまでも
生へと繋がるただひとつの道。
暗闇に似た空虚へと踏み出す
ただ一呼吸分の勇気のみなのだ。
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この話をしている時は、E4ということですね。
この後、柵外へ移動ですが、ガラフ案では
『U1対応:マルドル、ラッシュ、クーフェリアス
U2対応:ガラフ、チルグラ、リュエン』
ということなので、D3へ移動します。
あ、独断ですが呼子は、クーに渡しておきますね。