戦場(いくさば)へ

マルドル(LINTS) 2011.10.11 [00:12]

最初に気づいたのはガラフ。
ほぼ、同時に私の目も『それ』を捉える。

その人影は時をおかず数を増やし。

  >「どうやらおいでなすったようじゃぞ...」

「ああ――来たか」

ガラフと共に、

「アルフレド!」

隊長へ、敵襲を告げた。
同時に、集まってきた仲間へも敵の数と状況を告げる。

「数は17、コボルド4、ゴブリン10、ホブゴブリン2、ロード1!
 奴らは森の境界で隊列を整えてる。
 あの足跡が示したとおり、2グループ――いや、ロードを入れると3グループだ」

数と戦略で圧してくるか。
ゴブリンのくせに、な。



ガラフが、アルフレドへ作戦の変更を伝える。
その顔に浮かぶ一瞬の逡巡と疑問――

「アルフレド!」

「万が一が起きた時、村人達が即座に逃亡できるように
 一箇所へ集めておいてほしいのだ」

「敵の出方がまだ見えぬ今、迂闊には動けぬ。
 しかし、流れが見えてからの集合は確実に避難が遅れよう。
 それを避けたいのだ」

「それに、戦士としてのあんたの腕を信用しないのではない。
 戦える者全員がゴブリン戦に向かって全滅しては、
 脱出の時、村人を守る者がいなくなる――それは、避けたい」

「南か北か、どちらへ逃げるかの最終判断は一任する。
 私達より戦いの経験のあるあんたなら、より正しい判断ができるだろう」

「土壇場で作戦を変えて申し訳ない」

頭を下げる。

そして、アルフレドは――我々の案を受け入れ、持ち場へ戻っていった。
火矢の支度を受け取り、部下達の元へ駆けるその背に

「すまない――ありがとう!」

短く言葉をかけ、私も踵を返す。お互い、生きて朝日を見よう。




「チルグラ、これを使ってくれ」

ガラフの盾と共に、腰の短剣を手渡した。

「魔法のダガーだ、護身になろう」

ライトの小石のひとつは、先の打ち合わせでクーフェリアスに手渡してある。

ガラフとラッシュの相談に耳を傾けながら、

「ガラフの指示に従おう」

と、同意の意を示す。
多く語る必要は無い。
ガラフの言葉に、自分の意図したいものがあるからだ。

「クーフェリアス、火矢を頼む。
 それから、この呼子も。我々が崩れたらお前が吹いて欲しい」

アルフレドとボリスから預かったそれを、若き神官戦士へ預ける。

「チルグラ、あんたの魔法が頼りだ」
「リュエン、ラッシュ、よろしく頼む」
「ガラフ――あんたが一番忙しいと思うが、無理はするなよ」

始まったばかりの『銀月』へ、戻らなきゃあならんしな。

「――私は、自分の出来ることをしよう。
 ゴブリンロードを潰すことが出来れば上等だが、
 撤退を始めたら深追いはしないでおこうと思う」

メイスを抜き、盾を構える。

  >「死ぬつもりはさらさらないが、命を捨てる覚悟はとっくにできている。
  > もともと、拾いものだからな。」

  >「同感じゃ。此処は難局なれど、死中に活を見出す事にしましょうぞ!」


「ああ、皆と共に朝日をみよう」


   ヴァルキリーよ。私に勇気を。
   しかして死に至る道はいらぬ。
   私が欲するのは、あくまでも
   生へと繋がるただひとつの道。
   暗闇に似た空虚へと踏み出す
   ただ一呼吸分の勇気のみなのだ。


PL>
この話をしている時は、E4ということですね。

この後、柵外へ移動ですが、ガラフ案では

『U1対応:マルドル、ラッシュ、クーフェリアス
 U2対応:ガラフ、チルグラ、リュエン』

ということなので、D3へ移動します。
あ、独断ですが呼子は、クーに渡しておきますね。