長い夜の始まり。

ガラフ(テッピン) 2011.10.10 [00:06]

「ん?」

最初気づいた異変は微かなものだった。
北西の森、牧草地との境界の樹木線。
その向こうでちらちらと蠢く影。
この闇を見通す目はすぐに正体を把握した。
ゴブリンだ。

「どうやらおいでなすったようじゃぞ...」

小声で仲間に伝え、警戒を促す。
さて、森から現れたゴブリンはどんどんと数を増していく。
だが、ざわめきは聞こえない。妖魔らしからぬ、粛々とした動きを見せる。
牧草地へ出たのは全部で10匹。二つの部隊に分かれた模様だ。
種類はコボルド、ゴブリン、ホブゴブリン。いずれも均等な配置だ。
そしてその奥には。

「木陰に噂の『王』がおるな...護衛の数も多い...6匹じゃと?」

これには驚く。先の襲撃で確定した数は12匹。
今目の前で展開されている敵は...17匹!

「これは予想を遥かに上回る軍勢じゃ。敵勢は『王』を含めて17匹と
 きておる!皆、最大限に警戒せねばならんぞ!」

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アルフレドに敵襲の報を伝える。

>「敵襲ーーーーーーーーッ!」

>「フラーーーーンツ!
> あとのふたりを起こせ!
> エルメルに猟師を呼んで来させろ!
> デニスを南門に残し、あとはここへ集合!
> 急げ!」

アルフレドは迅速に指示を出す。
だが、

「アルフレド氏よ。従士と狩人を集結させるのはしばしお待ち頂けるかな?
 敵は見せ付けるかの様に、眼前で悠長に陣形を整えてきおった。
 しかも前回と同じ北西からじゃ。ワシはこれを怪しいと睨んでおる」

北西部への全戦力の集結は踏み止まって欲しい事は伝える。

「敵は視認出来ただけで17匹。これは当初の予想を大幅に上回る数じゃ。
 そして、17匹もの群れを如何『王』とはいえ、1匹で統率出来るものか...
 つまり副官の存在が疑われる」

事態が事態なだけにどうしても早口になってしまう。

「今北西部に全戦力を集結すれば、必然南門は手薄になる。
 もし其処に副官率いる別働隊が急襲すれば?
 簡単に破られてしまう事じゃろう」

すぐに言葉を続ける。

「一度南を破られ内部を荒らされては北西部の我々も戦線を維持出来ん。
 奴等の思うままに蹂躙されておしまいじゃ。
 じゃから、アルフレド氏よ、貴殿は従士隊と狩人の方々を率いて
 南方の警戒と村人の避難誘導にあたって頂きたい。お願い出来ますかな?」

アルフレドの瞳をじっと見つめる。

「今述べた事は想像に過ぎん。ただ、最悪の想像じゃ。
 最悪の想像を現実のものとする訳には断じていかん!
 この場は我々冒険者が食い止める故」
 
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>「おいでなさった・・・てか。」

ラッシュは予想通り嬉しそうだ。

>「で、どうする? 
> 柵を越えて来るところを狙い撃ちってのがいいと俺は思うんだが。」

「それはワシも考えた。此処が城砦で他にも兵が居るならよい選択肢じゃが、
 一歩間違うと一気に崩壊しかねない。止めておこう」

熟練の傭兵と戦術について語り合うと何処か安心感を感じる。
やはりラッシュの存在は頼もしい。

>「ガラフ、このパーティの要はあんただ。あんたが決めてくれ。」

<癒し>が使えるという点では要かも知れないが...

「ご謙遜を、ラッシュ氏。皆で考え、皆で生き残りましょうぞ...

 さて、ワシ等はとにかく眼前の軍勢を相手に、何としてでも勝利を
 収めねばならん」

仲間を改めて見回し、自らを鼓舞するように続ける。

>「俺は、守っているだけってのが、苦手でね。」

ラッシュは持論を此処でも繰り返す。

「主戦場の設定だが、藁塚への点火が完了し次第、討って出るべきだと思う。
 門の眼前で固まっていては、敵の物量に押されて突破されかねんからの!」

ラッシュ、リュエン、マルドルを見つつ。

「敵は部隊を3つに分け、内2つを差し向けてきた。
 これをワシは各個撃破の機会と捉えている」

続けて、チルグラを見る。

「鍵を握るのはチルグラ夫人の古代語魔術じゃ。
 <眠りの雲>で戦力を半減させ、その隙に集中して一気に殲滅する!」

最後はクーフェリアスを。

「問題は夫人の魔力が何処まで持つかじゃが、ここはクーフェリアス氏に
 <精神賦活>の奇跡をお願いしたい。ワシはおそらく<癒し>に専念する
 事になりそうじゃからな」

言い終わると、背中に背負っていた小盾をチルグラへ渡す。

「夫人は盗賊の技術をお持ちじゃ。それは戦闘に関しても同様でありましょう。
 今回の戦い、<眠りの雲>を撃ち尽くした後は夫人にも前線に出て貰わねば
 なりますまい。お使いくだされ。ワシは愛用の大鎚を使う故、必要が
 ありませんでな...夫人に何かあったら、ご主人に顔向けが出来ませんでな」

冗談めかしてはいるが、半ば本気だ。

>「死ぬつもりはさらさらないが、命を捨てる覚悟はとっくにできている。
> もともと、拾いものだからな。」

「同感じゃ。此処は難局なれど、死中に活を見出す事にしましょうぞ!」

まるで戦神マイリーの神官にでもなった気分だ。
だが、自分は此処で死ぬ訳には行かないのだ...

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PLより:今晩しか投下出来そうにないので連続で投下!

     【行動宣言】

     01.敵を視認出来次第、PC全員とアルフレドに知らせます。

     02.アルフレドに、南方の警戒と村人の移動を依頼します。
       マルドルの行動宣言とも被りますが、ガラフからも伝えます。
       村人は村長宅前に集合して貰い、もしもの時にはまとまって
       脱出出来るようにお願いしておきます。座標はG5ですね。

     03.チルグラに手持ちのスモールシールドを貸します。
     04.集合場所はE4。