警戒
クーフェリアス(ラグランジュ) 2011.10.08 [00:49]
眠りから覚め、まだぼんやりする頭を覚まそうと窓を開け風に当たる。
暗い。
防柵に設置された篝火のおかげで微かに建物などの輪郭は浮き上がって見えたが
それがなければ一歩も動けぬほどの闇に支配されていたのは理解できる。
「襲撃するにはいい感じに暗いなぁ
これで昼間みたいに見えるなんて妖魔はどんな眼の構造なんだろう?」
どうでもいい疑問をつい口にしながら革鎧を着込み、マントを付け手斧を腰に下げ丸盾を背負う。
「さて、と」
見張りに就いていたガラフとマルドルと合流するために部屋を出た。
「まだ出ないか、このまま大人しく引っ込んでてくれれば一番楽なんだけど」
見張っていてくれたマルドルの言葉に安堵を感じつつ不安も募る。
「とは言えこのまま指をくわえて見ているはずもないし」
「どっちにしてもやるしかないかな」
そう言ってヨーセフ宅の方に目を遣る。
神聖魔法で傷は癒えたが、妖魔に襲われたショックと
大切な人が死の淵を彷徨っていた家族の恐怖は完全に消え去るはずもない。
そしてただでさえ不安に襲われている村人達に同じような恐怖は味わわせたくはない。
これは助かる。
明かりがなくてはガラフとマルドルだけが頼りだ。
しかも松明やランタンで明かりを確保しようとすると片手が塞がり戦闘力が低下する。
しかしこれならばその心配はない。
「なら僕が持った方がいいのかな?」
「リュエンとラッシュさんは敵と前線でやりあう以上
明かりを一々気にする余裕はないだろうし
僕は治癒魔法で後方から支援する形になるはずなので
それくらいの余裕は出来るはずです」
そう言うとリュエンとラッシュに目を配り意見を求める。
*****
その後、眠っていた体をほぐす意味も込めて村の様子を簡単に見て回り
おそらくは敵が来るであろう西側の防柵付近に向かう。
そこにガラフとマルドルの姿を見付けた。
マルドルの独り言にも似たつぶやきが聞こえる。
今までの剛毅な武人とも感じ取れたイメージとは違いそれは普通の女性のようだった。
「そんな自信のある人は天下の英雄か余程の大馬鹿くらいですよ」
人間誰しも限界はある。
だからこそ足掻く。
「やれる範囲で最善を尽くす、そうすれば神は必ず応えてくれます」
足掻いた先に救いがあると考え人は神を信じ、祈る。
例え救いがなくとも人はそうして困難に打ち勝ってきた。
「確かにアルフレド隊長は良い人ですよね、従士達から見ればおっかないでしょうけど」
「冒険者のアフターサービスって事で村だけでなく従士長達も守る
それでいいんじゃないんですか?」
勿論、そんな自信など自分にも無い。
だから足掻けるだけ足掻いてやろうとそう自分にも言い聞かせた。
マルドルが見つめる先を同じように目を凝らす。
見えないが、注意だけは払い些細な物音でも拾おうと意識を向ける。
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PLより
まずは謝ります、すいません!
マルドルに対して失礼な感想を書いてしまいました
笑ってゆるしてくれるとありがたいのですが(汗)>LINTSさん
内容は見ての通りほぼ日記です。
ライト石はガラフとチルグラは必要ないでしょうし
他のメンバーの中では後衛になるだろうクーが持ってた方がいいかと思いましたので
もし違う意見があれば教えて下さい。