懸念

GM(Lain) 2011.10.07 [03:00]

> 「何せひとたび戦いが始まれば、血が流れずにはおられん。
>  斬られると痛いしなあ。痛いのは勘弁して欲しいものだ」

「まったくです」

 意外に感じた風もなく、アルフレドはそう答えて今度ははっきりと笑った。

※ ※ ※

>  そんなヒヨっこをほったらかして死ねる訳ないって」
> 「あんたが一番良く分かってるはずだろう?」

 叩かれた肩を見、叩いたマルドルの拳を見て、アルフレドは息をついた。

 敬礼した腕を下ろし、手を振って去るマルドルを見送る。

「いつもああなのですか、彼女は」

 どこか羨望を含んだ声で、彼はガラフにそう問う。

※ ※ ※

「マルドルさんはああ言われますが」

 いくらか気分を切り替えた様子のアルフレドが話を続ける。

「どうにも最悪の事態というのを考えてしまいます」

 それが生き残る術のひとつでもあったのだろう。
 その顔に浮かぶのは苦笑だ。

 ああ最悪と言えば、と、ふたたび表情を引き締める。

「防柵が突破された場合については、なにかお考えですか」

 衛兵がおり、彼らを率いる従士長がおり、そして冒険者がいる。
 可能性は決して高くはない――だが、ゼロでもない。

「無論、1匹2匹であればいかようにも対処はできるでしょうが」

 万が一、柵を破壊されるようなことでもあれば。

「少なくとも、村人をまとめて逃がさねばなりません」

 敵を食い止めつつ、村人を誘導してどこかへ逃がす。
 敗勢にある中で行うとすれば(必然的にそうなるわけだが)、控えめに言って至難の業だ。

「私と衛兵、それにあなたがた冒険者。
 妖魔どもの阻止と、村人たちの誘導。
 どちらがどちらを担うべきか、あらかじめ決めておくべきかもしれませんね」

 できうるならば逃げ延びる先も、と付け加える。

 彼の悩みが尽きることは、当分の間なさそうだ。

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■GMから

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 進行とはあまり関係のない短レスです。
 マルドルかっこいいよマルドル。

 ガラフにも少し話を振ってみました。

 ・もし突破されたらどうする?
 ・村人を逃がさざるを得なくなったときにそれぞれどう動く?

 というあたりを気にしているようです。