戦支度

GM(Lain) 2011.09.29 [23:09]

> 「アルフレドさん、少しお話があります」

 なんでしょうか、とアルフレドはあくまでも丁重だ。

> 「防柵の補修をしようと思っていますが従士達をお借りできないでしょうか?
>  村人と一緒に補修をしていただければ昼までには終わらせられます。
>  『兵は拙速を尊ぶ』とも言いますし、手早く済ませてしまった方がいいかと思いますが」

「同感です」

 彼は頷き、疲労のにじむ顔色に小さな笑みを浮かべた。

「さきほどもリュエンさんに申しましたが、彼らにはあなた方の指示に従うよう伝えてあります
 力仕事であれば適任でしょう。使ってやってください」

> 「補修が終わり次第従士達には警備に戻ってもらえればいいですし
>  それから狩人のイアンさんと私達で一緒に森の調査に向かおうと思っています」

「よい案だと思います。
 調査はあなた方にお任せします。後背の守りはどうかご心配なさらぬよう」

 なに、弱卒とはいえあなた方が戻るくらいまではいかようにも耐えられましょう。
 では私の寝むあいだ、彼らをお願いします。

 短い挨拶を残してアルフレドは家の中へ入ってゆく。
 これから食事を摂り、眠るのだろう。

※ ※ ※

 冒険者たちの指示を受けて、衛兵たちは動き出した。
 破損・劣化している箇所を聞き、印をつけ、補修に使う丸太の所在を村人に聞き出し、それらを目的の場所へと運ぶ。

 慣れない仕事だからか、最初は戸惑う場面も多かったが、そのうち自然発生的に村人と役割を分担しだした。
 彼らは力仕事――たとえば材料を運び、支え、杭を打ち込むような――中心に補助に回り、村人たちに指示を乞うて作業を進めている。

 休憩は半刻ごとに一度、水を飲んで顔や手を洗うのみ。
 作業は順調な様子だ。

 晩夏から初秋にかかる時期の昼間である。
 相当に暑いことは疑いようもないが、彼らは汗だくになりながら文句ひとつ言わずに身体を動かしている。

 槍は作業をする場所のすぐ傍、いつでも手に取れる位置に置き、作業場所を移動する際には律儀に持って歩いている。
 護身用と作業用を兼ねたものであろう短刀は身に付けたままで、鎧も脱いではいない。

 アルフレドの訓戒が行き届いているのだろうと思われた。

 そうこうするうちに作業は進み、太陽が真上に昇るころ、無事に防柵の補修は完了した。

※ ※ ※

 ラッシュ、リュエン、クーフェリアスの3人は村の周囲を警戒する。

 牧草地も耕地も燦々と照る日差しに包まれ、村からその全体像が見渡せる。
 風もさして強くはない。
 これでは丈の高い牧草に隠れようにも、草の揺れで容易に存在を確認されてしまうだろう。

 森の奥まで見通すことはできないが、見える範囲で異変は生じない。
 妖魔とて休息の時間は必要だとすれば、今がそのときなのかもしれない。

 そうこうするうちに時間は経過する。
 太陽は真上に昇り、そろそろガラフやマルドル、チルグラが起き出してくる昼時だ。

 この時間は冒険者たちの味方か、それとも――?

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■GMから

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>みなさま

 予告どおりターンを進めました。
 第1日のターン1終了です。

 ターン2に何をするか、を決めてください
 分散する場合は人数配分なども同時に決める必要がありますね。

 【捜索】を行う場合はどのマスを対象にするかも併せて宣言をお願いします。

 【罠設置】を行う場合は対象のマスに加えて大まかな目的も宣言してください。
 具体的には、たとえば、ダメージを与える罠、警報装置、足止めするための罠、ダメージを与えつつ足止めする罠などです。
 基本的に、構造が複雑で敵に与える直接的な影響が大きいものほど発見されやすくなるでしょう。
 また大掛かりな罠は設置にかかる時間的コストが高いため、数を作って当たりを期待するという戦略が取れません(設置難易度にはそういったものも反映されるとご理解ください)。
 深さ5m直径3mで下に尖った杭を埋めておく、というような大掛かりな落とし穴は、たしかに掛かれば致命的でしょうが、6時間でそういくつも作れるわけではありません。また、隠蔽も相応に困難でしょう。


 なお、次の進行期限は10月1日22時とします

 質問などがあれば遠慮なくどうぞ!