朝食を摂りつつ。

ガラフ(テッピン) 2011.09.28 [22:40]

襲撃現場の捜索の結果、チルグラは妖魔が投擲したと思われる手斧を発見した。
どうやらこれはヨーゼフに命中したものではないようだ。
そしてチルグラの分析によると、足跡は3種類あると言う。
コボルド、ゴブリン、ホブゴブリンと。

「ホブゴブリンか...確かに膂力は十分にある輩じゃな。
 『王』でなくとも、鎧を纏わぬ一般人の肩なら、十分に打ち砕けるか」

おそらく突然の事で避ける余裕が無かった事と、たまたま当たり所が
悪かったのと、両方なのだろう。ヨーゼフにとっては真に不幸といえる。

***********************************

夜闇の捜索で夜目が利かないのもあり、引き続いての捜索は改めて行う事にし、
帰路に着いた。
これ以上足跡を追うと森に踏み入る事になる。それは避けたい所だった。

>「ああ...やれやれ、長い一日だったなあ...」

村長の家へと戻る途上で、防柵の検分をい終えたマルドルと合流する。

>「チルグラ、ガラフ、おつかれさん」

「うむ。お主もご苦労じゃった。歩きがてら話を聞かせて貰うかの」

自分も疲れているだろうに、他者への気遣いを忘れない細やかな心遣い。
彼女の無骨な発言と鷹揚な人柄に隠された優しさを、好ましく感じる。

***********************************

村長の家に着くと、同じく不寝の番に着いていたアルフレドが、
若い従士衆に兵舎さながらの訓示を垂れている所に遭遇した。

>「朝から元気だなあ」

マルドルが妙な所で関心する。これも彼等の任務の一環だと思うのだが、
確かに元気な事には変わりない。

「領民の安全を守る従士が精彩に欠けるよりは遥かによかろう。
 若い内にしか出来ない事じゃ、元気さを前面に押し出す事はな...
 いやいや、ワシもまだ成人したての若者じゃったわい!
 どうも人間社会で暮らしていると時間間隔が異なるから自分が年寄りに
 なった気になってしまうのう...」

相棒に相槌を打ちつつ、いつの間にか独りごちてしまう。
鉱山妖精たる自分も、流石に眠気に負けつつあるらしい。

***********************************

先に眠りに着いた3人が起きるのを待ち、共に朝食を摂りながら情報を伝える。
強行軍と徹夜のせいか、いつもに増して腹が減ったし、そのせいか質素な
食事が腹に染みる程旨い。マルドルが説明しているのを横目にひたすら食べる。
内心申し訳なく思いながらも、こればかりは止まらない。
ようやく人心地着いた後に、文字通り付け足す様に言う。

「マルドルとチルグラ夫人が伝えた通りじゃ。
 妖魔の性質から言って襲撃は今後も夜中を警戒した方がいいと思われる。
 貴殿等には動きが取りやすい午前の間に、防柵の修理などを手配して
 頂きたい。宜しくお願い出来ますかな?」

ラッシュの表情に一瞬不満気な様子が見えたが、気にしないようにする。

>「どうする? クーフェリアス、リュエン。
> 森に入るなら、俺は6人全員で入るべきだと思うが?」
 
ラッシュは森に分け入りたいようだ。
彼の言う様に、分け入るなら昼に全員の方が望ましい。
 
>「俺は、守るより攻めのほうが好みなんだが・・・。
> 今日のところは、柵の修理のほうを優先すべきだと思う。」
 
好戦的なようでいて、冷静に状況を分析している。流石と言った所か。

「ラッシュ氏の言う通り、森に入るのならワシ等が目覚めてから
 全員で向かうのが良かろうと思いますな。
 柵の補修は特に問題無ければ今日一日で終わりそうじゃし、
 午後に動いて見るのも悪くはないと考えますぞ」

ただ。

「妖魔共がワシ等の逆を突いて、昼間から攪乱や陽動に出る可能性は
 否定出来んですな。推測される数から、そこまでの余裕は無いとは思うが...
 奴等にも休息は必要な筈じゃからの」

一応懸念は口にし、注意を喚起しておく。
『王』や『呪術師』を頂く集団が、果たしてどの様な動きを見せるのか?
未知数だ。

>「じゃあ、私たちは休ませてもらう。
> 何かあったら、叩き起こしてくれ」
 
きりのよい所でマルドルが立ち上がる。自分もそれに続く。
 
>「ああ、ゆっくり休んでくれ。」
 
「ラッシュ氏、リュエン氏、クーフェリアス氏よ。
 ワシ等が眠っている間、諸事宜しく頼みますぞ。
 貴殿等にラーダの加護があらん事を」

これから任務に向かう仲間に祈りを捧げる。
願わくば、目覚めた時に何の異変も起きていない事を願いつつ...

===================================

PLより:投稿間隔が空きがちでスミマセンスミマセン!の追いつき投稿。
     ワタシもLINTSさんと同じく、夏季ごおりさん案に賛成です!