目撃証言
クーフェリアス(ラグランジュ) 2011.09.21 [22:24]
>「あー、昨日もハショウフウがどうのって言われて酒で傷口洗ったんです」
「取り敢えずの消毒は済んでると、なら危険は少ないかな」
万全とは言わないが患部を汚したまま放置していたのでなければ精霊力の乱れも最小に抑えられるだろう。
>「アルニカ、ですか」
> 明日、長にでも聞いてみましょう。
> どの道、夜のうちは村の外にゃ出られんですからねえ、と彼は言った。
「ではお願いしますね、万が一の備えは必要ですから」
イアンが無事だったとして妖魔の襲撃があれば怪我人が出るのは避けられないだろう。
戦闘に不慣れな従士達もそうだが自分も経験は浅い。
何かあってからでは遅いのだ。
>「イアン、長が呼んでるってよ――あれおめえ腕はどうした」
> いやそれが聞いてくれよ、この人――じゃなかったこちらの神官様が。
> 畏敬の視線からは、当分解放されそうにもないようだ。
村長が呼んでいる、となれば事の詳細も聞けるだろう。
イアンや村人の視線にむず痒いものを感じながら促されるままに歩き出す。
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村長の家に着くと先にマルドルが話を聞いていたようだ。
>「あんたの『初陣』は、成功したようだな」
『初陣』か...
確かに村に着いた途端に犠牲者が出たとなればその時点で負けとも言える。
今回は妖魔退治ではなく村の防衛が目的なのだから。
「まぁ駆け出しとは言え神官ですし
それに堕ちたりと言えどブロウクラートの名を汚すような真似はできませんからね」
村長から狩人の親子、ヨーセフとイアンの事で丁重な礼を受ける。
>「光の神の信徒として、フリクセル卿の手の者として当然の行いを
> したまでじゃ。どうか、お気遣い無く願いますぞ」
ガラフに続きそう返す。
ヨーセフやイアンも当然だが村を治める村長としても犠牲者が出たとなれば居ても立ってもいられないだろう。
見た感じはしっかりした印象だが精神的な負担は軽くはないはず。
これ以上の心労はかけられないなと思う。
話の結果、妖魔は太鼓を使い二手に分かれるなど統制の取れた行動を見せた事。
ヨーセフのあの深手は信じられないことに自らの得物と同じ手斧によるもの。
明らかに大柄な個体がいた事などが分かった。
どうにも話に聞くゴブリンの愚鈍なイメージとそぐわない。
という事は知能の高いリーダーがいるのは間違いないだろう。
大柄な個体ということも併せて考えればおそらくはロード種がいると考えた方が良さそうだ。
「だとすればかなり手強いな
...やっぱりリュエンに頼るしかないかな?」
俯き気味に頭をポリポリと掻きつつそうつぶやく。
>「村長の仰る通り、現状は見て確認するのが一番に思われますな。
> ワシは鉱山妖精故、夜目が聞く。先の偵察の絡みで襲撃が夜明け前後に
> 行われる可能性も高いし、この後巡回に行かせて頂きますぞ」
ガラフとマルドルはこのまま見張りに就くようだ。
こちらは強行軍とまだ慣れない奇跡の行使でもうクタクタだ。
しかも空腹を思い出したかのように腹も鳴る。
「じゃあそうさせてもらおうかな、こっちも限界みたいだし」
軽く腹を撫でながらそう告げた。
「守りが厚くなった事に気付いていれば向こうも軽々と手出しはしないと思いますけど
くれぐれも気を付けて下さいね。
ではこれで失礼させてもらいます」
食事が用意されてる場所へ向かうがリュエンやラッシュはとっくに食事を済ませて寝てしまったようだ。
まずはすっかり冷めてしまった料理で腹を満たし取り敢えずの安息を得る。
山村だから塩はあまり使えず塩気が少ないのか?
人参もオランの物と違った風味だったのは土や品種が違うのか?
悪い癖だと思いながらついつい余計な事を気にかけてしまう。
さて、明日の大仕事に備えて休むとしよう。