襲撃の記憶

GM(Lain) 2011.09.18 [23:38]

> 「まさかあんな怒られるとは思わねぇよ本当」

「疲れて気ィ立ってたんじゃないすかね」

 話しかけられた衛兵のひとりがそう答える。

「あ、俺ボリスっていいます」

 そういや名前も言ってなかったですね、と口々に自己紹介がはじまった。

 最初に名乗ったボリスのほか、エルメル、フランツ、クラエス、デニスの計5人。
 歳は16から18の間、ほぼリュエンと同じ年頃だ。

 みな、普段は街の衛兵だという。

> 「隊長もアレ、見た感じ冗談通じない人だよな」

「隊長・・・・・・ああ従士長。はは。
 教練でお世話んなったスけどそりゃあもうね・・・・・・」

 フランツが遠い目をする。
 デニスが顔をしかめた。

「まーあの人に冗談言おうって奴ぁいませんて」

 それこそ冗談じゃねえよ、と誰かが小声でこぼす。

「そんなあんた、仲間内の罰則とかじゃねえんだから」

 クラエスが冗談めかして言い、皆が苦労して笑い声を抑える。

「いやその、悪いひとじゃない、と思います・・・・・・よ?」

 エルメルが取って付けたようなフォローを入れるが、語尾が尻すぼみで逆効果なこと甚だしい。

 離れたところで同じように食事を摂る当のアルフレドは聞こえたのか聞こえなかったのか、リュエンと衛兵たちの方をちらりと見ただけで何も言わなかった。

※ ※ ※

> 「太鼓の音?」

> 「確認させてくれ。

「は」

 ヘルナーは気圧されたようにマルドルを見つめる。

>  それは敵が打ち鳴らしたものなのか?
>  それとも狩人が持っているものとか、何かの合図で村で鳴らした、
>  というものなのか?」

「いや村にはそんな太鼓はありませんで」

 だから妖魔どもが打ち鳴らしたものでしょう、とヘルナーは答えた。
 たしかに村中ではっきりと聞き取れました、その太鼓の音で変を知った者も多いのです、と付け加える。

> 「その太鼓の音をより間近で聞き、現物を見た人物は
>  狩人親子しかいないのだな」

「音そのものは村中皆が聞いているでしょう。
 実際に打っているのを見ているとすればヨーセフと倅のイアンでしょうが」

※ ※ ※

 一騒動あったあと、どうやら落ち着いた村長が、さてどこまで話しましたかなと話をもとへ戻す。

> 「ガラフと、クーフェリアスの奇跡だろう...助かって良かった」

「神官様が二人も・・・・・・ですか」

 有難いことです、と独語する。

「正直なところ、ヨーセフはもう助からんと思っておりました。
 こう、肩口にひどい深手を負っておりまして」

 急いで来てくださって助かりました、私からもお礼を申し上げます、と彼は薄くなり始めた頭を下げた。

> 「妖魔襲撃に関しては、恐らくガラフかクーフェリアスが
>  ヨーゼフの息子殿から聞き及ぶこととなるだろう。

「そうそう、そのことですが」

「さきほどイアン――ああ、ヨーセフの倅ですが、そのイアンを呼びにやりました。
 そろそろ来る頃合です。あれから詳しく話させましょう」

 ヨーセフが助かったとあれば落ち着いて話もできましょうから、とヘルナーは請け合った。

※ ※ ※

 ほどなく、ガラフとクーフェリアスに伴われて若い村人が村長の家を訪れた。
 あれがイアンです、とヘルナーが紹介する。

 ところでお前その腕は、とヘルナーが問い、いやこちらの神官様が、とイアンが答える。

 重ね重ねありがとうございます、とヘルナーは2人の神官に頭を下げた。

「それでその、昨夜のことを聞きたいと、この方々が仰っている」

 中断された話を継いで、ヘルナーがイアンに促した。

「ああ、ちょうどうちでもこちらの神官様にその話をするところだったんです」

 イアンが答える。

「ええと・・・・・・昨日のことですね。
 放牧してた山羊だの羊だのが夜騒ぎ出して、様子を見に行こうってことになりまして。
 で、たしか門を出る前から太鼓の音が聞こえてきてました。
 こう、どーん、どーん、って、少し間遠な感じで」

 宙に視線を漂わせながら、イアンは記憶を呼び起こしているのだろう。
 時折つっかえながら、昨夜の襲撃の様子を語る。

「最初は獣の類かと思ったんですが、太鼓でああこりゃあ違う、とね。
 でもまあとにかく確かめようってんで、俺が松明持って親父が弓持って」

「村のあっちの・・・・・・ええ、北西の畑抜けて牧草地に入ったあたりですかね。
 いきなり、なんか飛んできたんですよ。
 俺は腕を掠められただけだったんですが、親父がまともに受けちまって。
 斧だったと思います――こう、手斧あるでしょう。あのくらいの」

 暗闇の中からいきなり目の前に現れた斧は、避けようもなかったのだという。
 それが斧と知れたのも、足下に落ちたそれを目にしたからだ、と。

「あとはもう必死ですよ。
 松明捨てて親父をこう、肩に背負うような形で、門まで必死で。
 親父を背負うときに、ちらっと妖魔を見ました。
 何匹いたかな。その場で見たのは5かそこら、あとで聞いたら、も少し川寄りの方に出てた奴も同じくらい見たって話でした」

「大きさや様子は・・・・・・どうでしたかね。
 暗かったし慌ててたしであんまりはっきりしねえんですが、並みよりもでかめの奴が1匹混じってたような気がします」

「太鼓は・・・・・・どうかな。
 叩いてた奴は見てないと思うんですが、それもちょっと」

-------------------------------------------------------
■GMから

 この記事への返信は「120_ハルストレーム」カテゴリにチェックを入れて投稿してください。

 ガラフ、マルドル、クーフェリアスの質問にイアンがまとめてご回答です。
 衛兵ズはリュエンと打ち解けつつあるようですね。

 例によって抜けなどありましたらご指摘くださいませー。

 これ以上の質問についてはターン4行動組のみができるものとさせてくださいね。

 ただ話ぶりからして、これ以上詳細な情報は出てこなさそうではあります。

 ※追記:09/19 00:30

 上記「これ以上の質問はターン4行動組のみが可能」というのは、ターン4休憩組は襲撃の状況や敵の行動、構成についてこれ以上質問できません/村長や村人への協力要請なども不可能です(した場合はターン4に行動したものとみなします)という意図です。

 これまで続けてきた会話を締めくくるためのレス、食事をして寝る旨のロールプレイなどは上記に含まれません。常識的と思われる範囲で自由にやってください。

 念のため追記しておきますねー。