神官の責務

クーフェリアス(ラグランジュ) 2011.09.16 [13:05]

ざわめく村人達に迎えられ不安の中にも希望が芽生えるのを感じ取れる。

集まった不寝番の男達を見たところ満足な武器はなく、もしまともに妖魔達が襲ってくればひとたまりもないだろう。

防柵はしっかりとした作りではあったが長年手付かずなのか痛みも見て取れ

点検し必要があれば補修する必要もあるかもしれない。

そんな事を考えながらマルドルが声をかけた村人が駆け出すのを見送っていると後ろから声がかかる。

 

>「あんた神官さんですか。
> ひどい怪我人がおるんですが、もしよかったら・・・・・・その、診て、やってくれませんか」

ガラフの首から下げたラーダの聖印とこちらの盾のファリスの聖印――白い塗料で先端が尖った形の十字『光十字』が書いてある――を目に留めた村人が遠慮がちに申し出る。

>「承知致した。案内して頂こう」

ガラフが快諾する。

「では私も伺います、私も癒しの業は使えますし賢者としての知識も治療に生かせるかもしれません」

「皆さん、ガラフさんと一緒に怪我人の様子を見に行きますのでここはお願いしますね」

そう言うと案内する村人とガラフの後を追いかける。

 

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>「ここです」

通された民家のベッドで息も絶え絶えな壮年の男性が一人

傍らには妻らしき女性と左腕に怪我を負った息子と思われる若者も居る。

男性の傷を近くで見るととても助かるような浅いものでないことは素人目にも明らかだろう。

>「傷を見せて頂けますかな?ワシはガラフ。
> フリクセル子爵によりハルストレームに遣わされた者じゃ。
> ラーダの神官として、幾許の奇跡を行使する事が出来ますでな...」

>「ふむ...これは余程の力の主に斬られたようじゃな...
> しかし、まだ何とか出来るじゃろう。ご安心くだされ」

ガラフの祈りと共に患部が淡い光に包まれ、一拍置いて男性の息がゆったりとしたものに変わる。

>「これでよし。ひとまず命の危険は避けられた筈じゃ。
> ただ、傷は癒えたが失われた血までは戻っておらぬ。
> しばし安静にして精のつく物を食べるとよかろう」

 

これだ、賢者の知識でも成し得ない神の御業。

例え知識の奥義を極めようとも太刀打ちは出来ないだろう。

そして知識だけでは立ち向かえぬ悪があるからこそファリスに祈り、広く民衆を救う力を求めた。

また癒しの力だけではなく、聖印を見た村人の険しかった顔が僅かにほころんだのを思い出す。

光の神々が持つ威光が人々を勇気づけ抗えぬものに抗う力をもたらす。

ファリスに仕えたのはやはり間違いではなかった、そう改めて感じ入る。

 

>「ワシはフリクセル子爵の命を受けただけに過ぎん、礼には及びませんぞ。
> それに困っている者も見過ごすのはラーダの、いや、光の神々の教えに
> 背きますでな...星王は懸命に困難に立ち向かう者を、けしてお見捨てには
> なりませんぞ!」

しかしガラフの堂に入った神官としての立ち振る舞いも素晴らしい。

一瞬でこれほどの緊迫感を和らげるのは並大抵のことではない。

常々神殿に篭もり盲目的に教義に従い儀礼のみにこだわる

初歩の奇跡も使えぬファリス神官が多い事に軽く失望を覚えていた。

しかし仕える神は違えど民に奉仕するガラフの姿に神官としての目指すべき物を見た気がした。

>「さて...息子殿。もし見ていたのなら、教えて頂きたいのだが。
> 父上に此処までの深い傷を負わせた相手の風貌を、出来る限り詳しく
> 知りたいのじゃ。もし分からないなら、見ていた者を紹介してくださるのは
> お願い出来ますかな?」

「その左腕、良ければ私で治しましょうか?」

ガラフが言い終わるのを待ち若い男性にそう告げる。

怪我も辛いだろうがこの状況で家族や村のために働けないのも歯痒いだろうと思いそう申し出た。

 

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PLより

息子さんの怪我も治療していいですか?>Lainさん

 

親父さんを助けたからもう協力的になってると思いますけどダメ押しで心象を良くしておきますw

それにこれから見張りに立つガラフが消耗するより

すぐ休憩に入るクーにキュアウーンズ使わせたほうがいいという打算もありますが。

 

先輩神官への憧れも織りまぜつつ今後どう絡もうかと思案中^^>テッピンさん