街道と吊り橋
GM(Lain) 2013.03.03 [04:50]
フラナリー街道を歩くことおよそ小半刻。セクトールとエリーズは、川を渡る吊り橋のたもとにたどり着いた。
蛇の街道の側道、というだけあって、道はよく整備されている。
小型の荷馬車程度であれば、どうにかすれ違うことも可能だろう。
里程標などもしっかりとしたものが設置されているあたりはオランの国柄といったところだろうか。
肝心の吊り橋は、吊り橋にしてはがっちりと作られたものであることが一目で解ることだろう。
さすがにすれ違うことはできないが、荷馬車をそのまま通すことのできる造りだ。
村で尋ねれば、谷が深く、また雪解けの頃に川が増水するために、あえて吊り橋となっているらしい、ということを教えて貰えることだろう。
その言葉の通り、谷はこのあたりではなかなかの深さであり、また斜面の斜度もなかなかのものだ。
橋以外の場所で渡ることは絶対に不可能、というわけではなかろうが、冷え込んでくる時期の水温と上り下りの困難さを考えれば、実質的に不可能と考えてよいだろう――渡ることそれ自体が命がけになりかねない、という意味において。
見た限り、橋に破損やその兆候はない。
これも村で訊けば解ることだが、橋板や橋を吊る縄は定期的に交換されているのだという。
上下水道を持つ都市オランはつとに有名であるが、王都に限らず、国内の街道整備にかける王国の熱意はどこか執念のようなものを感じさせるところがある。
こういったところも、その熱意の表れのひとつではあるのかもしれない。
※ ※ ※
村から見て橋の手前側を除けば、フラナリー街道を間近に見られる見通しのよい場所というのはそう多くない。
橋の手前側は畑と牧草地、放牧地が広がっており、ここは誰か・なにかが侵入すれば、ことにそれが妖魔などの類であれば、即座に村に察知されるような場所と考えてよい。
対照的に橋の向こう側は、街道の近傍まで森が迫っている。
木々に遮られて視線はそう遠くまで届かない――それなりの土地勘か、でなければ野外活動のための技量か、どちらかがなければ、街道のそばであっても道に迷いかねない場所ではあるだろう。
その近辺からも、巨人が見られたという尾根をはるかに望むことはできる。
だが、あまりにも遠い――たとえ巨人がいたとて、街道からそれを確認することはできそうにない。
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■GMから
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短レスその2、街道&橋の確認編です。
提示された事項については拾っていると思いますがどうでしょうか。
なお、川については、街道近辺では橋以外の場所での渡渉は不可能、というふうに考えていただいて結構です。
少なくとも、妖魔の類が渡ることは不可能です。巨人なら何とかなるかもしれませんが、巨人だと逆に川までの上り下りで無理が出そうな感じですね!