散歩気分でふらふらと。
アイリス(一葉) 2013.03.02 [16:27]
あたしたち一行は、今回の依頼において拠点となる地、ラデクへと到着する。
フラナリー街道が側道な上、立地の都合もあるのであろうが、村の規模は大きくない。とは言っても、あたしたち冒険者に対して歓迎の意を表せるだけの余力はあるようで、それなりに整った歓待を受けた。
決して裕福とは言えない造りの家々。簡単な防柵。朴訥で危機感の無い村人たち。
少し、故郷の村を思い出した。未練はないけれど、心のどこかに刺さったままの棘がうずいた気がした。
> 「ラルセン様、バーラーと申します。村の方々も不安でしょう
> 一生懸命がんばりますわ、できるだけ早く巣を見つけませんと・・」
> 「しばらく厄介になるぜ。 俺の名はヴェンだ」
「アイリス・リトルトンです。できる事は全力でやりますよー」
皆に続いて簡単な挨拶を済ませ、村人たちの話をざっと聞く。
山道の向き、妖魔の目撃情報。それらについて特筆すべき感想はない。
> 「北東のX印は遠いが、巨体ってのはヤバそうだ。
> 北西にある赤いゾーンも離れているが、こっちが妖魔というのは間違いないんじゃないか...
> 筋の通った話を考えるならば、元々、妖魔たちは北西、北東に点在していたが
> 巨体のモンスターが出現したことで北西に集まり目撃数が増えたと考えるのが良さそうだ。
> 巨体のモンスターが駆逐してそうなったのか、
> 巨体のモンスターが妖魔を率いて北西に集めたのか正直わからんが、
> そんなところかそれに近い話だと思うけどな。」
ヴェンが見解を話す。
表情には決して出さないが、巨人に関してはあたしは半信半疑という思いが強い。巨人なんぞが出てきたらあたしたちにできる事があるのかという意味でと、ヴェンの言うような敵の敵であれば、それを排除せずに拮抗状態を作り出すのもまた手であるとも言えるからと言った所か。どちらにしろ、あたしたちに全ての脅威を相手にしているだけの人手と余裕は、多分無い。
だから、夕暮れ時に壁に伸びた小さな妖精の影を、巨大な魔神と勘違いしたという、そんなありふれた笑い話だと思うようにした。合理的と思い込んだ希望的観測に過ぎなくはないかという懸念は、そっと見ないで蓋をした。
> 「住人たちの言っている通り、赤いゾーン ---、川の上流部にいるならば、
> 川にはなんらかの妖魔たちが流した漂流物があるんだろう。
> 漂流物がないなら、川の上流よりも山の尾根側が妖魔の住処と考えた方が自然だろ。」
> 「王国北部の孤立 - 街道を遮断するのが奴ら(妖魔)の目的なら川をせき止める。」
> 「そして、頃合いを見て堰を切れば濁流となった川で橋を壊すことも可能だ。
> この地図の通りならば、川は村の手前でカーブを描く、山道の橋、街道の橋、
> そして、村の東側は壊滅的な被害を被るだろう。」
> 「これだけの被害でも、騎士団も来ることができずに北部の村から糧秣を奪うことができる。」
> 「正直、知恵が回るような奴らじゃないとは思うが、
> 川が堰き止められていないか、確認だけはしとくか...」
> 「あと、川が渡れないか?
> もし、川が渡れるなら、北西の赤いゾーンからX印へと移動すれば探索日数を浮かせるだろ」
「うん、自然だ。実際に流れてる所を目撃できるぐらいに漂流物があれば、なおさらね。
上級妖魔の知恵の程はあたしにも分からないけど、国単位を相手にするつもりはなくて、
ただ孤立無援になった無力な村を蹂躙するだけぐらいは有り得るんじゃないかな。
やっぱり川とか橋の確認は必須だと思うよ」
意見交換は続く。積極的な話し合いは嫌いじゃない。
ともあれ火急の問題は、寒村にとって冬を越す為の物資が集められない事による悲劇が見えている事。
文字通り木の根をかじり身を寄せ合って、死と隣り合わせで過ごす冬。それを防ぐ為に努力はしようと思う。
別に正義感に溢れている訳じゃない。あたしの寝覚めが悪くなるからだ。三文の価値もない正義なんて、あたしには用はない。
ボリスが村長を説き、クラエスがそっとそれを褒めるような呆れるような言葉を紡ぐ。
あたしはそれに肩をすくめて返事をした。口が回るのは良くも悪くも、便利な技術だかんね。
> 「それじゃ、俺らは避難の計画をも少し詰めておきますから」
「あいあい。ヨロシクー」
村長をはじめ村人たちの反応を見るに、避難の計画を詰める作業は面白いものになるとは思えない。
まあ負け戦の後処理なんだから当たり前なんだけど。それに村人たちは外の世界へ出るのを嫌うモンだ。
面倒な仕事をやってもらえるなら、渡りに船で乗っからせて頂こう。
食事と一通りのやり取りが終わった後、従士たちと別れてあたしたちも仕事に取り掛かる。
全員で協議し、ひとまず夕刻までの時間を使った分担を決めた。
あたしの役割は、村の周囲の状況調査。ぶっちゃけよう。気楽な作業である。
「それじゃあ皆。またあとで。
セクトール、エリーズ、ヴェン、バウゼンにはヴェーナー様の加護を。
有り体に言えば『幸運を』!」
ひらひらと笑って手を振って、あたしはあたしの仕事に取り掛かる。
さて、と。
それじゃぼちぼちやりますか。
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PL@一葉より:
皆様、相談にお付き合い頂きありがとうございました。
それではアイリスは村の周囲の確認に行って参ります。
巨人について嫌に否定的なのは、ぶっちゃけ出て来て欲しくないという中の人のメタ思考で(ry
■やること
・ざっと偵察(妖魔の斥候の痕跡や影がないか。足跡や茂みの荒れ跡、木々の影などを覗く感じ)
・防柵のメンテナンス度チェック。
・防柵以外の人工建造物がないかチェック。
・北西及び北東から妖魔が侵略してきた場合の侵略ルート候補選定。
・侵略ルート候補におけるアンブッシュ・バリケード・罠などを配置できそうな地形のチェック。
・畑仕事や畜産をしてる村人がいたら朗らかに挨拶して好印象を与えておく。
・フラナリー街道以南の様子見偵察。
※調べた内容は地図(地形図)を自分で作りながら仔細記録しておきます。羊皮紙を一枚消費!
■ダイス
判定に必要だったら使って下さいませ。
16:25:06 一葉@アイリス ≫ 聞き耳 2d6+4 <Dice:2D6[6,1]+4=11>
16:25:21 一葉@アイリス ≫ 危険感知 2d6+4 <Dice:2D6[2,4]+4=10>
16:25:33 一葉@アイリス ≫ 捜索 2d6+4 <Dice:2D6[3,4]+4=11>
16:25:42 一葉@アイリス ≫ 地図作成 2d6+4 <Dice:2D6[1,3]+4=8>
16:23:25 一葉@アイリス ≫ 予備1 2d6 <Dice:2D6[4,4]=8>
16:23:31 一葉@アイリス ≫ 予備2 2d6 <Dice:2D6[1,1]=2>
16:23:37 一葉@アイリス ≫ 予備3 2d6 <Dice:2D6[2,5]=7>