闇夜の明かり

GM(Lain) 2013.03.20 [23:25]

> 「だよな。野営は色々仕事が増えるからな。これ以上、働くと寝込んじまうぜ ガハハ」

 ヴェンの言葉に、バウゼンは頷いた。

「まったくね、妖魔どもを見つける前に疲れて倒れたんじゃあ目も当てられません」

> 「枯れ枝を集めて山小屋の周りに適当に置いとくべ」

「即席の鳴子というわけですね」

 さすがに野伏同士、バウゼンはヴェンの意図を正確に理解した様子だった。

 ややあって、集められた枯れ枝が小屋の周りに撒かれる。
 不自然でなく、それでいて侵入者が通りそうな場所に満遍なく。

 過不足なくばら撒かれた枝は、侵入者の存在を知らしめる手助けとなるだろう。

※ ※ ※

 昼間の行軍で疲労を深くし、にもかかわらず就寝時の警戒にまで心を配ったヴェンは、食事を摂ったあとすぐに寝付いた。

 見張りはセクトールとバウゼン。

> 「ま、なんもないことを祈ろうか」

「夜目が利かぬでは、戦うにもなかなか苦労が多いですからね」

 祈ったセクトールと相槌を打ったバウゼンの期待は、結果として裏切られた。

 ふたりが見張りに立ってから半刻ほどの後であっただろうか。
 先にそれに気づいたのは、バウゼンだった。

「セクトールさん、あれを」

 小声でセクトールに注意を促す。
 セクトールも数瞬遅れて気付くことだろう。

 西側の尾根に光が浮かび上がる。

 はじめひとつ、次にもうひとつ。
 たいまつほどの大きさだろうが、暗い稜線の上にあるそれはひどく目立つ。

 やがて光がかすかに動く――ふたつが交差するように一度、そしてもう一度。

 同じような光が、遠く東の稜線の上にも見えることに、ふたりは気がつくだろう。

 そして、セクトールは更に重要な事実に思い至ることだろう
 その光が稜線から浮き上がる高さは、人が手を伸ばす高さよりも、かなり高い。

 何がしかの道具をわざわざ用いているのでなければ、そこにいるのは人間よりも一回り二回りは大きななにか、ということになる。

 西の稜線の光と同じように、東の稜線の光が動いた。二度の交差。

 東側の稜線の光が二度、ぐるりと回り――南を、下る方向を指して止まる。
 西の稜線の光が同じように二度回り、同じように南を指して止まった。

 ふっと双方の光が消える。
 稜線のうえに、闇が戻った。

 なにかが――否、誰かが、合図を送りあった。
 そうとしか思えない動きだった。

 目を眇めて、ふたつの稜線に浮かんだ光のほうを凝視していたバウゼンが呟くように言う。

「西側、小柄な人影が複数。5以上、10はいない。
 少なくともうち1はやや大きめのものでした。たぶん人間とほぼ同じくらい」

「東側、大きめの人影が2か3。遠すぎてよく見えない――ただ、確実に複数」

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■GMから

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◆現状
 現在時刻は夜の9時頃です。
 おおむね、ヴェンとエリーズが寝入って1時間といったところでしょうか。

 なにやら東西の稜線で光のやりとりがあったようです。

 ふたりをすぐにたたき起こせば、途中からやり取りを見せることが可能です。

 光が現れた場所は、地図上だと西側I地点/東側K地点の付近です。

 移動経路がある程度はっきりした状態で、下り道であれば、村近辺・A地点までおよそ半日=6時間(3刻)といったところでしょう。

 4人がいる場所から村近辺まではおよそその半分、A地点まで3時間(1刻半)で到達できます。


◆移動について
 先日のジャッジに従い、暗視能力を持たないキャラクターが夜間に移動する場合は明かりが必須です。
 また、東側・西側の稜線ともに、森全体に対して視線が通るものとします。

 ある程度の大きさの裸の火(具体的にはたいまつです)を持って移動すれば、無条件で発見されることになるでしょう。
 覆いがある、または絞ることができる明かりであれば、発見されずに済むものとします。


◆というわけで
 ・就寝組のふたりを起こすか否か
 ・このあとどのように行動するか

 これらを決めてくださいませ。

 次回進行は22日夜の予定です。22日22時頃を〆切といたします。よろしくどうぞ!