森の中へ
GM(Lain) 2013.03.18 [01:35]
分岐点にて罠を仕掛けたのち、一行は道をはずれ、ほぼ真北の森へと進む。
分岐点の罠の出来栄えは悪くない。
素人であれば見つかることはまずないと言ってよく、したがって頭の出来は人間の素人以下である妖魔どもに発見される可能性も相応に低いものと判断して差し支えなさそうだ。
※ ※ ※
森の入り口、森林線の付近に仕掛けた罠の塩梅はいまひとつふたつ、といったところだろうか。
素人であっても偶然の手助けがあればどうにか発見できる、という態だ――だが、妖魔どもであればどうか。
五分五分よりは多少マシ、というところかもしれない。
ともあれ、罠は仕掛けた。
発見されればされたで、それは『人間が警戒していること』を伝えるメッセージとなるだろう。
妖魔どもがそれをどのように受け取るかは、想像するよりほかにない。
※ ※ ※
一行はヴェンの先導のもと、慎重に森を進んでゆく。
妖魔のものと思しき足跡は見つからない。
踏み跡程度の、知らされていなければ獣道と見分けがつかない猟師たちの道だ。
足跡があればおそらくそうと知れようし、また足跡を無理に隠そうとしたならば相応に不自然さが出てしまう。
そのような道で足跡も、それ以外の痕跡も見当たらないとなれば、結論はおおむねふたつに絞られると考えてよいだろう。
野伏の目を欺けるほど巧妙に痕跡を消したか、でなければ事実ここには妖魔どもが現れていないか、だ。
※ ※ ※
たえず周囲を警戒し、慎重に進むという行軍には、無論明らかな利点が――不意打ちをすることがあってもされることがないという利点が、ある。
だが、代償はどのようなものにでもついて回る。
たとえばこの場合、先行して警戒を担う者にかかる負荷、といったものがそれにあたると言えるだろう。
今夜の仮の宿とすべき猟師小屋にたどり着く頃には、特にヴェンの疲労が著しくなっていた。
適宜の休止を挟みつつとはいえ、4人の安全を一身に背負って警戒を続ける緊張は並大抵のものではない。
その緊張は、体力と気力、集中力を同時に削ってゆく。
野歩きに慣れたヴェンとはいえ、長時間続けて平気でいられる種類のものではなかった。
――否、ヴェンのように野歩きに慣れていたからこそ長時間続けられた、と言うべきであるかもしれない。
※ ※ ※
この日の宿が露営でなく、屋根と壁のある小屋であることは幸いだったと言えるだろう。
すくなくとも、テントを設営する必要がなく、火を熾す手間も少なくて済み、暖をとることについてさほどの気を遣う必要がないからだ。
ヴェンとバウゼンは念のためとして小屋の周囲を検めたが、足跡をはじめ、妖魔の出没を示唆するような痕跡は発見できなかった。
一晩の宿のことであるゆえ、手早くも入念な捜索を繰り返しての、一致した結論である――やはり、巧妙な隠蔽というよりは不在の事実を示している、と判断してよさそうだ。
面倒ごとが少ない、というのは、その分の時間を、体力を、より重要な局面のためにとっておける、ということでもある。
「やはり野営よりは屋根と壁があるほうが随分と楽なものです」
自身も野伏であり、精霊使いでもあるバウゼンが、しみじみとそう言った。
野営について回る心配も面倒も回避はできたが、警戒だけはそのようなわけにいかない。
今日まで何事もなかったとはいえ、今夜も明日もそうであるとは限らないのだ。
であるからこそ、冒険者たちの仕事がある、とも言えるのだが。
-------------------------------------------------------
■GMから
この記事への返信は「240_北西部」カテゴリにチェックを入れて投稿してください。
このカテゴリに返信できるのは、ヴェン、エリーズ、セクトールの3人です。
ざっくりと夕方まで時間を進めました。
罠はそれなりに設置できました。
北西側D地点の最大達成値が10というのがちょっとした不安要素ではありますが、まあ見つかったら見つかったでメッセージにはなるでしょう(よかった探し)。
北西側はここまで、足跡その他の妖魔出没を示唆する痕跡を見つけておりません。
ここまでで描写した以外の追加情報はありません。
また、予備ダイスは小屋周辺の足跡追跡・捜索判定として使用しましたが、これも特に発見できたものはありません――達成値的に、自信を持って「ここには妖魔は来ていない」と判断できてよいでしょう。
なお、疲労云々についてはゲーム的な意味の特にないフレーバーです。
>みなさま
宿泊中に当直を立てるか否か、立てるのであれば直の順を決めてください。
また、全員、冒険者Lv+知力Bを基準にダイスを振っておいてください。
加えて、予備ダイスを3回ばかり振っておいていただけると助かります。
次回進行は20日夜の予定です。20日22時頃を一応の〆切といたしますのでよろしくどうぞ!